存続が危ぶまれていた「おんたけ2240スキー場」が、2017-2018年シーズンも営業を継続することが明らかになりました。現在の運営会社を、1年に限り来シーズンの指定管理者とする緊急避難的措置を実施します。
指定管理者に応募なく
おんたけ2240スキー場は、長野県王滝村が所有するスキー場です。2012年5月から5年契約でマックアースが指定管理者となり、マックアースと村の第三セクターが出資する御嶽リゾートが運営を担ってきました。この間、村は指定管理料をマックアースに支払わない代わりに、施設修繕費などを上限1億円として負担してきました。
しかし、スキー場の利用者は伸び悩んでいます。もともと高速道路インターから遠いなど、立地上の不利を抱えていたのに加え、2014年に御嶽山が噴火。客足はさらに遠のきました。
2017年4月で契約が切れたマックアースは、次期指定管理者に応募していません。村は新たな指定管理者を募ったものの応募者は現れず、2017-2018年シーズンの営業が危ぶまれてきました。
1億8000万円を村が負担
信毎Web2017年7月19日付によりますと、王滝村は村議会に対し、御嶽リゾートが「緊急雛的に」指定管理者とする議案を提出し、同意を得たとのことです。「今冬の営業中断を回避しつつ、新たな指定管理者を募集する」とのことです。
同紙によりますと、「来年3月末までの指定管理料は6千万円余。このほか5年ごとの機材の更新費用、今年6月の地震で被害を受けた施設の修繕費計1億8700万円を村が負担する」そうです。
王滝村の人口は800人あまり。そんな小さな村に1億円以上の金額は大きな負担に思えますが、瀬戸普村長は「今、スキー場から手を引くと、村への影響は計り知れない」と発言し、多額の費用負担を決断しました。
おんたけ2240は、広いコースと高い雪質に定評があり、来シーズンも営業を継続するのは喜ばしいことです。
ただ、御嶽エリアのスキー場の苦戦の最大の理由は立地の問題で、近い将来、近くに高速道路ができたり新幹線が通る計画はありません。そのため、営業努力だけで客足が回復させるのはなかなか難しいように思えます。今後、永続的に施設を持続させることができるのか、少し心配です。(鎌倉淳)