「太川蛭子のバス旅2019 第2弾 高尾山~諏訪湖」の正解を考える。ポイントは「タクシーの使い方」だったのか?

分かれ目は相模湖駅に

テレビ東京系列で「太川蛭子のバス旅2019」の第2弾として「高尾山からめざせ諏訪湖」が放送されました。ルイルイこと太川陽介と、蛭子能収がローカル路線バスを乗り継ぐテレビ番組です。毎週木曜夜のレギュラー番組「太川蛭子の旅バラ」の企画の1つです。

「バス旅2019」第2弾の目標は、東京都の高尾山から長野県の諏訪湖まで、路線バスを乗り継いで1泊2日で到達するというもの。この正解ルートを検証してみましょう。

なお、以下はネタバレ100%です。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

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1万円までタクシー利用可

「太川蛭子のバス旅2019」は、ローカル路線バスだけを乗り継いで目的地を目指す、というルールの旅番組です。ただし、1万円まではタクシーが利用可能です。

第1弾では、タクシー利用は「路線バスのつながっていない区間に限り」という限定条件が付きましたが、第2弾ではこの条件はなく、1万円までならどこでもタクシーが利用可能になったようです。

「バス旅2019」第2弾のお題は、東京都の高尾山口駅から、長野県の諏訪湖畔にある大社通り四ツ角バス停まで、1泊2日で到達するというもの。ゴール到着時刻のリミットは18時と決められていました。途中のチェックポイントはありません。

マドンナは鈴木奈々、ゲストは中村雅俊です。

ローカルバス2019第2弾
画像:テレビ東京

太川蛭子のバス旅2019 高尾山からめざせ諏訪湖
【出演】蛭子能収、太川陽介
【ゲスト】中村雅俊
【マドンナ】鈴木奈々
【ナレーター】バカボン鬼塚
【放送日】2019年6月6日、13日(2回に分けて放送)

実際ルート

まずは、一行が実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻を示しています。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:55→12:08藤野駅→タクシー4.8km、2,080円→上野原駅12:55→13:07本町三丁目14:56→15:20四方津駅→タクシー8.1km、3,160円→鳥沢駅→徒歩4.1km→猿橋駅16:56→17:04大月駅17:55→18:33新中橋→タクシー5.3km、2,440円→甲斐大和駅

▽2日目
甲斐大和駅08:05→08:52塩山駅南口09:07→09:14市民文化会館→徒歩3.6km→山梨市役所11:08→11:16山梨厚生病院11:50→12:08石和温泉駅13:06→13:36甲府駅13:50→14:42韮崎駅15:30→16:10下教来石下16:47→16:51山口スクール→タクシー+徒歩5.8km、2,290円→小淵沢駅

このように、小淵沢駅で断念、失敗しました。ゴールまで35kmも残し、長野県にも入れない状況での敗退です。一行のルート取りを振り返りながら、正解を検証してみましょう。


※グーグルマップのルートは概略です。実際ルートを正確になぞったものではありません。

相模湖駅の二択

スタートは高尾山口10時14分のバス。30分ほどで相模湖駅に到着します。ここが最初の分かれ目で、藤野方面に向かうか、三ヶ木方面に向かうかの選択でした。

一行は観光案内所を訪れ、「大月方面にバスで行きたい」と告げます。ルイルイは停まっているバスを指し「あれはどこへ行くの?」と尋ねました。

案内所の係員は、「あれは三ヶ木行きだから全然違う。橋本駅」と答え、藤野駅へ行くバスを案内します。一行は案内に従い、藤野駅行きのバスに乗車しました。

三ヶ木行きでは、太川が求めた大月へは行けませんので、案内所の対応は間違っていません。しかし、甲府を目指すなら、話は別です。このとき一行が三ヶ木に向かっていたら、全く違った展開になっていたのですが、それについては後述します。

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犬目まで乗っていたら

一行は、ひとまず大月を目指し、藤野駅へのバスに乗りました。これを「大月ルート」と呼びましょう。「大月ルート」では、藤野駅で西へ向かうバス路線が途絶えます。

そのため、一行は早くもタクシーを使って上野原駅へワープ。上野原駅の案内所で、バスを乗り継いで四方津駅まで行き、さらに新倉というバス停まで歩けば、17時発のバスで大月まで乗り継げるという情報を得ました。

