羽田空港直結の大型ホテル・商業施設「羽田エアポートガーデン」が誕生します。バスターミナルも併設し、旅行者の利便性が高まりそうです。
国際線ターミナルに直結
羽田空港直結の複合施設を建設するのは、住友不動産です。施設名称は「羽田エアポートガーデン」。ホテル、レストランのほか、イベントホール、バスターミナルなども備えます。
建物の敷地面積は4万3000平方メートルです。東京国際フォーラムの敷地面積が2万7375平方メートルなので、その約1.5倍の規模ということになります。
場所は羽田空港の沖合展開などにより生じた跡地で、住友不動産が用地を国から50年間借り受けます。国際線ターミナル(2020年3月からは第3ターミナル)に隣接する土地で、多摩川に面します。第3ターミナルや、京急、東京モノレールの駅と直結します。2020年春の開業を予定しています。
高級ホテルと最高級ホテル
「羽田エアポートガーデン」の中核施設となるのは、ホテル「ヴィラフォンテーヌ」です。住友不動産が運営し、高価格帯の「ヴィラフォンテーヌ グランド」と最高級の「ヴィラフォンテーヌ プレミア」の2つのホテルが入ります。
「ヴィラフォンテーヌ グランド羽田空港」が1,557室で、20平方メートルの部屋が2万円程度。「ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港」が160室で、一室数万円を想定しています。
高級ホテルと最高級ホテルが併設する形で、中級ホテルブランドの「ヴィラフォンテーヌ」はありません。ホテルの総客室数は1,717室で、日本国内の空港周辺では最大規模です。
天然温泉施設
「羽田エアポートガーデン」最上階には2,000平米の天然温泉施設「泉天空の湯 羽田空港」を設置。24時間営業で、飛行機や富士山を眺められる展望露天風呂をはじめ、4種の内湯、3種の岩盤浴や2種のサウナを備えます。
商業施設
商業施設としては、「ショッピングシティ羽田エアポートガーデン」が開業し、計約90店舗が入ります。飲食施設は230席のフードコートを含め、合計1,600席のレストランが設けられます。ショッピングゾーンでは、土産物屋のほか、ドラッグストアや大型コンビニなどもオープンします。
長距離路線バスも
各地を結ぶバスターミナルも設置します。15停留所を備え、1日約900便が発着します。
大森、蒲田、川崎といった近距離路線、新宿、渋谷、東京駅といった都心路線のほか、白馬、草津温泉などの観光路線、青森、仙台、名古屋、金沢、京都、広島といった地方都市への中長距離路線を網羅します。
舟運計画と連携
さらに、多摩川に位置する船着場と連携し、舟運の活性化もはかります。舟運は、新たな観光・交通の手段として定着させるための社会実験段階ですが、将来的には浅草などへの水運路線の発着地となる可能性もあります。
イベントホール
このほか、羽田エアポートガーデンには、大規模な展示会や国際会議に対応するイベントホール「ベルサール羽田空港」も設けられます。総面積は2,400平方メートルで、約700名収容の大型イベントホールをはじめ、会議室やバンケットを10室備え、会議や催事などに利用できます。
予約可能な駐車場
駐車場は約450台収容で、予約可能です。マイカーで空港を利用したい人には便利でしょう。
羽田エアポートガーデンには、羽田空港にこれまでなかった施設や、不足施設していた施設が詰まっています。国際線ターミナル直結とあって、全体的には訪日客を意識した構成になっていますが、羽田空港から国際線を利用する日本人旅行者にも便利な施設になりそうです。(鎌倉淳)