「JR東日本パス」が2023年3月に設定されます。鉄道開業150年記念の「ファイナル」という位置づけで、JR東日本全線が、新幹線・特急も含め乗り放題となります。
JR東日本と民鉄7社が乗り放題
JR東日本が「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」を発売します。利用期間は3月2日~15日の2週間です。JR東日本全線と、三セクなど民鉄7社の列車が3日間乗り降り自由になる特別企画乗車券です。
概要は以下の通りです。
●名称:「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」
●価格:おとな22,150円 こども10,150円(税込)
●利用期間:2023年3月2日(木)~3月15日(水)
※利用開始日の1か月前から3日前まで販売。最終利用開始日は3月13日、最終発売日は3月10日。
●有効期間:3日間
●販売方法:「えきねっと」限定販売
●利用内容:フリーエリア内の JR東日本全線、青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、北越急行線、伊豆急行線、富士急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津~新井間)の特急(新幹線を含む)・急行・快速列車の普通車自由席およびJR東日本が運行するBRTが3日間乗り降り自由。あらかじめ座席の指定を受ければ、新幹線・優等列車の普通車指定席(または立席)に4回乗車可能。
●特典:レンタカーなどの利用特典があります。
指定席は4回まで
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」で乗り放題となるのは自由席のみです。指定席は4回のみ利用可能です。立席も回数に含まれます。
定められた回数を超えて、または座席の指定を受けずに乗車した場合、運賃のみ有効となり、別に無割引の特急券などが必要となります。
座席の指定は、「えきねっと」またはフリーエリア内の指定席券売機などで可能です。
「えきねっと」でパスを購入すると、同時に指定席の申し込みができます。また、申込履歴ページで、後から指定席の申込みや変更をすることができます。
「えきねっと」で指定席特急券を購入してから、みどりの窓口などで「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」と組み合わせた発券はできません。
「はやぶさ」「こまち」などの扱い
JR東日本では、全車指定席の列車が増えています。新幹線では「はやぶさ」「はやて」「こまち」「つばさ」「かがやき」が全車指定席で、自由席はありません。したがって、これらの特急を利用する際には座席の指定(または立席にて列車の指定)を受ける必要があります。指定を受けないで乗車した場合、無割引の特急料金が必要です。
ただし、「はやぶさ」「はやて」の盛岡~新青森間、「こまち」の盛岡~秋田間、「つばさ」の福島~新庄間相互発着の場合は、指定席の利用回数に数えることなく普通車の空いている席を利用できます。
仙台~盛岡の途中駅に停車する「はやぶさ」「はやて」「こまち」を仙台~盛岡間に限り相互に利用する場合も、同様に空席利用ができます。
座席未指定券制度の扱い
在来線特急では、「ひたち」「ときわ」「あずさ」「かいじ」「踊り子」「湘南」などが全車指定席です。これらの列車は座席未指定券制度を導入していて、自由席はありません。
これらの特急で座席指定を受けないで乗車した場合にも、別に無割引の特急料金が必要です。逆にいうと、これらの特急は「乗り放題」ではありません。
富士急行線内で運転する「フジサン特急」「富士山ビュー特急」の1号車や「富士登山電車」、三陸鉄道内のみで運転する列車の指定席に乗車する場合も、別途料金が必要です。
変更と払い戻し
有効期間開始日の変更は、有効期間内で未使用の場合に限り、変更先の有効期間開始日の3日前まで1回のみ扱います。同じパスへの変更に限ります。
払い戻しの場合、手数料は660円です。
ダイヤ改正直前に
「JR東日本パス」は、2022年10月にも設定されて大好評を博しました。利用期間中の新幹線・特急が大混雑したことは、記憶に新しいところです。
あれから半年と経たずに再設定されたのは驚きですが、JR東日本としても、いい意味で手応えがあったということなのでしょうか。
今回の設定は、3月上旬からの2週間。ダイヤ改正が予定されている3月18日の3日前までが利用期間ですから、ダイヤ改正で姿を消す列車に乗り納めをする方もいるでしょう。たとえば、特急「草津」「あかぎ」は651系が引退となるので、人気となるかもしれません。
2022年夏の豪雨で不通になったローカル線も、復旧が進んでいますので、蘇った姿を見に行く人が増えるでしょう。この春は、鉄道150年イベントの最後を、乗り放題で楽しみたいところです。(鎌倉淳)