新幹線「1年前予約」の注意点。EX予約、座席確定は1ヶ月前

「仮のダイヤ」で予約

東海道・山陽・九州新幹線のEX予約(エクスプレス予約、スマートEX)で、1年前予約がスタートしました。注意点をまとめてみましょう。

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「仮のダイヤ」で予約

東海道・山陽・九州新幹線では、2023年10月1日より、最大1年先の列車予約が可能になりました。JRの新幹線は、これまで最大1ヶ月先までの予約しかできませんでしたので、非常に大きな制度変更です。

ただし、「1年前予約」は、これまでのJR指定席券予約とは異なるルールもありますので、注意が必要です。

まず、大前提として、「1年前予約」ができるのは、インターネットによるEX予約(エクスプレス予約、スマートEX)のみです。駅の窓口では、これまで通り1ヶ月先までしか予約できません。また、東北・北海道、上越、北陸、秋田、山形新幹線は対象外です。

そして、JRでは、おおむね1年に1度はダイヤ改正が実施されます。したがって、1年前に予約できるのは「仮のダイヤ」として設定されている列車のみです。予約できる座席数にも限りがあります。

予約できるのは、通常座席と特大荷物スペースつき座席です。往復商品、早特商品、S Work席、車いす対応座席、特大荷物座席(デッキ)は1年前予約の対象外です。ただし、「EX早特28ワイド」は、90日前から予約可能です。

富士山東海道新幹線

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不定期列車も予約可

仮のダイヤとはいっても、運行計画はある程度固まっているようで、定期列車のみの予約というわけではなさそうです。

たとえば、ゴールデンウィークの2024年5月3日の午前7時台で検索すると、「のぞみ号」として予約できるのは、7時00分発、09分発、12分発、18分発、21分発、24分発、30分発、39分発、42分発、48分発、51分発、54分発の計12本。1時間最大となる「12本」が対象なので、運行予定の全列車が予約可能となっているようです。

一方、平日の5月15日で検索すると、7時00分発、09分発、12分発、21分発、30分発、39分発、48分発の計7本です。別の日で検索すると、6本という日もありました。

つまり、現時点で運行可能性の高い列車については、おおむね予約できる形になっているようです。

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決済は予約時

ただし、1ヶ月以上先に予約をした場合、列車・座席は未確定です。「仮のダイヤ」で予約しただけなので、予約画面で表示された列車の発着時刻は変更となる場合があります。

列車と座席が確定するのは、乗車日1ヶ月前の14:00以降です。列車・座席が確定すると、メールで通知されます。

重要な点として、決済(支払い)は、予約時におこなわれます。列車・座席が確定した段階(1ヶ月前)ではありません。乗車日1年前~1ヵ月より前に予約した場合でも、予約時に決済となります。

予約完了後に払戻をすると、列車・座席が未確定であっても払戻手数料がかかります。EX予約の払戻手数料は320円です。なお、座席を確保できなかった場合は無手数料で払い戻されます。

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シートマップは利用不可

乗車日1年前~1ヵ月より前の発売では、予約時に座席位置を指定することはできません。シートマップも利用できません。座席確定後に、シートマップで座席位置の変更をすることは可能です。

予約変更のルール

予約の変更も可能です。乗車日を変更する場合、変更可能な乗車日は初回購入時の乗車日から3ヶ月先の乗車日までです。予約できる列車は、操作日から1年後の列車までです。

たとえば、1月1日に12月15日の乗車分の予約をした場合、翌年3月14日の列車までは変更可能です。ただし、2月1日に変更操作をする場合、予約できるのは1年後の翌1月31日の列車までです。

一方、座席が確定した乗車日1ヵ月以内の予約を、乗車日1ヵ月より先の列車には変更できません。予約できる列車は、操作日から1ヵ月後までの列車です。

たとえば、1月1日に7月15日の乗車分の予約をした場合、10月14日の列車までは何度でも変更可能です。ただし、7月15日に変更操作をする場合、予約できるのは1ヵ月先の8月15日の列車までです。7月15日時点では、1ヵ月より先の予約へ変更することはできません。

このように、「1ヶ月より先の予約」と「1ヶ月以内の予約」は、仕組みとして切り離されています。

なお、「EX予約28ワイド」については、90日前からの予約が可能ですが、予約後の変更は一切できません。

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定期列車を狙う

以上が、エクスプレス予約、スマートEXの「1年前予約」のルールです。

利用者として気をつけたいのは、「1ヶ月以上先の予約列車の時刻は仮のもの」という点でしょう。決済してお金まで払ったのに「その時刻の列車に乗れる」と保証されているわけではありません。時刻変更があっても、払い戻すなら手数料がかかります。無手数料の払い戻しは「座席が確保されなかった場合」のみです。

とはいうものの、これだけ強気の仕組みですから、「利用者に不満が出るほどの時刻変更は生じない」という自信がJRにはあるのでしょう。

したがって、いろいろ予防線が張られているものの、おおむね予定通りの時刻の列車で確定するものと思われます。

ただ、ダイヤ改正による多少の時刻変更はあるでしょうし、予約状況の悪い不定期列車については運休となり、前後の列車に予約が振り分けられる可能性もないとはいえません。

利用者としてあえて確実性を高めたいなら、定期列車として運行している列車を予約することでしょう。「のぞみ」号なら列車番号がふた桁か200~260番台は定期列車なので、ほぼ確実に運行されます。(鎌倉淳)

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