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「熊本→東京」の最終便時刻、新幹線と飛行機が互角に。26年3月改正

「のぞみ」最終繰り下げで

2026年3月ダイヤ改正で、熊本駅から東京駅へ向かう場合の新幹線の最終列車が、日によって37分も繰り下がります。これにより、熊本から東京への実質的な最終便の出発時刻が、新幹線と飛行機で互角になります。「最終便は新幹線」を選ぶ人も増えそうです。

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「のぞみ」最終を繰り下げ

2026年3月14日ダイヤ改正で、JRは博多19時18分発の臨時「のぞみ206号」を設定します。この列車は、東海道新幹線上りの新たな最終列車となり、品川駅に23時59分に到着します。

九州新幹線では、「みずほ610号」が、この「のぞみ206号」に博多駅で接続します。「みずほ610号」の熊本発は18時41分です。この時間に熊本駅を出発しても、新幹線で同日中に東京都内に着けることになります。

熊本駅から東京都内への最終列車は、これまで熊本駅18時04分発の「さくら570号」でした。臨時「のぞみ206号」の設定日は、熊本発の東京接続最終列車の出発時刻が37分も繰り下がることになります。

熊本駅

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飛行機の最終便は?

ライバルとなる飛行機のダイヤをみてみると、熊本空港発羽田空港行きの最終便は、20時35分発の「ANA650便」です。空港のチェックイン時刻の締め切りは20時15分です。この時間に空港に間に合うよう、熊本駅からリムジンバスで空港に向かうと、乗り継ぎは以下のようになります。

熊本駅前18:25→(空港リムジンバス)→19:34熊本空港

このように、熊本駅から空港リムジンバスを使う場合、新幹線最終列車の18時41分より、16分早く出なければなりません。つまり、東京行きの「最終出発時刻」が、飛行機と新幹線で逆転します。

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肥後大津経由なら

熊本駅からJR豊肥線に乗り、肥後大津駅で空港ライナー(バス)に乗り継ぐ方法もあります。その場合は、以下のような乗り継ぎになります。

熊本駅18:58→(JR豊肥線)→19:34肥後大津駅19:35→(空港ライナー)→19:50熊本空港

肥後大津駅にて1分乗り換えで空港ライナーに乗り継ぐのであれば、熊本駅を18時58分に出れば間に合います。この場合は、飛行機利用のほうが17分、最終が遅くなります。

1分乗り換えは怖い、というのであれば、熊本駅を18時43分に出る列車になります。

熊本駅18:43→(JR豊肥線)→19:17肥後大津駅19:35→(空港ライナー)→19:50熊本空港

この場合、熊本駅出発時刻は、新幹線(18時41分)とほぼ同じです。

いずれにせよ、ダイヤ改正により、「のぞみ206号」の運転日は、熊本駅から東京都内に向かう場合の最終出発時刻が、飛行機と新幹線で互角となります。

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都内到着時刻は?

では、都内到着時刻はどのくらい異なるのでしょうか。

熊本空港からの最終便となるANA650便の羽田空港到着予定時刻は22時10分です。

第2ターミナル到着なので、京急線の羽田空港駅まで20分を見ておくと、品川到着は22時58分となります。

熊本空港20:35→(ANA650便)→22:10羽田空港22:35→(京急線)→22:58品川

新幹線より約1時間早く、品川駅に着きます。つまり、同じ時間帯に熊本駅を出発した場合、都内に着くのは飛行機が1時間早い、ということです。

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現実的に考えると

現実的に考えると、飛行機に乗る場合は、少し余裕を持って空港に行きます。また、最近の飛行機はよく遅れますし、とくに夜の羽田到着便は遅れやすいです。

そもそも、飛行機は15分遅延までが「定時」と扱われますので、15分遅延くらいは織り込む必要があります。

その前提で、新幹線と飛行機の現実的な最終乗り継ぎを考えてみると、以下のような比較になるでしょうか。

▽新幹線
熊本駅18:41→(みずほ610号)→19:13博多19:18→(のぞみ206号)→23:59品川

▽飛行機
熊本駅18:43→(JR豊肥線)→19:17肥後大津駅19:35→(空港ライナー)→19:50熊本空港20:35→(ANA650便)→22:10羽田空港22:51→(京急線)→23:14品川

熊本駅出発時刻はほぼ同じで、品川駅到着時刻は、飛行機が30分ほど早いことになります。飛行機優位は変わりませんが、思ったよりは差がない、と感じられる方も多いのではないでしょうか。

品川駅到着後の、終電乗り継ぎまで考慮すると、遅延の可能性の少ない新幹線が安心、と判断することもできます。

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熊本市中心部を起点にすると

ここまでは、熊本駅を起点とした比較でした。ただし、熊本駅は熊本市中心部から離れています。

熊本市中心部から利用する場合は、熊本駅発着とは事情が異なります。中心街の通町筋停留所を起点として考えると、以下のような比較となります。

▽新幹線
通町筋18:07→(市電)→18:26熊本駅18:41→(みずほ610号)→19:13博多19:18→(のぞみ206号)→23:59品川

▽飛行機
通町筋19:12→(空港リムジンバス)→19:52熊本空港20:35→(ANA650便)→22:10羽田空港22:51→23:14品川

中心街発着の場合は、飛行機の優位性が高まります。ただ、新幹線であっても、熊本市中心街を18時頃に出て、新幹線で当日中に都内まで行けるので、十分に早いといえます。

また、熊本市街地から空港へは渋滞が頻発しますので、飛行機利用の場合、上記の乗り継ぎには不安を覚えます。余裕を持って空港に向かうと、飛行機と新幹線の時間差は縮まります。

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価格面では?

価格面では、新幹線の定価は28,660円(通常期指定席)です。

飛行機は変動価格ですが、1週間前なら33,000円程度、1ヶ月前なら18,000円程度です。空港リムジンバスは1,200円、京急線は330円ですので、別途、1,500円程度がかかります。

購入タイミングにより異なりますが、価格的にも互角です。直前購入なら新幹線が安いので、「最終便は新幹線」を選ぶ人も増えるのではないでしょうか。

ただし、冒頭に触れたように、「のぞみ206号」は臨時列車です。毎日運転ではありませんので、運転日にはご注意を。(鎌倉淳)

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