銀座線01系が営業運転を終了し、引退することが決まりました。最終運転は2017年3月10日です。東京メトロが正式発表しました。
「0X系」シリーズの先陣
銀座線01系は1983年に営業運転を開始しました。営団地下鉄/東京メトロの「0X系」シリーズの先陣を切った、高性能車両の先駆けです。1985年にはローレル賞も受賞しました。
6両1編成とし、合計228両38編成が製造され、日本の首都を代表する地下鉄車両として、長く存在感を発揮してきました。しかし、2012年に1000系が投入され、置き換えが開始されると、次第にその姿を見かけることが減ってきました。そしてついに、3月10日を以て引退することになります。
熊本電鉄に譲渡
最終営業車両は1991年製造の01-130編成。この列車は2017年2月24日まで熊本県の復興を支援することを目的とした「くまモンラッピング電車」として運行しているそうです。最後は、元の姿に戻されて引退、ということになるのでしょう。
01系は、熊本電鉄に4両譲渡されており営業運転しています。そのほか、東京メトロ中野車両基地では3両が動態保存され、地下鉄博物館では運転台だけが保存されています。今後、01系を見ることができるのは、こうした場所に限られます。
「瞬間停電」を消した名車
01系が登場するまで、銀座線には古くさいイメージがありました。それまで走っていた車両はデザイン的にも戦後間もない雰囲気が残っていましたし、第三軌条のセクションを通るたびに瞬間停電が発生したりしていました。
ところが、01系になってアルミ合金製になり、外観が一新。瞬間停電もなくなりました。銀座線には瞬間停電が付き物だと思っていたので、01系になって銀座線も新しくなったなあ、と驚いたことを、筆者は今も覚えています。
デザイン、機能とも先進的で、21世紀になっても、古さを感じさせない洗練された名車両だったと思います。昭和と平成を駆け抜け、営業運転期間は33年でした。え、もうお別れなの? と残念な気がするのは、筆者だけでしょうか。(鎌倉淳)