JR東日本、株主優待券1枚で4割引に変更。指定席券売機も利用可能に

JR東日本が株主優待割引制度を変更します。2020年度発行の株主優待割引券から、「1枚につき4割引」に変更し、駅の指定席券売機での発売にも対応します。

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発行枚数に変更なし

JR東日本の株主優待割引制度は、現在、1枚の株主優待割引券で同社路線の運賃・料金が2割引となっています。2枚まで同時利用ができるので、最大4割引となります。

この株主優待割引制度について、JR東日本は、2020年度発行分から1枚に付き4割引に変更すると発表しました。割引券の2枚使用はできなくなるため、最大4割引は変わりありません。4割引となるための要件が、株主優待割引券1枚に緩和される、ということです。

JR東日本では、株主優待割引券を、所有株式数1,000株以下では、100株ごとに1枚を発行しています。この発行枚数に変更はありません。発行条件に変更がないとすれば、株主としては割引率の拡大の恩恵を無条件に受けられることになります。

新幹線E5系

指定席券売機に対応

もう一つの制度変更として、株主優待割引券がJR東日本の駅の指定席券売機に対応します。これにより、駅窓口に並ばなくても、券売機で株主優待割引のきっぷが購入できるようになります。

具体的には、株主優待割引券の券面のスクラッチを削り、あらわれたQRコードを指定席券売機の読み取り部にかざします。これにより、販売時に株主優待割引が適用されます。

QRコードは、JR東日本の指定席券売機でのみ利用できます。また、改札内の指定席券売機はQRコードに対応していません。

JR株主優待券券売機
画像:JR東日本プレスリリース

青森、秋田旅行者に朗報

新制度となるのは、2020年度発行の株主優待割引券(2020年6月1日から有効)からです。2020年度発行の株主優待割引券は、2020年3月末日時点で100株以上の同社株を所有している株主です。

JR東日本の株主優待割引券は金券ショップでも流通していますが、制度変更を受け、2020年度発行分から値上がりが見込まれます。現在の流通価格は2,200円前後ですが、新たな価格相場がどの程度になるのかはわかりません。

株主優待券の価値は倍になりますので、普通に考えれば、流通価格も倍近い水準になりそうです。ただ、実質的に優待券の市場供給が増えることになりますので、ダブつけば倍にまでならないこともありえます。

その場合、株主優待割引に最適な東京~青森、秋田間を旅行する旅客には、より安くチケットを入手できる可能性が高まることを意味するわけで、朗報といえそうです。(鎌倉淳)

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