「西日本どこまで4DAYS」の研究。JR西日本が4日間乗り放題

「青春18きっぷ」とどっちがお得?

JR西日本が「西日本どこまで4DAYS」を2月20日から発売します。同社の在来線が乗り放題のきっぷで、別途料金を払えば在来線特急も乗車可能です。

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在来線乗り放題で9,800円

「西日本どこまで4DAYS」は、JR西日本が新たに設定した企画きっぷです。JR西日本全線と智頭急行線の普通・快速列車とJR西日本宮島フェリーが4日間乗り放題です。

別途特急券を購入すれば、在来線特急も乗車可能です。ただし、新幹線は一切利用不可です。新幹線に乗車する場合、「西日本どこまで4DAYS」は無効で、乗車券と特急券をゼロから買わなければなりません。

価格は9,800円です。利用期間は2023年2月21日から3月21日までの連続する4日間で、購入期限は利用開始日の前日です。

西日本どこまで4DAYS
画像:JR西日本プレスリリース
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「西日本どこまで4DAYS」の概要

「西日本どこまで4DAYS」の概要は以下の通りです。

■発売期間
 2023年2月20日~2023年3月17日
 ※利用開始日の1ヶ月前から前日まで発売
■利用期間
 2023年2月21日~2023年3月21日の連続する4日間
■価格
 9,800円(大人子ども同額)
■発売箇所
 e5489(駅窓口での販売はなし)
■フリーエリア
 JR西日本在来線全線、智頭急行線、JR西日本宮島フェリー

西日本どこまで4DAYS
画像:JR西日本プレスリリース

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「西日本どこまで4DAYS」の詳細ルール

「西日本どこまで4DAYS」の詳細ルールを見てみましょう。

まず、特急列車に乗車する場合は、別途料金券が必要となります。その際、次の割引きっぷとの併用が可能です。

・トク特チケットレス
・チケットレス特急券
・J-WESTチケットレス
・J-WESTチケットレス390(3/20発売・利用開始)
・eチケットレス特急券
・チケットレス指定席券 [Aシート]

普通・快速列車の普通車指定席には、別途座席指定券を購入すれば乗車できます。

特急、普通・快速列車とも、グリーン車には、別途グリーン券(自由席・指定席)を購入すれば乗車できます。

「サンライズ出雲・瀬戸」はノビノビ座席を含めて利用できません。「WEST EXPRESS 銀河」も、全設備を利用できません。

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通過利用はIRいしかわ鉄道のみ

IRいしかわ鉄道線の金沢~津幡間については、JR西日本線へ通過利用する場合に限り、別途運賃が不要で乗車できます。

あいの風とやま鉄道線、えちごトキめき鉄道線、京都丹後鉄道線、井原鉄道、若桜鉄道、錦川鉄道などは利用できません。

新幹線も利用できないことから、大糸線糸魚川~南小谷間や、高山線富山~猪谷間、城端線、氷見線、博多南線は「飛び地」の利用区間になってしまっています。

有効期間最終日に乗車日が翌日にまたがる場合は、乗車した列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。ただし、大阪付近における電車特定区間内については、終列車まで利用できます。

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「青春18きっぷ」との比較

4日間9,800円ということは、1日あたり2,450円。「青春18きっぷ」が1日あたり2,410円なので、ほぼ同額です。両者を比べてみましょう。

まず、「西日本どこでも4DAYS」は、別途料金を払えば在来線特急に乗車できる点が大きな長所です。ただ、新幹線は利用できませんので、東海道・山陽線沿いは普通・快速列車を乗り継ぐしか方法がなく、「青春18きっぷ」との違いはほとんどありません。

4日間連続使用という点については、「青春18きっぷ」より1日短いので、利用しやすい側面もあります。ただし、連続利用となっているので、分割して利用できないという短所もあります。

大きな違いはJR他社線も使えるか否かです。この点では、当然ながら、JR全線が使える「青春18きっぷ」にメリットがあります。

2月下旬に旅行するなら

利用期間については、「西日本どこでも4DAYS」が2月21日~3月21日、「青春18きっぷ」が3月1日~4月10日なので、重なっているのは20日程度です。

「青春18きっぷ」の利用期間外である2月下旬にJR西日本エリアを旅行するには、「西日本どこでも4DAYS」は強い味方になるでしょう。

「西日本どこでも4DAYS」は、e5489のみでの販売です。したがって、e5489受取エリア外から旅行する場合は、どこで受け取るかを計算に入れてから購入する必要もあります。

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在来線特急を活用する

「西日本どこでも4DAYS」を上手に活用するには、最大の長所である「在来線特急利用可」というルールを活かすことでしょう。ただ、具体的にどの区間がお得か、と考え始めると頭を抱えます。というのも、9,800円という価格設定が「絶妙」だからです。

たとえば、大阪~金沢間の正規運賃は4,840円。往復で9,680円です。したがって、特急「サンダーバード」に全線乗っても、単純往復ではギリギリ元が取れません。

新大阪~新宮間の正規運賃も同じく4,840円。こちらも「くろしお」の単純往復では元が取れません。単純往復のほか、さらに120円分JR西日本に乗車しなければなりません。

特急「スーパーはくと」でも、大阪~倉吉間の運賃が4,730円(智頭急行経由)で、微妙に単純往復では元が取れません。

逆に言えば、「西日本どこでも4DAYS」の価格は、大阪起点で在来線特急一列車での単純往復できる区間を少し上回る水準で価格を決め、その価格に基づいて、「4日間」という有効日数を決めたのではないか、という気もします。

したがって、特急を活用してお得に利用するには、北陸線、紀勢線、山陰線方面で、めいっぱい特急に乗り、さらに在来線を乗り歩く必要がある、ということになります。

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グリーン車指定席の観光列車

もう一つの活用方法としては、グリーン車指定席の観光列車を利用することでしょうか。

最近のJR西日本では、「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」や「etSETOra(エトセトラ)」「あめつち」といった、グリーン車指定席の観光列車が増えています。

「青春18きっぷ」では、普通列車のグリーン車指定席は利用できませんが、「西日本どこでも4DAYS」なら乗車できます。その特徴を活かして、観光列車を乗り歩く旅も面白そうです。

全体的に「青春18きっぷ」に比べると使いどころが難しいですが、使いようによっては、「青春18きっぷ」で実現できない旅ができます。旅行者の知恵が試されるきっぷ、といえるかもしれません。(鎌倉淳)

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