名古屋市が、中心部にBRT導入を検討していることが明らかになりました。トヨタ自動車と協力し、燃料電池や自動運転の技術を活かした車両開発も検討します。
LRTは断念し、BRTの方向へ
名古屋市は、2014年にまとめた「なごや交通まちづくりプラン」で、「新たな路面公共交通システムの導入」として、都心部でのLRTやBRTの導入を検討する方針を示していました。
2016年11月28日におこなわれた名古屋市会本会議で、斉藤高央議員がこの件を質問し、黒田昌義住宅都市局長が答えました。
読売新聞2016年11月29日付によりますと、この答弁で、黒田局長はLRTの新規導入は困難との検討結果を示したうえで、「BRTは自動車交通の状況やまちの変化にあわせ、段階的にシステムを充実させるなど柔軟な整備が可能だ。出来るだけ早く導入に向けた方向性を取りまとめたい」と述べたそうです。
また、トヨタ自動車と協力し、燃料電池や自動運転の技術を生かしたBRT車両の開発も検討することを明らかにしました。
世界に先駆けた先進事例に
BRTとは、「バス高速輸送システム」と訳され、バス専用道や遅延防止システムなどを組み合わせた交通システムを指します。
国土交通省の資料では、「連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム」と定義しています。
名古屋市が導入を進めるBRTがどのような形なのかは、はっきりしませんが、名古屋市議会の答弁やこれまでの資料から、連節バス導入の可能性は高そうです。この日の答弁では、最終的に自動運転まで視野に入れているということですので、それならば専用道の整備も行われるかもしれません。
専用道を自動運転で走る燃料電池車の連節バスによるBRT。実現すれば、世界に先駆けた先進事例になりそうですし、ぜひ期待したいところです。(鎌倉淳)