北海道は交通事業者支援のため、「乗り放題きっぷ」を最大半額で販売できるよう補助する方針を示しました。実現すれば、JR北海道のフリーきっぷが激安で利用できそうです。
事業費10億円
北海道は6月22日、一般会計総額3677億円の2020年度補正予算案を発表しました。新型コロナウイルス感染対策の第4弾として、利用者が急減している公共交通機関への支援が含まれています。共同通信6月22日付によりますと、交通事業者を支援するための策として、乗り放題券を最大半額で販売できるよう割引分を補助します。補正予算案に盛り込まれた事業費は10億円です。
対象は航空機、鉄道、バス、タクシー、フェリーの各事業者で、道内発着に限ります。鉄道やバスなど複数の交通手段を使う乗り放題券は最大50%、単独の交通手段の場合は最大30%の範囲で、事業者が割引率を設定できるそうです。
対象となるフリーきっぷは?
この報道の通りに割引が実現すれば、JR北海道の鉄道フリーきっぷが最大3割引、鉄道とバスが利用できるフリーきっぷは最大半額で購入できるようになります。
JR北海道の鉄道フリーきっぷは、以下の通りです。3割引の価格を計算してみました。
1日散歩きっぷ(札幌近郊)
2,540円→1,770円
道北1日散歩きっぷ(旭川近郊)
2,540円→1,770円
ラベンダーフリーパス(富良野周辺)
2,800円→1,960円
Peachきた北海道フリーパス
13,150円→9,200円
※AIR DO版などもあり。
Peachひがし北海道フリーパス
16,380円→11,460円
※AIR DO版などもあり。
北海道&東日本パス北海道線特急オプション券
6,110円→4,270円
鉄道とバスが利用できる場合は最大5割引ですので、以下のようになります。
北海道フリーパス(JR北海道在来線全線と一部のJRバス)
27,430円→13,720円
はこだて旅するパスポート(函館周辺の鉄道、バス、市電)
2,690円→1,350円
青春18きっぷより安く?
上記は試算で、これらのきっぷが実際に割引対象になるかはわかりませんし、対象になったとして、割引額の設定がいくらになるのかも未確定です。また、道民限定の施策なのか、道民以外も利用できるのかも発表されていません。その点、ご承知置きください。
格安旅行者に人気なのは「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券」でしょうか。ただ、この券は新青森から利用できるので厳密には道内発着ではありませんし、そもそもオプション券が対象になるのかは微妙です。
対象になれば、北海道&東日本パスに4,300円程度を足すことで、1日特急利用可になるわけで、利用価値は高いでしょう。北海道&東日本パスの利用者も増えるとみられます。
目玉となりそうなのは北海道フリーパスです。JRバスの一部路線で使えるので「5割引」の対象となる可能性があり、その場合は13,720円。7日間有効でこの価格ですので、1日1,960円でJR北海道の特急列車の自由席が乗り放題になるわけです。青春18きっぷより安いです。
3割引が適用の場合は、19,210円です。1日あたり2,744円で、これでも十分に破格です。
北海道の乗り放題きっぷ半額は、まだ正式に告知されていませんしが、実現すれば鉄道ファンの人気沸騰になりそうです。事業費は10億円と限られていますので、枚数限定のお楽しみになるでしょう。