「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」の正解ルートを探り、検証する記事です。つづいて「4区」を検討してみましょう。ゴールへの最終局面です。
【最初から読む】
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」の正解ルートを検証する
鹿渡ルート
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」のルート検証、続いては「4区」です。再び髙木チームの担当で、メンバーは髙木のほか、村井美樹、松村沙友理の3人です。
第4区では、3人とも2日間行動します。途中交代はありません。まずは、7日目のルートをおさらいしましょう。
▽7日目(実際ルート)
秋田駅西口09:00→五城目バスターミナル10:55→11:13八郎潟駅前11:55→12:24ホテルサンルーラル大潟前→徒歩5km→13:27追泊公民館前13:52→14:25八竜ふれあいセンター15:00→15:28能代ステーション16:17→17:22荷上場→徒歩12.7km→20:00鷹ノ巣駅
7日目の最初の分岐点は、八郎潟です。ここで国道7号線沿いに、三種町の鹿渡駅方面に向かう選択肢もありました。進んでいた場合、このようになります。
▽7日目(鹿渡ルート)
秋田駅西口09:00→五城目バスターミナル10:55→11:13八郎潟駅前→徒歩5km→天瀬川14:06→14:26鹿渡駅14:40→15:00森岳駅15:18→15:47八竜ふれあいセンター16:00→16:28能代ステーション
八郎潟から5キロほど歩けば、天瀬川というバス停があります。ただ、バスは14時すぎまでありません。そのため、鹿渡駅まで歩くことになりそうですが、歩いたとしても、これより早い便はないため、最終的に能代泊まりとなりそうです。
7日目に能代に泊まると、ゴールは不可能です。つまり、八郎潟で鹿渡方面へ向かわなかったことは、好判断でした。
岩館ルート
実際ルートに戻ります。7日目、最大の選択は、能代駅です。海沿いに進む岩館ルートと、内陸部に向かう大館ルートの選択肢がありました。リーダー髙木と鬼軍曹村井が議論をしましたが、最終的にバス運転士のアドバイスを受け入れて、大館ルートを選択します。
仮に、岩館ルートを進んだ場合は、どうなっていたでしょうか。
▽7日目(岩館ルート)
能代ステーション15:36→16:48岩館駅前→徒歩18.4km→十二湖駅→18.3km→深浦駅
岩館ルートでは、岩館駅の先、秋田・青森県境を越えた付近に大間越という停留所があります。大間越から深浦へはコミュニティバスが走っていますが、月曜日は15時が最終です。翌火曜日には運行しないため、利用できません。
その先、十二湖から不老不死温泉へのバスも、12月は運休しています。となると、深浦駅まで40km近く、バス路線がなさそうです。つまり、岩館ルートを選択していたら、先へ進めずに行き詰まっていたでしょう。
つまり、ここは、大館ルートが明確な正解です。強く推奨した、鬼軍曹村井のファインプレーといえそうです。
その後、髙木チームは、二ツ井付近の荷上場までバスに乗り、さらに歩いて鷹巣に達しました。能代でステイしていたら、ゴールはできなかったでしょうから、この雪中行軍には大きな価値がありました。
碇ヶ関で間に合わなかったら
最終日の8日目の検証に移りましょう。髙木チームは、鷹巣を始発バスで出発し、大館で乗り換えて、矢立ハイツに達しました。そこから、約8kmを歩いて道の駅いかりがせき(碇ヶ関)に到着。弘前バスターミナルに13時頃に到着しました。
矢立ハイツから碇ヶ関までの8キロの所要時間は、2時間弱でした。積雪のある山道としてはハイペースですが、これが大きな価値を生みます。弘前バスターミナルで20分後のバスに乗り、浪岡で乗り継いで青森駅に15時21分に到着しました。
▽8日目(実際ルート)
北秋田市民ふれあいプラザ前06:54→07:54大館駅前09:37→10:08矢立ハイツ→徒歩7.9km→12:00道の駅いかりがせき12:05→13:00弘前バスターミナル13:20→13:53浪岡14:37→15:21青森駅前15:53→16:42後潟17:03→徒歩10.4km→蟹田駅19:05→19:59三厩駅20:02→20:27龍飛漁港
仮に、碇ヶ関までの徒歩で時間がかかり、道の駅いかりがせき12時05分発に間に合わなかったら、どうなっていたでしょうか。次便は1時間後です。
▽8日目(碇ヶ関次便乗り継ぎ)
道の駅いかりがせき13:05→14:00弘前バスターミナル14:10→14:43浪岡15:01→16:00青森駅前15:53→16:42後潟
このように、青森駅で、後潟行きに乗り継げません。すなわち、浪岡からのバスを青森駅まで乗ってしまうと、ゴールできないことになります。
上古川ショートカット
ただ弘前を14時10分のバスに乗っても、後潟まで乗り継ぐ方法はあります。手前の上古川でショートカットをすることです。
▽上古川ショートカット
浪岡15:01→15:38上古川16:02→16:42後潟→徒歩10.4km→蟹田駅19:05→19:59三厩駅20:02→20:27龍飛漁港
番組内での髙木チームの乗り継ぎをみていると、上古川ショートカットは頭になかったようです。となると、次便乗り継ぎの場合、青森駅まで乗ってしまい、後潟行きを乗り逃し、ゴールができなくなってしまった可能性が高いでしょう。
つまり、矢立ハイツから碇ヶ関までの速歩こそが、上古川ショートカットを不要にし、最終局面への道を切り開いたといえるのです。髙木チームの「知られざるファインプレー」といえそうです。
猛烈なラストスパート
最終局面に移りましょう。青森駅からのバスが、後潟に到着したのは16時55分ごろでした。髙木チームは、蟹田駅からの最終列車を19時と仮定し、10kmを2時間で歩き切る目標を立てました。
蟹田駅に到着したのは18時半過ぎ。圧倒的な脚力で、19時05分発の三厩行き最終便に間に合いました。この便に乗れなければ、龍飛崎へのゴールは不可能でしたので、蟹田駅19時着は、事実上のゴール要件でした。
ご記憶の方も多いでしょうが、「ローカル路線バスの旅W」の第2弾では、赤江珠緒率いるチームが、同じ乗り継ぎで10kmを2時間半をかけてしまい、ゴールできませんでした。
10kmを2時間半というのは、一般人の普通のペースであり、遅くはありません。それでもゴールできなかったことを、髙木や村井は、おそらく知っていたのでしょう。この猛烈なラストスパートがなければゴールできませんでしたので、メンバー3人全員の超ファインプレーといえます。
【続きはこちら】
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」の正解ルートを検証する【5】