兵庫県の峰山高原にスキー場の建設計画が持ち上がっています。リフト2基だけのコンパクトな規模ですが、実現すれば国内で17年ぶりのスキー場新設となるそうです。播但線寺前駅から25分、姫路市内からも1時間程度の好アクセスの立地です。
姫路から50kmの位置
スキー場建設計画が持ち上がっているのは、兵庫県神河町の峰山高原。姫路駅から約50kmのに位置する標高800mの高原です。標高1077mの暁晴山など、周囲を1000mの級の山々に囲まれていて、冬季は1m程度の積雪があるとのこと。そのため、最近は台湾からの観光客が雪遊びに訪れたりするそうです。
こうしたインバウンドを背景に、神河町は雪を使った冬季の観光客誘致に力を入れており、町が主体となってスキー場整備に踏み切ります。2016年度冬の開業、つまり2017年シーズンのオープンを目指すそうです。
峰山高原には、「峰山高原 ホテルリラクシア」という町営施設があり、ここがベースとなるようです。町営施設ですが、運営はスキー場運営最大手のマックアースに委託されています。スキー場運営もマックアースが手がけます。
峰山高原ホテルでは、近年積雪期のイベントを盛り上げていて、2016年シーズンも「神河が贈る 極上の冬時間」としてスノーパークやかまくらの設置をしています。スキー場設置は、こうした雪体験ビジネスの延長線上にあるようです。
峰山高原は、播但線寺前駅からタクシーで25分の立地です。鉄道アクセスは便利とはいえませんが、スキー場開業後は、神姫バスが大阪や姫路などからバスの運行を検討しているそうで、公共交通アクセスは改善されるでしょう。姫路から直行バスが運行されれば、1時間くらいで着くとみられます。
画像:神河が贈る極上の冬時間Facebookより
高鷲スノーパーク以来?
総事業費は8億円で、償還額の8割が国の交付金で賄われる辺地債を財源とします。町の負担分はマックアースからの施設利用料を充てることにしており、町の実質的な負担はゼロとう青写真です。
日本経済新聞2016年3月5日付記事では、国内スキー場の新設は17年ぶりとしています。岐阜県の高鷲スノーパークのオープンが1999年で、現存するスキー場ではこれが最後なのでしょう。さらに新しい施設として斑尾高原豊田スキー場が2003年にオープンしたそうですが、10年持たずに休業に追い込まれています。
スキーファンとして、久しぶりのスキー場新設は楽しみです。せっかく雪があるのですから、規模が小さくても、スキーやスノボを楽しめたら、お客さんは喜ぶことでしょう。
一方で、バブル後にできたスキー場の多くは赤字に苦しみ、死屍累々というのも現実です。できたてスキー場は、外国人観光客の急増の追い風を受けて、無事滑り出せるでしょうか。(鎌倉淳)