「ロマンスの神様スキー場」爆誕。木島平スキー場がリニューアル

新たなスノーリゾートに

木島平スキー場が、2023-24シーズンより「スノーリゾートロマンスの神様スキー場」という名称でリニューアルします。

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60年の歴史

北信州木島平スキー場は、長野県北部にあるスキー場です。いわゆる北志賀エリアに隣接し、高井富士(高社山)の北麓にゲレンデが広がっています。

開設は1963年で、60年の歴史があります。木島平村が整備し、1995年に第3セクター木島平観光株式会社に移管しましたが、現在まで実質的な公的運営が続いています。

今や少なくなってきた公設スキー場ですが、スキー人口の減少や新型コロナウイルス感染症の影響で、近年は経営不振が続いていました。設備更新など将来的な費用負担も大きいことから、木島平村は2022年3月に、民間に譲渡する方針を明らかにしました。

木島平スキー場
画像:木島平スキー場
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湘南美容クリニックのグループが

これに応じたのが、湘南美容クリニックを中心に、国内外にクリニックを展開するSBCメディカルグループです。2022年10月に同社と木島平村は、スキー場と関連施設の譲渡に関する基本合意を締結。3月中に正式契約する予定です。

これに先だって、同社は広瀬香美の楽曲『ロマンスの神様』のネーミングライセンスの使用権に関する契約を、所属事務所と締結しました。2023-24年シーズンより、木島平スキー場を「スノーリゾートロマンスの神様スキー場」という名称でリニューアルします。

リニューアルの詳細は発表されていませんが、同社によると、「美容×健康×ウィンタースポーツ」のマーケットを開拓し、地方都市に「スキー場再生における木島平モデル」を示すことを目指すということです。

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スキーバブルの象徴

広瀬香美の『ロマンスの神様』は、スキーバブルの頃をご記憶の方ならおなじみと思いますが、1993年12月にリリースされた楽曲です。

スキーをテーマにした歌詞ではありませんが、スキー用品店「アルペン」のCMソングに使われて大ヒットし、当時のスキー場で果てしなく流されていました。その後、現在に至るまで、ウィンタスポーツの定番ソングとして親しまれています。

日本人中高年にインパクト

近年の大型スキー場が、ターゲットの軸足を訪日客に移すなか、『ロマンスの神様』という、日本人にしかわからない名称でリニュアールすることには、やや驚きもあります。

それだけに、日本人に対してのインパクトは抜群です。スキー場がひしめく北信州エリアにあって、これまでの木島平スキー場はやや地味な存在でした。しかし、これだけ派手な名称を付ければ、一度は行ってみようと思うスキーヤーやスノーボーダーが増えそうです。

ただ、ロマンスの主役である現在の若者は、『ロマンスの神様』が流行った頃に結婚した夫婦の子どもの世代です。そうした世代に、この30年前の楽曲のネーミングがどれだけ刺さるのかは、何ともいえませんが。

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広々としたゲレンデ

閑話休題。木島平スキー場は、日本一の急斜面ともいわれる「パイオニアコース」で知られています。

一方で、初中級者向けの広々としたゲレンデも有します。メインゲレンデのスカイコースは、中級者がカービングターンを練習するのに最適な斜度や広さで、腕を磨くのに向いています。

初心者のスキーデビューには「パーフェクトコース」という適度な斜面変化のあるゲレンデもあります。

要は、上級者と初中級者が交わるスキー場です。となると、スキー・スノボを介したロマンスが生まれやすそうで、『ロマンスの神様』という名称はぴったりかもしれません。(鎌倉淳)

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