ただ、この乗り継ぎは、時間的にロスが多いものでした。そのためルイルイは、「新倉17時発では遅すぎる」と考え、本町三丁目から乗ったバスで、四方津駅で降りずに、終点の犬目まで行くことを思いつきます。犬目から徒歩で国道20号まで降り、タクシーを捕まえて猿橋駅に至るというルートです。

犬目から国道までは下り坂なので、歩くにも苦にならない、という計算でした。仮にこのルートをたどり、鳥沢駅~猿橋駅間のみタクシー利用した場合、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:55→12:08藤野駅→タクシー4.8km、2,080円→上野原駅12:55→13:07本町三丁目14:56→15:43犬目→徒歩5.3km→鳥沢駅→タクシー約4.2km、推定1,810円→猿橋駅17:17→17:25大月駅17:55→18:33新中橋

このように、大月駅で実際ルートに収斂します。5.3kmの下りの徒歩、2,000円以下のタクシー代なので、悪くないルートだったといえますが、実際ルートに収斂するので、ゴールはできないことにかわりありません。

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中野入口で乗り継げたら

実際の一行は、バス運転手から情報を得て、四方津駅で犬目行きのバスを降り、中野入口までタクシーを飛ばして次のバスに乗り継ぐことに挑みます。

しかし、乗り継ぎ時間が短い上に、タクシーが道に迷ってしまい失敗。仮にこの乗り継ぎが成功していたら、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:55→12:08藤野駅→タクシー4.8km、2,080円→上野原駅12:55→13:07本町三丁目14:56→15:20四方津駅→タクシー6.9km、推定2,800円→中野入口15:38→16:02大月駅16:05→16:43新中橋→タクシー5.3km、2,440円→甲斐大和駅19:03→19:37塩山駅南口

▽2日目
塩山駅南口07:20→08:06酒折宮前08:09→08:21甲府駅前08:30→09:12韮崎駅10:10→10:50下教来石下→タクシー11.4km、推定4,330円→富士見駅13:30→13:53原村役場15:20→15:52茅野駅16:20→16:52大社通り四ツ角

このように、「中野入口乗り継ぎ」は、時刻表上はゴール可能です。上野原駅の案内所でしっかり情報を得ていれば、中野入口での乗り継ぎは不可能ではないでしょう。

ただ、四方津駅から中野入口の約7kmを18分で乗り継がなければなりませんし、甲府駅で9分の待ち合わせをクリアしたり、下教来石下から一気に富士見駅に向かう判断を下す必要もあります。ゴールへの道のりは簡単ではありません。

おまけに、計算上、タクシー代が11,650円となり、1万円をオーバーします。実際には計算通りにいかずに、もっとオーバーする可能性もあります。そのため、実際にこのルートをたどれたとしても、富士見駅の手前数㎞の地点で、タクシーを降りて歩くハメになったかもしれません。

とはいえ、中野入口での乗り継ぎに成功していたら、1日目に塩山駅まで到達することができ、翌朝、甲府市内に直通する酒折宮前行きのバスに乗ることができます。塩山~酒折宮前行きのバスは1日1往復なので、このバスを掴まえられていれば、大きな意味がありました。

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新倉17時発のバスに乗っていたら

話を戻すと、一行はそもそも、上野原駅案内所での情報を元に、四方津駅から新倉まで歩く予定でした。この乗り継ぎを実行していたら、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:55→12:08藤野駅→タクシー4.8km、2,080円→上野原駅12:55→13:07本町三丁目14:56→15:20四方津駅→徒歩1.8km→新倉17:00→17:20猿橋駅17:52→18:00大月駅

大月駅に18時に到着となり、笹子峠方面へ向かう、大月駅17時55分発の最終バスに間に合いません。これに間に合わなければ、大月泊まりとなります。大月に泊まった場合の続きを見てみると、実際ルートならば以下のようになります。

▽2日目
大月駅前08:35→09:11新中橋→タクシー5.3km、2,440円→甲斐大和駅10:40→11:30塩山駅南口

塩山駅の時点で2日目の正午近くになり、絶望的です。

では、都留方面へ向かっていたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
大月駅→徒歩4.2km→大原橋08:04→08:21谷村町駅入口→タクシー7.8km、推定3,610円→白糸橋08:55→09:11富士山駅10:00→11:30甲府駅前

