上越線に上越国際スキー場前駅ができたのは、1997年。「●●前」と銘打ちながら、駅から距離のある施設も多いですが、ここは違います。駅を降りると、ホントに目の前に上越国際スキー場のスキーセンターがあります。駐車場を挟んで徒歩1分くらいでしょうか。スキーセンターと駅がこれほど近いのは、全国でもそう多くはありません。
越後湯沢駅から普通列車で3駅15分。上越新幹線を使えば東京から余裕で日帰りできますし、青春18きっぷを使えば手頃な価格で訪れることができます。列車本数は1時間に1本程度ですが、それだけあれば十分と言えば十分です。
全国2位の総面積
上越国際スキー場は、志賀高原に次いで全国2位の総面積を誇ります。といっても、志賀高原がそうであるように、単体のスキー場というよりは、いくつかのエリアの集合体です。
駅前にあるのは日帰りスキーセンターの「ANNEX」で、更衣室が完備されています。規模は小さいので、列車が着いた直後は非常に混雑します。30分もすれば空きますので、慌てずゆっくり着替えるのもいいでしょう。そして、まずは山頂を目指します。
山頂まで1時間半
このスキー場には、ゴンドラがありません。山頂まで行くには、ANNEXからなんと6本ものリフトを乗り継ぎます。10時にANNEXを出て、山頂のパウゼに着いたのは11時30分。さらにリフトを乗り継いで、十日町側のスキーセンター「リモージェ」に着いたのは12時。片道2時間もかかりました。スキー場を端から端まで横断するだけで2時間かかったわけで、上越国際スキー場の広さを実感します。
雪山の迷宮に迷い込んだかのごとく
この広さは上越国際の最大の魅力です。雪山の迷宮に迷い込んだかのごとく、とにかくリフトを乗り継ぎ、斜面を滑り、時には漕いで、を続けて先へ進みます。
正直なところ、「滑る」より「乗る」時間のほうがかなり長いです。高速リフトが少ないうえに、「横移動」のリフトが多いので、リフトに乗っている時間のわりに、滑走時間が少ないのです。
リフトにはフードなし
帰りも、リモージュからANNEXの帰りも9本のリフトの乗り継ぎで、途中寄り道しながら、3時間かけてANNEXに戻りました。5時間の滞在時間のうち、3時間近くはリフトに乗っていたのではないか、と思います。乗り物好きの筆者ですので、まあいいのですが、「滑りに来た」人にはちょっとつらいかも。
リフトにはフードが一切ありません。高速リフトも少ないですから、ゆっくりしたスピードで雪山を眺めることができます。といえば聞こえはいいですが、要は寒いので、防寒はしっかりとしておきましょう。
雪質も良く人も少ない
雪質は、駅前付近は上越的で水分が多いですが、山頂付近は軽くて滑りやすいです。山頂まで片道1時間半かかるからか、上へ行くほどコースに人が少なく、雪質も良く、ストレスなく滑れるでしょう。
日帰りではとても全部滑りきれない広ーいゲレンデです。奥へ奥へと目指すと、「進む」楽しみのゲレンデになりますし、「滑る」ことを重視するなら、高速向けの中斜面もあります。
滑る人なりの楽しみを見いだせる「奥深い」ゲレンデといえるでしょう。