東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」「こだま」の違い。料金、時間はどれだけ変わる?

初心者向けにわかりやすく

東海道新幹線を走るのは、「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3列車。その違いや、同じ部分について、初心者に向けてわかりやすく解説します。

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東京~新大阪間に3列車

東海道新幹線は、東京~名古屋~京都~新大阪を結ぶ路線です。多くの列車が山陽新幹線(広島・博多方面)に直通していますが、ここでは、おもに東海道新幹線区間についてご紹介します。

東海道新幹線を走るのは「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3つの列車です。どの列車も使っている車両は同じで、座席配置も変わりありません。

大きく異なるのは停車駅です。そのほか、指定席・自由席の両数や、一部の車内サービスにも違いがあります。

東海道新幹線と富士山

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「のぞみ」「ひかり」「こだま」停車駅の違い

最大の違いである停車駅について、先にまとめてしまうと、以下のようになります。

「のぞみ」号の停車駅

東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪

「ひかり」号の停車駅

東京、品川、新横浜、小田原(2時間に1本)、熱海(1日3本)、三島(2時間に1本)、静岡(毎時1本)、浜松(毎時1本)、豊橋(2時間に1本)、名古屋、岐阜羽島(毎時1本)、米原(毎時1本)、京都、新大阪
※停車本数は日中時間帯の概数。書いていない駅は全列車停車。

「こだま」号の停車駅

東京、品川、新横浜、小田原、熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松、豊橋、三河安城、名古屋、岐阜羽島、米原、京都、新大阪
※東海道新幹線の全駅に停車。

以下では、東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」「こだま」について、停車駅以外の相違点と共通点をご紹介していきます。

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「のぞみ」号とは?

東海道新幹線の速達タイプの列車が「のぞみ」号です。東京~新大阪間の所要時間は2時間27~30分程度です。

停車駅は、東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪です。東京~新大阪間の停車駅は、「のぞみ」号の全列車が同じです。

運行本数は、定期列車が毎時3~4本程度で、そのほか不定期列車(毎日運転しない列車)が8~9本程度あります。つまり、最大で毎時12本を運行します。ただし、最大本数で運行するのは、限られた日や時間帯だけです。運行本数は毎日異なります。

座席の種類は、自由席が3両、指定席が10両、グリーン車が3両です。ただし、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の、いわゆる「ピーク時期」には、指定席13両、グリーン車3両となり、自由席はありません。

座席の種類と号車

普通車自由席(1~3号車)、普通車指定席(4~7、11~16号車)、グリーン車指定席(8~10号車)
※ピーク時期には、普通車自由席はなく、1~3号車も普通車指定席となる。

車内販売

なし。グリーン車に限り、スマートフォンで飲料や軽食などを注文可(モバイルオーダーサービス)。

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「ひかり」号とは?

東海道新幹線の準速達タイプの列車が「ひかり」号です。東京~新大阪間の所要時間は2時間54分程度です。

停車駅は列車によって異なります。東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪には全列車が停車します。静岡、浜松、岐阜羽島、米原は毎時1本程度が停車します。小田原、三島、豊橋は2時間に1本程度停車します。熱海は1日3本程度の停車です。

運行本数は、定期列車が毎時2本程度です。うち1本が東京~岡山間の運転、もう1本が東京~新大阪間の運転です。この2本の列車が手分けして、「のぞみ」号の通過駅に停車します。

座席の種類は、自由席が5両、指定席が8両、グリーン車が3両です。

座席の種類と号車

普通車自由席(1~5号車)、普通車指定席(6~7、11~16号車)、グリーン車指定席(8~10号車)

車内販売

なし。グリーン車に限り、スマートフォンで飲料や軽食などを注文可(モバイルオーダーサービス)。

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「こだま」号とは?