このように、タクシーを組み合わせることで、実際ルートよりも早く、甲府駅に到着することができます。ただ、甲府駅から韮崎へのバスは13時50分発までなく、実際ルートに収斂し、失敗することになります。

上野原・新倉ワープ案

実際ルートを振り返ると、上野原付近での待ち時間の無駄が目に付きます。新倉からバスに乗るのなら、新倉発14時05分発があるので、ここでタクシーを使う決断をしていれば、展開は違っていました。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:55→12:08藤野駅→タクシー4.8km、2,080円→上野原駅→タクシー6.6km、推定2,890円→新倉14:05→14:36大月駅15:05→15:43新中橋→タクシー5.3km、2,440円→甲斐大和駅19:03→19:37塩山駅南口

▽2日目
塩山駅南口07:20→08:06酒折宮前08:09→08:21甲府駅前08:30→09:12韮崎駅10:10→10:50下教来石下→タクシー11.4km、推定4,330円→富士見駅13:30→13:53原村役場15:20→15:52茅野駅16:20→16:52大社通り四ツ角

これは、甲斐大和駅以降は、「中野入口乗り継ぎ」と同じで、タクシー代が多少足りなくなりますが、徒歩で補えば最終的にゴールは可能です。

勝沼まで歩いていたら

実際ルートに戻りましょう。一行は徒歩とタクシーを組み合わせながら、なんとか1日目に甲斐大和駅までたどり着きます。すでに時間は午後8時。甲斐大和で宿泊するのはやむをえません。

ただ、翌朝のバスの乗車時刻が、甲斐大和駅発8時05分というのは、やや遅いと感じた方もいるでしょう。

仮に、前述の塩山駅~酒折宮前行きのバスの情報を、宿などで仕入れることができていたら、たとえばこうした乗り継ぎが可能でした。

▽2日目
甲斐大和駅→徒歩6.4km→勝沼支所07:32→08:06酒折宮前08:09→08:21甲府駅前08:30→09:12韮崎駅10:10→10:50下教来石下→11.4km、タクシー推定4,330円→富士見駅13:30→13:53原村役場15:20→15:52茅野駅16:20→16:52大社通り四ツ角

塩山~酒折宮前行きのバスは、勝沼支所を通るため、甲斐大和駅から6kmあまりの徒歩で掴まえることができます。これに乗れれば、ゴールへの道筋が拓けます。

ただ、甲斐大和駅から勝沼支所への約6.4kmは難題です。タクシーなら推定約2,710円。一行は甲斐大和駅まででタクシー代を7,680円も使っていましたので、さらに勝沼までタクシーに乗れば、この時点で1万円を使い尽くすことになります。となると、終盤の山梨、長野県境(下教来石下~富士見駅)で行き詰まり、ゴールは難しかったでしょう。

甲斐大和~勝沼間を歩けば、タクシー代が多少残りますので、山梨・長野県境の一部でタクシーに乗ることができ、ゴールの可能性は残されたかもしれません。ただ、蛭子さんの体力を考えたら、どうでしょうか。

だんだん「たられば」を究めたような話になってきましたので、このへんにしておきますが。

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八ヶ岳へのバスはなかった

実際ルートに戻りましょう。

2日目、一行は甲斐大和駅の始発である8時5分のバスで塩山駅に向かい、その後は比較的順調な乗り継ぎで下教来石下に至ります。この間の乗り継ぎにミスはないように思えます。一行は山口スクールを経て小淵沢駅にタクシーと徒歩で到達したところで、その先のバスがなく、ゴールを断念しました。

小淵沢駅から先へ進むバスと考えられていたのが、「鉢巻周遊リゾートバス」という、八ヶ岳の周遊バスです。オリジナルシリーズ「ローカル路線バスの旅」第18弾で、一行はこのバスを利用しました。そのときの乗り継ぎは以下の通りです。

小淵沢駅→八ヶ岳美術館/ペンション上→原村役場→茅野駅

しかし、このバスは、運転日が限られており、5月中旬~6月は全日運休です。つまり、ロケ日に、「鉢巻周遊リゾートバス」は利用できず、小淵沢駅から原村役場へバスで乗り継ぐことはできません。

