2013年3月JRダイヤ改正まとめ。200系など国鉄型車両の引退相次ぐ。目玉は「はやぶさ」320km/h運転。

JRグループが、2013年春のダイヤ改正の概要を発表しました。改正日は2013年3月16日(土)。今回は寝台列車など廃止などのエポックメイキングなニュースはありませんが、旧国鉄型車両の引退が相次ぎます。

まず、JR東日本の新幹線車両200系。東北・上越新幹線の開業と同じ1982年に運用開始されました。現在は70両が在籍していて、上越新幹線のみで運用されていますが、このダイヤ改正を機会にE2系へ置き換えられ、定期運用を終えます。

常磐線の特急「スーパーひたち」651系と「フレッシュひたち」E653系も同線の特急運用から外れます。これにより、常磐線の全ての特急列車が新型のE657系に統一されます。

次に、JR西日本の183系。これは、京都・大阪と北近畿エリアを結ぶ特急に運用されている車両です。JR西の183系は、国鉄型の485系を改造して直流に対応させたものですが、これが全廃されます。現在は特急「こうのとり」「きのさき」「はしだて」で使用され、34両が在籍していますが、ダイヤ改正後は、紀勢本線の特急「くろしお」で使われていた381系に置き換えられます。その「くろしお」は、白浜・紀伊田辺発着の全列車が287系に置き換えられます。紀伊半島から381系が消える日も間近といえます。なお、183系じたいはJR東日本にまだ現役車両が残っています。

同じJR西日本の近畿地区では、JR京都線・JR神戸線から、ステンレス車両の通勤型205系が引退します。国鉄末期の貴重なステンレス車両の205系ですが、JR西の主力路線ではお役ご免です。今後は阪和線に転属されると予想されます。

JR東海の117系も、東海道本線の運用から姿を消します。1982年に運転開始した車両で、これまで東海道本線の「新快速」や「快速」として運用されてきました。最近は313系が増備され、現在は岡崎~米原間で1日数往復の運転となっていましたが、今回のダイヤ改正で全廃されます。

また、地味ですが、荷物電車を旅客車化した123系1両が中央本線の辰野支線から退き、E127系に置き換わります。

新幹線・特急のダイヤ改正トピックス

車両引退以外では、東北新幹線の320km/h運転が今回のダイヤ改正の目玉といえます。320km/h運転をするのは、E5系単独で運転する「はやぶさ」です。このスピードアップにより、東京-新青森間は最速2時間59分で結ばれます。

また、秋田新幹線では、新たに製造されたE6系が投入され、「スーパーこまち」として運転を始めます。「スーパーこまち」は、東京-盛岡間では「はやぶさ」と併結運転し、「はやぶさ・スーパーこまち」として最高時速300km/hで運転されます。この「スーパーこまち」、東京-盛岡間は、「はやぶさ」の料金が適用され、他の列車の料金よりも最大500円(東京・大宮-盛岡以遠間の場合)高くなります。今後、「こまち」の「スーパーこまち」への置き換えが進めば、実質的に秋田新幹線は500円の値上げが実施されることになります。

新型車ではありませんが、E5系の増備もニュースです。新青森駅発着の定期列車はすべてがE5系になり、東京駅発着の東北新幹線の約4割がE5で占められることになります。これにともない、早朝・深夜5本の「はやて」「やまびこ」のグランクラスは、アテンダントのサービスが省略されます。この「簡易グランクラス」は、「なすの」に準じたグランクラス料金になります。。

東海道・山陽新幹線のニュースとしては、N700A車両が、山陽新幹線にも乗り入れます。また、新大阪駅では、整備が進められていた27番線の使用が開始されます。

サービス関連では、東海道・山陽新幹線の音楽サービスが終了します。今後は、NHKラジオ第一放送の再送信のみになります。また、JR東海の在来線全特急列車で、車内販売が終了します。車内販売の削減は、近年の顕著な傾向です。これは、エキナカの充実と軌を一にしていますので、今後も削減は続くでしょう。

通勤電車のダイヤ改正トピックス

身近な話題でこのダイヤ改正一番の目玉といえるのは、湘南新宿ラインの浦和駅停車でしょう。これは、浦和駅のホーム新設工事が完了したことによるものです。湘南新宿ラインのほか、JR・東武直通特急の全列車が浦和駅に停車するようになります。

中央線では、「特別快速」(特快)が増発され、スピードもアップします。日中における特快の運転本数は、現行の毎時4本から同5本(土休日は同6本)となり、最高時速は95キロから100キロになります。高架工事の進展によるもので、これにより、新宿~八王子間は最大3分短縮されます。

京葉線では、「通勤快速」以外の朝の「快速」が各駅停車に変更されます。また、武蔵野線の京葉線直通列車が終日各駅停車になります。その武蔵野線は毎時1本増発され、毎時6本の運転となります。

「ライナー」系の快速列車は退潮傾向です。東海地区では日中に1時間毎に走っている中央本線の「セントラルライナー」が廃止に。東北地区では1往復残っていた大船渡線の「スーパードラゴン」が廃止。九州地区では約1時間毎に走っている豊肥本線の「豊肥ライナー」が廃止されます。

「寝台特急」の廃止はゼロ

全般を見渡すと、やや「小粒」なダイヤ改正といえます。「あけぼの」「北斗星」「トワイライトエクスプレス」など、廃止がウワサされた寝台特急が生き残ったのが、隠された「目玉」といえるかもしれません。ただ、北海道新幹線の新函館開業が迫る中、これら寝台特急も命脈をいつまで保てるかは疑問。2013年が最後の夏、になる列車も出てきそうですので、乗り納めはお早めに!

広告