羽田空港からイタリア、トルコ、インドなどに昼間の直行便が誕生します。国土交通省が2020年3月に予定する羽田空港国際線の増便について、配分先を発表しました。
1日50便の増枠
羽田空港の国際線定期便の増枠は、都心上空を飛行する新ルート(都心上空飛行ルート)を解禁することによるものです。1日50便の枠が増え、その全てが国際線に配分されます。具体的な配分先について、国土交通省は2019年9月2日に発表しました。
まず、海外の航空会社には、全体の半分の25便を割り振ります。新たな配分先は、アメリカ、中国、ロシア、オーストラリア、インド、イタリア、トルコ、フィンランド、スカンジナビアの9カ国・地域となりました。「スカンジナビア」は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3カ国で1便分を配分します。
ロシア、オーストラリア、インド、イタリア、トルコ、フィンランド、スカンジナビアは、羽田昼間枠で初めての配分です。インドには、これに加えて、深夜早朝枠を1便配分します。
ANAとJALには?
国内の航空会社には、ANAに13.5便、JALに11.5便を配分します。
ANAは、アメリカ(6)、中国(2)、ロシア(1)、オーストラリア(1)、インド(0.5)、イタリア(1)、トルコ(1)、スカンジナビア(1)。
JALは、アメリカ(6)、中国(2)、ロシア(1)、オーストラリア(1)、インド(0.5)、フィンランド(1)となります。
インドは、深夜早朝枠と組み合わせて、ANAとJALが各1便を運航します。
国別に整理すると?
国別に整理すると、以下のようになります。
アメリカ:24便
中国:8便
ロシア:4便
オーストラリア:4便
インド:2便
イタリア:2便
トルコ:2便
フィンランド:2便
スカンジナビア:2便
均等に配分
羽田空港の国際線は、2010年に本格的に再開しました。2014年に増枠があり、2020年3月が3回目の枠配分となります。今回の増枠により、国際線発着数は年99,000回へ約7割も増えることになります。
前回2014年の発着枠の配分では、経営破綻したJALへの公的支援が業界の競争環境をゆがめたなどとして、ANAに優先的に枠が割り振られました。今回は、輸送実績や提携先の海外航空会社に配慮して、両社に均等に近い形で割り振られています。
アメリカに計34便
今回の発着枠増では、政治的な理由もあり、アメリカ路線に半分が割かれました。前回とあわせたアメリカの発着枠は34便と圧倒的です。
一方で、これまで英仏独の3カ国のみだったヨーロッパ方面で、ロシア、イタリア、フィンランド、スカンジナビアに配分されています。
インド、トルコといった南、西アジアにも羽田昼間路線が初登場することもトピックスでしょうか。一方、前回で主な国へ配分された東南アジア諸国へは、今回の配分は見送られました。
ミラノ、ローマ、イスタンブールへ!
旅行者的には、人気の高いイタリアやトルコへ、羽田空港から昼間の直行便が誕生することが大きなニュースです。就航都市は未発表ですが、イタリアはミラノとローマ、トルコはイスタンブールが有力でしょう。
イタリアはアリタリア、トルコはターキッシュが就航するとみられます。どちらも、国際線再開後、初の羽田路線です。
スカンジナビアについては、日系(ANA)と外国系(SAS)で、就航都市を分けることになりそうです。(鎌倉淳)