「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第14弾 冬の東北決戦を分析する【2】勝利を決定づけたのは

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「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第14弾の正解ルートを考える【1】

ローカル路線バスの旅陣取り合戦14
Ⓒテレビ東京

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河合チームの検証

続いて、河合チームの検証です。 実際ルートを再掲します。

▽1日目
盛岡駅前09:12→10:22大町→徒歩0.1km→肉のふがね(☆岩手町)→岩手町大町11:07→11:59葛巻→まちの駅くずまき(☆葛巻町)→葛巻14:49→15:50久慈駅前15:56→タクシー7km→つりがね洞(☆久慈市)→タクシー7km(計4,000円)→久慈駅前16:40→17:21道の駅おりつめ→徒歩0.7km→小笠原菓子舗(☆☆九戸村)→タクシー約17km、5,910円→徒歩4.5km→金田一温泉きたぐに旅館(☆二戸市)

▽2日目
金田一温泉郷07:35→08:15軽米病院08:57→10:13ラピア10:37→11:27虎渡→徒歩0.7km→スイーツガーデンKUDO(☆南部町)→徒歩2.5km→南部町役場12:52→13:13三戸町役場前→徒歩1km→三戸城(☆三戸町)→徒歩1km→三戸町役場前15:42→16:32櫛引八幡宮前→16:45櫛引八幡宮(☆八戸市)

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盛岡近郊を狙ったら

最初に、北方面へ向かう前に、盛岡市周辺の陣を狙う方法はなかったのかを考えてみます。1日目は日曜日だったこともあり、週末でもバス路線網が比較的機能している都市近郊を攻めていくのは、一案でしょう。

盛岡駅で、久慈行きの最終バスの時刻を確認することは可能なので、それに乗ることを前提に周辺自治体を巡ると、たとえば次のようなルートが考えられます。

▽1日目
盛岡駅前09:15→09:25盛岡バスセンター09:30→10:11紫波営業所(☆紫波町)11:00→11:19矢巾口(☆矢巾町)12:19→12:48盛岡バスセンター13:18→13:50滝沢市役所(☆滝沢市)14:51→15:10盛岡駅前15:22→16:28大町(☆岩手町)/岩手町大町18:55→19:44葛巻→まちの駅くずまき(☆葛巻町)

▽2日目
葛巻08:14→09:12久慈駅前09:35→10:16道の駅おりつめ(☆☆九戸町)12:16→12:36福岡川又/岩谷橋12:40→13:35軽米(☆軽米町)→タクシー10km→大洋公園前15:28→16:00新荒町16:09→16:23櫛引八幡宮前(☆八戸市)

1日目に岩手町の陣を得て葛巻まで向かうとすれば、5陣を得て葛巻に泊まることになります。2日目に九戸村、軽米町の陣を得れば、3陣を得て八戸市内に入れます。最後、八戸市の陣を得れば計9陣となります。

この乗り継ぎはもちろん机上論です。放送されていない陣の位置は不明ですし、実際には相手チームの動きもありますから、この通りにはいかないでしょう。一つの例として、1日目に盛岡市周辺を回るという選択もあり得た、という話です。

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道の駅おりつめで降りなかったら

実際ルートに戻ります。河合チームの大きな決断は、1日目久慈から二戸への最終バスを、途中の道の駅おりつめで降りたことです。これにより、九戸村の陣を得ることができ、しかも当日中に二戸市の陣にまで達しました。

仮に、道の駅おりつめで降りなかったらどうなっていたでしょうか。

▽1日目
久慈駅前16:40→17:50二戸駅18:15→18:37馬場→徒歩1.6km→きたぐに旅館(☆二戸町)

▽2日目
金田一温泉郷07:35→08:05軽米08:44→09:14九戸インターオトデ館→徒歩0.8km→小笠原菓子舗(☆☆九戸村)→タクシー11.2km→肉まる屋(☆軽米町)→徒歩1.9km→軽米大町13:32 →14:26八戸中心街ターミナル三日町/六日町14:45→15:03櫛引八幡宮前(☆八戸市)

1日目はタクシー代を残したまま、金田一温泉まで行くことができます。ただ、九戸村の2陣を狙うと翌日になってしまい、結局、ゴールを含めて、がんばっても計8陣にとどまりそうです。実際は9陣でしたので1陣少なく、引き分けに終わっていたでしょう。

