「JR SKISKI」日帰りプランが大幅縮小。価格もお高めに

冬を取り戻すには、手がかかる

JR東日本「JR SKISKI」の2023年シーズンの日帰りスキー・スノボツアーが、大幅縮小となっています。現時点では、ガーラ湯沢、かぐら、軽井沢プリンスの3スキー場のみの発売です。
【12/16追記】神立スノーリゾートが日帰りスキーに追加されました。

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GALA、かぐら、軽プリのみ

JR SKI SKIは、JR東日本系列のびゅうトラベルが発売しているスキー・スノボ旅行商品です。新幹線・特急を使った多彩なプランで知られてきました。

その2022-2023年シーズンの販売が開始されました。今年のキャッチフレーズは、「冬を取り戻すんだ」。新型コロナで不自由な生活を送った3年間を意識した素敵なフレーズで、期待に胸を膨らませてしまいます。ところが、冬を取り戻すための日帰りスキープランのラインナップは、大幅に縮小されています。

現時点で確認できる対象スキー場は、GALA湯沢、かぐら、軽井沢プリンスの3スキー場のみ。昨シーズンまでは10以上のスキー場が対象になっていましたので、目を疑うような削減です。

ただし、びゅうトラベルでは、今後、順次取り扱いスキー場を増やすとしています。

JR SKI SKI2023
画像:JR SKI SKIより
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お得感乏しく

販売商品も絞り込んでいます。GALA湯沢スキー場の商品を例に取ると、看板商品である「日帰りGALA」は健在ですが、それ以外は「半日GALA(午前券)」「半日GALA(午後券)」と「ゴンドラ・ソリセット券」のみです。

価格も高くなりました。筆者が検索した限り、平日はワンデーGALAが8,300円から見つかりますが、土休日などは17,300円からとなっているようです。

ちなみに、東京~越後湯沢間の新幹線の通常価格は7,220円。往復で14,440円です。GALA湯沢のリフト券の当日価格は6,000円。あわせて20,440円が「定価」です。

「ワンデーGALA」などは、往復の新幹線チケットとリフト・ゴンドラ券を含んだ価格なので、定価に比べれば安いのは確かです。ただ、17,000円程度の価格ならば、割引率は2割程度にとどまり、お得感は乏しくなりました。

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操作性も低下

販売しているウェブサイトの操作性も悪くなりました。「安い日を選んで利用しよう」と思っても、曜日ごとや期間ごとの価格がわからないので、日付をあわせていちいち検索し直さなければなりません。

しかも、日付をあわせるには、「条件変更・再検索」のボタンではダメで、画面下の「全ての条件を変更して再検索する」を押さなければならず、率直に面倒くさいです。

なぜこんな残念な仕様になってしまったのでしょうか。

びゅう旅行商品廃止で

振り返ると、JR東日本の新幹線日帰りスキーツアーは、2022年シーズンまで、「びゅう旅行商品」(びゅうパッケージツアー)として販売されていました。

ところが、同社は「びゅう旅行商品」そのものの販売を2022年3月末で終了し、ツアーを「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」に一本化しています。

結果として、2023年シーズンのスキー・スノボツアーも「ダイナミックレールパック」のシステムを利用した販売となっています。そのため、スキー・スノボツアー向けの仕様になっていません。選択する列車により価格が変わりますし、利用日による価格変動も細かくなっているようで、「この日は安い」と明確にできない様子なのです。

えきねっと びゅう国内ツアー

トクだ値も選択肢

それでも、平日にGALA湯沢へ日帰りスキーをするには、「JR SKI SKI」が破格であることに違いなく、これを使うのが一番です。

問題は、価格が高い週末です。週末にGALA湯沢に安く行くには、えきねっとの「お先にトクだ値」を使うのも一つの方法になりそうです。

東京発着で片道4,900円ですので、ウェブ購入のリフト1日券(5,600円)とあわせて、往復新幹線+リフト券で15,400円です。ただ、お先にトクだ値は売り切れやすいので、週末の時間帯のいい列車は、早めのチケット確保が重要になりそうです。

ツアーの扱いのないスキー場への日帰りスキーにも、お先にトクだ値を活用するのがいいでしょう。

ということで、現時点の状況をみるにつけ、新幹線+スキーで「冬を取り戻す」のは、ちょっと手がかかりそうです。(鎌倉淳)

【公式】<JR SKISKI>新幹線で行くスキー&スノボツアー

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