山口スクールの意味

茅野へつながる原村役場へのバスが出ているのは、富士見駅です。そのため、一行が早い時間に小淵沢駅に着いていたとしても、小淵沢駅から富士見駅まで、バス以外で移動する必要が生じます。両駅間は約11.5km。タクシーなら推定約4,780円かかります。

八ヶ岳方面へのバスがないなら、小淵沢駅に立ち寄る意味はありません。つまり、下教来石下から直接、富士見駅を目指したほうがよいわけです。この点でも、残念ながら、一行のルートは正解とは異なります。

さらに付けくわえれば、小淵沢駅へ向かうなら、「山口スクール」まで行く意味はほとんどなく、下教来石下からタクシーを拾ったほうが時間的には(あるいはタクシー代的にも)効率がよかったとみられます。

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道志ルート

ここまでお読みいただいた通り、大月を経由するルートは、きわめて難しいです。ならば、やはり相模湖駅での選択に間違いがあったのでは、と考えてしまいます。

では、話を相模湖駅に戻しましょう。ここで三ヶ木行きバスに乗っていたら、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:36→11:55三ヶ木12:10→12:50月夜野15:50→16:42長又

▽2日目
長又07:07→07:59富士山駅09:00→10:30甲府駅11:20→12:02韮崎駅13:45→14:25下教来石下→タクシー5.3km、推定2,080円→小淵沢駅→タクシー13km、推定4,780円→富士見駅15:06→15:38原村役場→タクシー7.6km、推定3,500円→茅野駅16:20→16:52大社通り四ツ角

このように、ゴール可能です。タクシー代の合計は概算10,360円で、1万円をややオーバーしそうですが、徒歩でカバーできる範囲でしょう。

また、1日目は長又の宿泊としていますが、手前の道志村の中心部で宿泊しても2日目のバスは同じになります。

これを「道志ルート」と呼びましょう。道志ルートの場合、1日目に道志村までしか行けないので、実行した場合に不安を感じそうですが、2日目の始発が早く、乗り継ぎも良いので、正午すぎには韮崎駅に到達できます。高尾山口から下教来石下まで、一切タクシーを使わずに乗り継げるので、終盤にタクシーをふんだんに使って勝負をかけられます。

道志・茅野タクシールート

上記では、実際ルートをなぞる形で、いったん小淵沢駅まで行き、そこでバスがないことを確認した上でタクシーに乗り直して富士見駅に向かう、という想定にしましたが、下教来石下から直接富士見に向かうことももちろん可能です。その場合は、以下のようになります。

▽2日目
長又07:07→07:59富士山駅09:00→10:30甲府駅11:20→12:02韮崎駅13:45→14:25下教来石下→タクシー11.4km、推定4,330円→富士見駅15:06→15:38原村役場→タクシー7.6km、推定3,500円→茅野駅16:20→16:52大社通り四ツ角

なんなら、下教来石下からタクシーで茅野まで行くことも可能です。

▽2日目
韮崎駅13:45→14:25下教来石→タクシー23.7km、推定8,200円→茅野駅15:20→15:52大社通り四ツ角

このように、下教来石下から茅野までタクシーでワープすれば、16時前にゴールできます。

「道志ルート」で下教来石下に14時25分に着くのはそれほど難事ではありませんし、下教来石下から茅野駅までタクシーでワープするのも、「ここで勝負!」とルイルイが決断すれば、できないことではないでしょう。

つまり、現実的に選択可能な最短ルートは、この「道志・茅野タクシールート」ではないか、と思います。

もっといえば、下教来石下~上諏訪駅間は、約30km。タクシーで1万円あまりの距離です。上諏訪駅近くまで行けばなんとかなるのは想像できますので、下教来石下で「上諏訪駅方面へ行けるだけ!」とタクシーに依頼すれば、それでもゴール可能だったでしょう。

つまるところ、スタートの高尾山口から下教来石下までタクシーを使わなければ、ゴールは、ほぼ確定できたといえます。その点で、今回のお題では、「道志ルート」が圧倒的に優れており、正解だったといえるでしょう。

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長又ワープをしたら

「道志ルート」の場合、初日は道志村の長又までしか行けません。17時前に1日目が終わるので、実際にこのルートを選択したら、一行は不安に感じて、タクシーで先を急ぐということも考えられます。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:36→11:55三ヶ木12:10→12:50月夜野15:50→16:42長又→タクシー12.3km、推定5,410円→山中湖旭日丘17:52→18:30河口湖駅

