「ひがし・きた北海道フリーパス」2024年度の詳細。指定席拡大で使いづらく

AIRDO版は発売なく

JR北海道がPeach、FDA、ANAの航空3社とタイアップして発売している「ひがし北海道フリーパス」「きた北海道フリーパス」の2024年版の概要です。2025年3月まで発売します。AIRDO版は設定がありません。

広告

値上げして継続発売

「ひがし北海道フリーパス」「きた北海道フリーパス」は、JR北海道がPeach、FDA、ANAの航空3社とタイアップして発売している企画乗車券です。その2024年版の発売が開始されました。

2023年下期版と基本的な設定は同じです。価格も据え置きとなっています。

2023年下期まで発売されていたAIRDO版は設定がなく、2024年度には発売されないようです。

Peach北海道フリーパス 画像:JR北海道

 

広告

「ひがし・きた北海道フリーパス」2024年度版の概要

新たな「ひがし北海道フリーパス」「きた北海道フリーパス」の概要は以下の通りです。

■商品名
「Peachひがし北海道フリーパス」「Peachきた北海道フリーパス」
「FDAひがし北海道フリーパス」「FDAきた北海道フリーパス」
「ANAきた北海道フリーパス」
※ANAの「ひがし」は設定なし。

■効力
各フリーエリアのJR線特急・普通列車の自由席が乗り降り自由。普通車指定席は「ひがし」が5回、「きた」が4回まで利用可能。

ただし、特急「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」では、指定席券を持たなくても、指定席の空席は制限なく利用可(座席未指定券の扱い)。当該座席の指定席券を持った旅客が現れた場合は譲らなければならない。

また、各社1,000円分の利用券が付きます。Peachが機内販売の利用券、FDAが新千歳空港の「アミュージアムショップフライヤーズ」での利用券、ANAが新千歳空港、旭川空港、稚内空港のANA FESTA(売店)での利用券です。

■利用期間
2024年4月1日~2025年4月4日(ひがし)または3日(きた)

■発売期間
2024年4月1日~2025年3月31日(当日または翌日利用開始分のみ発売)
※4月27日~5月6日、8月10日~8月19日、12月28日~1月6日は利用不可。

■有効期間
「ひがし」…4日間
「きた」…3日間

■価格
「ひがし」…おとな20,000円、「U25」16,300円、こども10,500円
「きた」…おとな16,200円、「U25」 13,600円、こども8,600円
※U25は中学生以上25歳以下

■発売箇所
新千歳空港駅の指定席券売機、話せる券売機(みどりの窓口や他駅では販売なし)。
※U25は年齢確認のため、話せる券売機のみで発売。

■フリーエリア
「ひがし」…小樽、新千歳空港以東の函館線、石北線以南。

ひがし北海道フリーパス
画像:JR北海道

「きた」…小樽、新千歳空港以東の函館線、宗谷線方面と富良野周辺。

きた北海道フリーパス
画像:JR北海道

 

広告

事実上誰でも購入可能

「ひがし北海道フリーパス」「きた北海道フリーパス」は、新千歳空港駅の券売機でのみ販売します。搭乗券の提示は必要ありませんので、誰でも購入できます。

そのかわり、Peach、FDA、ANAの1,000円利用券がセットになっています。各航空会社を利用しない人は、事実上1,000円を各航空会社に「寄付」する形となります。また、利用券は帰路で使えますので、往路はどの航空会社を利用しても、事実上、関係ありません。

FDAとANAの利用券は空港売店で使えますが、利用時に搭乗券の提示を求められますので、当該航空便利用者以外は利用券を使用できません。

2024年版からAIRDO版がなくなりました。ただ、現在は、航空会社の利用にかかわらず新千歳空港駅で購入できますので、AIRDO利用者も、きっぷを購入することは可能です。

道内他空港到着便は利用不可

新千歳空港駅券売機のみで販売のため、道内他空港に到着する便では、事実上、購入できません。

帰路は、どの空港を利用してもかまいません。ただし、利用券が使える空港は限られ、PeachとFDAは新千歳空港のみです。ANAは新千歳、旭川、稚内の3空港のANAFESTAで利用できます。

広告

指定席拡大で使いづらく

2024年3月16日ダイヤ改正で、特急「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」が全車指定席となりました。また、「ライラック」「カムイ」の自由席も縮小されています。

一方、「ひがし/きた北海道フリーパス」の指定席の利用回数は4~5回にとどまります。そのため、2024年度の「ひがし/きた北海道フリーパス」は、これまでより使い勝手は悪くなってしまっています。

ただし、全車指定席列車で指定席に空席がある場合は、指定席券を持たずとも着席できます。どの特急も混雑区間は札幌を中心としたエリアなので、たとえ全車指定席でも、最混雑区間以外は着席のチャンスがありそうです。

広告

「北海道フリーパス」もあり

「ひがし/きた北海道フリーパス」指定席を使えるのは4~5回と限られますが、札幌圏以外ではそれほど列車は混まないので、3~4日間なら十分な回数でしょう。

一方、指定席が6回まで利用可能でJR北海道全線を利用できる「北海道フリーパス」もあり、7日間で27,430円です。価格、フリーエリアも含めて比較すると「ひがし・きた北海道フリーパス」が必ずしもお得とは限りません。

利用時には、自分の旅程にあわせて検討したいところです。(鎌倉淳)

広告
前の記事函館新幹線の「現実解」を考える。まずは札幌~函館のみでスタートを
次の記事JR北海道「札幌~旭川60分」は実現できるのか? 在来線高速化、新千歳空港は25分!