JR「快速」が消えていく。2022年3月ダイヤ改正、節約旅行者に厳しく

まっさきに削減対象

2022年3月ダイヤ改正で、全国のJR各線から「快速列車」が縮小されます。青春18きっぷ利用者など、節約旅行派には悲しいお知らせです。

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列車本数削減で

JR各社は、2022年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。新型コロナウイルス感染症流行後の「生活様式の変化」により全体的に運転本数が減少しましたが、なかでも目立つのが「快速列車」の削減です。

利用者減少に対応し全体の列車本数削減を目指す中で、それぞれの駅で一定の停車本数を維持するには、「快速」を減便するのが合理的。そのため、まっさきに削減対象になってしまいます。

廃止または運行本数が削減された「快速」は多岐にわたりますが、ここでは旅行者に影響の多そうな列車を中心に見て行きましょう。

常磐線特別快速

常磐線「特別快速」

首都圏で注目を集めたのは、常磐線「特別快速」の日中時間帯の運行中止でしょう。品川~土浦間を結ぶ列車で、つくばエクスプレス開業に先立つ2005年に運行を開始しました。

現ダイヤでは、上野10~15時台に毎時1本ずつ運転されていますが、新ダイヤでは下り16時台を新設する一方、10~14時台の運転を取りやめます。上りは土浦10~15時に毎時1本ずつ運転されていますが、土浦9時00分発を新設する一方、11時~15時台の運転をとりやめます。

これにより、常磐線特別快速は1日2往復になるようで、風前の灯火となりました。

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京葉線、埼京線

京葉線では、日中時間帯の東京~蘇我間の「快速」が毎時3本から2本に削減されます。朝ラッシュ時の内房・外房線と直通している「通勤快速」(土休日は「快速」)については、それぞれ1本ずつ各駅停車に変更。東京~蘇我間の一部「快速」を各駅停車に変更します。

埼京線では、朝ラッシュ時の一部下り「通勤快速」を「快速」に変更します。これにより、戸田公園と武蔵浦和~大宮間の各駅に停車するようになります。埼京線では、2019年11月ダイヤ改正で、「快速」の停車駅に武蔵浦和~大宮間の各駅が追加され速達サービスが縮小していますが、今回もその流れを引き継ぎます。

快速「あがの」「信越」

磐越西線では、会津若松~新潟間の快速「あがの」を廃止します。現行の「あがの」は電気式気動車GV-E400系を使用して1日1往復が運転されています。1959年に仙台~新潟間で運転を開始した準急列車に端を発する伝統の列車名ですが、2022年3月で63年の歴史に幕を閉じます。

信越線では、E653系を使用した快速「信越」の運転を取りやめます。こちらはかつての「らくらくライナー」と急行「きたぐに」の役割を引き継いだ列車で、 直江津~新潟間を特急用のE653系で運転するお得な快速列車です。「信越」の列車名は2021年3月改正に付けられたばかりですが、わずか1年の短命に終わります。

「信越」の廃止の代替として、直江津~長岡間で、E129 系車両を使用した「快速」を運転します。

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「新快速」も縮小

関西圏では、琵琶湖線米原発着の「新快速」について、日中時間帯の毎時2本のうち1本を草津発着とします。野洲~米原間の「新快速」が毎時1本に減るわけで、旅行者への影響が大きそうです。

学研都市線でも、日中の同志社前~木津間の「快速」を毎時2本から1本とします。

阪和線では、日中の「区間快速」の熊取~日根野間の運転を取りやめ、熊取発着とします。また、夕夜時間帯で一部「快速」が日根野~和歌山間の運転を取りやめ、日根野発着とします。

名古屋エリアでの関西線では、全ての「区間快速」を八田、春田に停車させます。両駅の乗車機会の増加が目的とのことですが、「区間快速」の通過駅は永和と長島のみになります。

「サンライナー」

中国地方の山陽線では、岡山~福山間に運転されている快速「サンライナー」の運転を全て取りやめます。

1989年に快速「SUNライナー」として運転を開始した歴史ある列車で、一時期は30分間隔で運転されるほどのサービスを展開しました。

2021年3月ダイヤ改正で減便され、現在は平日の夕夜間のみ運転されるまでに縮小しています。そして2022年3月で廃止となり、山陽線岡山地区の速達サービスがなくなります。

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「とっとりライナー」「アクアライナー」

山陰線では、鳥取~米子間の快速「とっとりライナー」が、1日4.5往復(土休日4往復)から、1日1往復のみに削減されます。米子~益田間では、快速「アクアライナー」3往復が全て廃止となります。

瀬戸大橋線では、快速「マリンライナー」が深夜時間帯の1往復の運行を取りやめます。取りやめるのは岡山00時12分発と、高松23時29分発です。

増強された路線も

このほか、詳細は略しましたが、ラッシュ時や夜間などに減便される快速列車もあります。これらは生活様式の変化によって通勤利用者が減ったことが減便の理由であるため、当面の復活は難しそうです。

快速縮小の流れは、新型コロナウイルス感染症の影響が大きくなった2021年3月ダイヤ改正ではっきりしました。このときは、仙台地区の快速「仙台シティラビット」が廃止され、湘南方面の快速「アクティ」や広島地区の快速「シティライナー」などが縮小されています。

一方、2022年3月改正で、わずかですが「快速」が増強された路線もあります。南武線は「快速」の運転時間帯を拡大。磐越西線の快速「あいづ」は、現行2両で運転している1往復を4両に変更し、3往復全てを4両にて運転します。

節約旅行者にとってはありがたい「快速」サービス。全国的に少しずつ消えていく現実は、悲しいことです。残されている路線では、今後もしっかり維持されていくことを願うほかありません。(鎌倉淳)

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