▽2日目
河口湖駅06:38→08:00甲府駅前08:10→08:52韮崎駅10:10→10:50下教来石下→タクシー11.4km、推定4,330円→富士見駅13:30→13:53原村役場15:20→15:52茅野駅16:20→16:52大社通り四ツ角

このように、1日目に長又でタクシーを呼んで山中湖までワープすれば、当日は河口湖駅まで到達可能です。河口湖駅を2日目の始発バスで出発すれば、下教来石下に10時50分に到着できます。下教来石下からタクシーで富士見駅へ行けば、その先はバスだけを乗り継いでゴールできます。

ただ、下教来石下から富士見駅に直行できずに、情報収集で小淵沢駅に寄ってしまった場合、タクシー代は1万円ではやや足りなかったでしょう。富士見駅の数km手前でタクシーを降りて、富士見駅まで歩くことになります。

それでも、時間的にはゴールできますので、最後にタクシー代が尽きて徒歩でバス停にたどりつき、最終的にはゴールできるという、奇跡的な展開になっていたかもしれません。演出上も優れていて、これがスタッフが最も望んでいたルートかもしれません。

修正は不可能だったか

結局のところ、今回は、相模湖駅での選択が全てが決まってしまったようにも見えます。では、相模湖駅から西へ向かってしまった後に、修正は不可能だったのでしょうか。

可能なポイントがあったとすれば、藤野駅でしょう。ここでバスが途絶えている上野原方面へ行かずに、やまなみ温泉へ向かっていたら、「道志ルート」へ転線することができました。

▽1日目
高尾山口10:14→10:46相模湖駅11:55→12:08藤野駅12:14→12:26やまなみ温泉→タクシー7.5km、推定2,980円→青根公民館前12:44→12:50月夜野15:50→16:42長又

このように、「道志ルート」に収斂します。ただ、やまなみ温泉~青根公民館でタクシー代を使ってしまったことが、後に響いてくる可能性があります。

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まとめてみると

改めてまとめてみると、今回は、相模湖駅で、「藤野行き」に乗るか、「三ヶ木行き」に乗るかの二択で、ほぼ決着が付いたルート構成でした。

三ヶ木行きに乗って「道志ルート」をたどれれば、お題としてはそれほど難解ではなく、ゴールは十分可能だったでしょう。

しかし、藤野行きに乗り、「大月ルート」をたどってしまったばかりに、一行は難しい乗り継ぎを強いられることになりました。相模湖駅に着いた時点で、ルイルイは「大月方面にバスで行きたい」と言って案内所に尋ねてしまっていたので、そもそも「道志ルート」は頭になかったのかもしれません。

大月を目指してしまうと、上記のように、上野原から新倉までワープするか、「中野入口」のアクロバティックな乗り継ぎを成功させるか、甲斐大和で早起きして勝沼まで歩くといった方法以外に、ゴールできるルートは見当たりません。「道志ルート」に較べ難易度が非常に高かったといえます。

ルイルイは「タクシーの使い方」を反省していましたが、間違えたのはそこではなく、相模湖駅でのルート選択、ということになります。

タクシーの使い方

ただ、ルイルイの言うとおり、タクシーの使い方も難しい回でした。後半に勝負どころが用意されているにもかかわらず、前半でタクシーを使いたくなる場面が訪れるように仕掛けられたルートになっていたからです。

「大月ルート」はもちろんですが、「道志ルート」でも、1日目に先を急ぐためにタクシーを使いたくなるポイントがあるのは、前述した通りです。

実際、どちらのルートを使っても、タクシーをいかに巧く使うかで、勝負が決する構成となっていました。その点で、確かに「タクシーの使い方」の重要さが際だった回といえます。少なくとも、第1弾のシンプルなタクシーの使い方に較べれば、熟慮と決断を要する場面が多かったと言えるでしょう。

ルート検証をする立場でみると、それが「バス旅2019」の奥深さになっていて、興味深い点です。

視聴率的には、今回はかなり厳しい数字となりました。番組コンセプトのおもしろさや、ルールの奥深さにもかかわらず、視聴率が低迷しているのは、スタッフも出演者も残念でしょう。次回以降、ルイルイ・蛭子の巻き返しを楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)

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