北海道新幹線の札幌市街地を通る区間が、高架橋から地下へ変更されます。これにより、北海道新幹線は札幌駅のすぐ近くまで地下路線で到達することになります。議論が続いている札幌駅ホーム位置についても影響を及ぼすのでしょうか。
トンネル率は80%に
北海道新幹線札幌延伸工事を進める鉄道・運輸機構は、新小樽―札幌間に建設予定の手稲トンネル(全長18.8km)を、札幌駅方向に7.4km延長させると発表しました。新しいトンネル出口は桑園駅-札幌駅間に作られます。
これにより、トンネルの名称も「札樽トンネル」と変更となります。札樽トンネルの長さは26.2km。北海道新幹線新函館北斗-札幌のトンネル総延長は約169kmになり、トンネル率は、全体で80%になります。
総事業費は変わらず
北海道新幹線の札幌市内区間は、2012年に国土交通相の認可を受けた当初、手稲トンネルから札幌駅までの8.4kmの高架橋で結ぶ計画でした。ただ、高架橋を新幹線が走ることに対し、周辺住民から騒音の懸念が寄せられたほか、住居移転などが生じることへの反発もあり、北海道や札幌市が2015年6月にトンネル区間の延長を要望していました。
今回発表された札樽トンネルは、札幌駅の西970mの西11丁目付近で地上に出るため、札幌駅までは目と鼻の先です。各紙報道によりますと、トンネル延長により増大する費用と札幌市内の用地買収費用は相殺され、総事業費には影響しないとのことです。
札幌駅ホーム問題は未決着
ところで、北海道新幹線の札幌駅のホーム位置がどこになるかは、まだ決まっていません。2017年4月の報道では、札幌駅東側に新幹線ホームを延ばす東側案と、札幌駅の1、2番線を活用して整備する現駅案の2案に絞り協議が進められているとのことでした。
札幌駅の地下にホームを作るという案は検討されていないようですが、地下区間をここまで延ばすなら、ついでに駅も地下に作ったらいいのでは、と思わなくもありません。そうすれば工費はかさみますが、懸案の在来線ホームが減らずに済むのですが。(鎌倉淳)