金沢駅から市中心部のアクセスに、新しい交通機関が登場するかもしれません。金沢市の「新しい交通システム検討委員会」は、バス高速輸送システム(BRT)や、次世代型路面電車システム(LRT)の導入が適当とする提言書案をまとめました。
「新しい交通システム」を検討
金沢市では、2016年3月に「第2次金沢交通戦略」を策定し、都心軸を通る新しい交通システムの導入や交通機能の連携強化を政策に掲げています。そのため「金沢市新しい交通システム検討委員会」を立ち上げ、新しい交通機関導入に向けた検討を行ってきました。
この委員会が2017年2月12日に開かれ、山野之義・金沢市長への提言書の骨子案をまとめました。それによりますと、金沢港から北陸鉄道の野町駅に至る約7.8kmを基本ルートとして「適当」としました。
基本ルートは金沢港から県道60号線で中央病院前を経て金沢駅に至り、武蔵ケ辻から国道157号線で香林坊、野町に至るものです。想定需要は平日で約1万~3万人程度と見込んでいます。
「地上走行方式が望ましい」
この基本ルートに、どのような「新しい交通機関」を導入するかは未定です。これまでの議論では、BRT、LRT、モノレール、地下鉄が検討されてきましたが、最終的には地下鉄やモノレールは利便性やコストの面で困難とされ、「地上走行方式が望ましい」とされました。
BRTとLRTのどちらになるかは何ともいえません。ただ、議事録を読むと、とくに国道157号線(武蔵が辻~香林坊)が「片側1車線」になることに抵抗も強いようで、鉄軌道が敷かれるLRTよりは、道路のままで残るBRTが優先されそうな気配を感じます。
選定は「先行事例や技術動向も見定めながら検討する」とのこと。自動運転などの新技術を視野に入れ「ART」(自動運転の次世代型交通システム)も考慮されそうです。
金沢駅~香林坊は道路渋滞が激しく、軌道系交通機関の導入は古くから検討されてきました。しかし、残念ながら、具体化となると、なかなか進みませんでした。今度こそ、本気の一歩を踏み出すことができるのでしょうか。(鎌倉淳)