利尻・礼文・奥尻島航路が値上げ。ハートランドフェリー、新造船も投入

北の離島の運航厳しく

利尻島、礼文島、奥尻島への航路運賃が値上げされます。運航するハートランドフェリーが2018年1月1日に運賃改訂を申請。値上げ率は平均14%にも及びます。

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北の離島航路

ハートランドフェリーは、稚内~利尻島・礼文島、江差・瀬棚~奥尻島といった、北海道の離島航路を運航しています。島の人口減少や少子高齢化などにより、フェリーの利用者はこの15年間で半減。燃料費も高騰しているほか、老朽化した船舶の更新にも迫られています。

そこで、2018年10月26日に、北海道運輸局長に対し、平均14.2%の運賃改定を申請。これは、燃油サーチャージ加算額を含めた現行運賃との比較で、現行届出運賃との比較では平均22.2%の大幅値上げです。運賃の値上げは、1985年以来34年ぶり。燃油サーチャージ加算は2006年から行われています。

ハートランドフェリー
画像:『フィルイーズ宗谷』。ハートランドフェリーウェブサイトより。

島民の運賃は据え置き

稚内~鴛泊(利尻島)は2,240円が2,500円に。稚内~香深(礼文島)は2,470円が2,800円に。江差~奥尻は2,470円が2,860円に。瀬棚~奥尻は1,910円が2,070円になります(いずれも2等自由席)。値上げは2019年1月1日からです。

利尻島や礼文島、奥尻島の3島は国土外縁に位置する国境離島に指定されています。有人離島保全特別措置法に基づいて、国が島民のフェリー運賃を補助しており、島民対象の現行割引運賃は据え置きです。

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新造船も投入

運賃値上げ後、ハートランドフェリーでは、2020年2月に稚内~利尻・礼文島航路で運航している「フィルイーズ宗谷」の代替新造船の就航を予定しています。

ハートランドフェリー新造船
画像:ハートランドフェリープレスリリース

新造船は4,250トンで、現行船「フィルイーズ宗谷」の3,551トンに比べて、約2割も大型化。旅客定員は495名(夏季550名)で、現行船の500名(550名)とほぼ同じです。

旅行スタイルの変化にあわせ、キッズルーム、ベビールーム、バリアフリー設備などを備えます。

横揺れ防止装置なども設置しており、これまでより欠航率を低くさせ、就航率を安定させることができるとしています。

厳しい経営環境が続く北の離島航路ですが、新造船で新たな観光客を呼び込みたいところです。(鎌倉淳)

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