東海道新幹線の各駅停車タイプの列車が「こだま」号です。東京~新大阪間の所要時間は3時間54分程度です。

「こだま」号は、全列車が東海道新幹線の各駅に停まります。運行本数は、定期列車が毎時2本程度です。うち1本が東京~新大阪間の運転、もう1本が東京~名古屋間の運転です。そのほか、朝夜には、東京~三島間などの区間列車が運転されます。

座席の種類は、自由席が10両、指定席が3両、グリーン車が3両が原則です。ただし、列車によっては、自由席の一部車両が指定席に変更されたり、グリーン車以外が全車自由席になることもあります。

座席の種類と号車

普通車自由席(1~5号車)、普通車指定席(6~7、11~16号車)、グリーン車指定席(8~10号車)
※13、14号車は指定席の場合あり。一部列車は普通車全車自由席。

車内販売

なし。グリーン車のモバイルオーダーサービスもなし。

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「のぞみ」と「ひかり」「こだま」の料金差

東海道新幹線の料金は、自由席を利用すると、「のぞみ」「ひかり」「こだま」とも同額です。

一方、普通車指定席とグリーン車を利用する場合、「のぞみ」に限り加算料金が設定されているため、「ひかり」「こだま」とは料金が異なります。

「のぞみ」の指定席加算料金(ひかり、こだまとの差額)は以下の通りです。

▽東京・新横浜~名古屋 210円
▽東京・新横浜~京都・新大阪 320円
▽名古屋~京都・新大阪 210円

参考までに、東京から山陽新幹線方面の加算料金は以下の通りです。

▽東京・新横浜~新神戸 540円
▽東京・新横浜~姫路・岡山 640円
▽東京・新横浜~福山・広島 850円
▽東京・新横浜~徳山・新山口・小倉・博多 1,060円

指定席・グリーン車を利用する場合、この加算分だけ、「のぞみ」の料金は「ひかり」「こだま」より高くなります。

東海道新幹線区間(東京~新大阪)での価格差は大きくありませんが、山陽新幹線まで直通で利用すると、価格差は大きくなります。

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「のぞみ」と「ひかり」「こだま」の使用車両

東海道新幹線で使用されている車両は、N700A、N700Sの2種類があります。いずれも16両編成で、普通車13両、グリーン車3両となっていて、座席配置は基本的に同じです。(一部、車両により、車椅子スペースに違いがあります)。

最新型はN700Sで、「のぞみ」で使用されることが多いですが、「ひかり」「こだま」で使用されることもあります。使用車両は時刻表に掲載されています。

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座席コンセント

座席コンセントの配置は、「のぞみ」「ひかり」「こだま」といった列車種別には関係なく、車両によって異なります。

N700Aは、モバイル用コンセントを、普通車の窓側席と最前部・最後部の座席に設置しています。グリーン車は全席に設置しています。

N700Sは、モバイル用コンセントを、普通車、グリーン車の全席に設置しています。

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「のぞみ」「ひかり」「こだま」の選び方

東海道新幹線での「のぞみ」「ひかり」「こだま」の選び方は簡単で、「のぞみ」停車駅相互間を利用する場合は、基本的に「のぞみ」を利用するといいでしょう。

「のぞみ」の加算料金を避けたい場合は、自由席に乗るか、「ひかり」を選ぶといいでしょう。ただし、「ひかり」は、ジャパンレールパスで追加料金なしで乗車できるので、最近は外国人旅行者で混雑していることがあります。

節約派は、「のぞみ」の自由席を選ぶのがおすすめです。混んでいて座れないこともありますが、運行本数が多いので、繁忙期を除けば、1本待てば途中駅からでも席にありつけることが多いです。乗車前に、窓から自由席車内の様子をうかがって、混雑具合を確認してから乗るといいでしょう。

ただし、週末の夕方など混雑が予想される時間帯は、指定席を予約して確実に座席を抑えることをおすすめします。

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「こだま」ならではの魅力

「のぞみ」通過駅を利用する場合は、「ひかり」「こだま」のどちらかになります。どちらも運行本数が「のぞみ」ほど多くないので、自分に都合のいい時間帯の列車を選ぶといいでしょう。

所要時間が短い「ひかり」が人気ですが、前述したとおり「ひかり」は混雑気味なので、「こだま」のほうが予約が取りやすく、自由席も空いています。

東海道新幹線には車内販売がありませんが、「こだま」は途中駅で通過待ちがあるため停車時間が長く、駅の売店でちょっとした買い物をすることも可能です。(鎌倉淳)


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