つまり、最終バスを乗り捨てて九戸村の陣を獲りに行った賭けが奏功し、勝利につながったわけです。

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金田一温泉から県境を越えていたら

2日目、河合チームは、金田一温泉郷からバスで軽米方面に向かいました。ただ、金田一温泉は青森県境に近く、越えれば三戸町です。仮に、金田一温泉から県境を超えて、三戸に向かっていたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
金田一温泉→徒歩6km→さわやか会館前(目時)08:06→08:20三戸町役場前→徒歩1km→三戸城(☆三戸町)→徒歩1km→三戸町役場前08:45→09:11田子(☆田子町)10:57→11:22三戸町役場前11:32→12:03虎渡→徒歩0.7km→スイーツガーデンKUDO(☆南部町)→虎渡14:23→14:47櫛引八幡宮前(☆八戸市)

金田一温泉を6時ごろに出発し、目時付近からバスに乗り三戸町役場へ。その後、田子に転じて陣を得て、折り返して南部町を経てゴールします。

田子の陣の場所が定かではありませんが、よほど僻地でない限り、時間的には間に合いそうです。その場合、ゴールの陣も含めて2日目に4陣を獲得し、計9陣で太川チームを上回っていたでしょう。

ただ、このルートは、目時から三戸へのバスがあるという情報を、2日目のうちに金田一温泉で仕入れておく必要があります。宿の人に調べてもらえば探せないことはないですが、簡単とまではいえません。したがって、これも机上論の域を出ません。

現実には、金田一温泉から軽米へのバスがある以上、これに乗るのは当然といえます。

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軽米町の陣に寄っていたら

その軽米町で、河合チームは陣の位置を知りながら、ラーメン店であることから開店時間を懸念し、立ち寄りませんでした。

実際には、チェックポイントのラーメン店「肉まる屋」の開店は10時です。仮に、河合チームが軽米の陣に立ち寄っていたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
金田一温泉郷07:35→08:15軽米病院→徒歩2.3km→肉まる屋(☆軽米町)→徒歩1.9km→軽米大町13:32→14:41ラピア

軽米からラピアへのバスが13時半頃までなく、2日目は軽米町の陣をとってゴールに向かうだけになっていた可能性が高いでしょう。

現実には、軽米でのバスが好接続だったこともあり、河合チームが軽米町の陣に寄らなかったのは妥当な判断だったといえます。

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田子町の陣は獲れたか

最終局面で、河合チームは田子町の陣を獲りに行く構えを見せます。しかし、最終的には諦め、三戸からゴールを目指します。仮に、三戸から田子町を目指していたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
三戸町役場前15:56→16:22田子16:32→16:57三戸町役場前18:07→18:57櫛引八幡宮前

このように、田子でトンボ帰りしても、19時までにゴールできるか微妙です。つまり、田子町の陣が獲れない上に、ゴールもできない可能性があります。

放送はされませんでしたが、河合一行は三戸町役場で聞き込みし、その情報を得たのでしょう。そして、高木の「負けるくらいなら三戸町でゴールを取って同点になるほうがいい」という意見もあって、田子を諦めて折り返す判断をしたようです。

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まとめてみると

まとめてみると、太川チームは1日目の陣取りは完璧でしたが、2日目は判断ミスと不運が重なって、陣取りが進みませんでした。致命的だったのは、五戸町の陣を優先してしまったことでしょう。十和田市の陣や階上町の陣を優先していたら、悪くても引き分けに持ち込むことはできていたとみられます。

河合チームの勝因はいくつかありますが、1日目にバスの待ち時間を使って久慈市の陣を確保したこと、このときタクシー代を4,000円に抑えたこと、さらに九戸村の陣を獲りにいき成功したことが大きいといえます。1日目の河合チームは、太川チームに劣らず最大限の陣取りを成し遂げました。

2日目に、軽米町の陣を見送り、南部町、三戸町の陣を確実に押さえたのも好判断でした。最終的には、ゴールの陣の帰趨が決め手となり、勝利を引き寄せました。

これで通算成績は6勝6敗2分けの五分です。次回も楽しみです。(鎌倉淳)

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