いよいよスノボ・スキーのシーズン。東京からお手軽な日帰りスキー場として、GALA湯沢へ行くのを楽しみにしている人も多いでしょう。そんなスキー・スノボファンに衝撃のニュース。なんと、2012-2013シーズンは、JR東日本の「GALA日帰りきっぷ」が発売されないことがわかったのです。
「GALA日帰りきっぷ」は、首都圏からガーラ湯沢駅までの往復乗車券・特急券とリフト1日券、レンタル、スクールの割引券がセットになった企画きっぷです。昨年の場合、東京都区内からの価格はA期間(主に平日)12200円、B期間(おもに週末)が13200円でした。出発当日に駅の自販機でも購入でき、すべての上越新幹線列車が利用可能など使い勝手のいいきっぷとして人気でした。
ところが、今シーズンの発売はありません。代わり、というわけなのか、「えきねっとトクだ値」では2012年12月22日~2013年2月28日まで40%割引の「お先にトクだ値」を設定。2013年1月7日~1月31日には50%割引の「お先にトクだ値スペシャル」まで設定しています。「お先にトクだ値スペシャル」を利用した場合、往復で6880円ですので、リフト1日券4500円を加えても11380円。「GALA日帰りきっぷ」よりも安くなっています。40%割引の「お先にトクだ値」で往復8260円。リフト券を加えても12760円ですので、ほぼ「GALA日帰りきっぷ」並みの価格です。
とはいえ、当日・自由席も利用可、出発直前でも購入可だった「GALA日帰りきっぷ」に比べれば利便性が落ちるのは明らかです。なぜ、これほどわかりやすい「改悪」が行われたのでしょうか。
その理由ははっきりとしませんが、最近のJR東日本は「お得なきっぷ見直し」を行っています。今回の「GALA日帰りきっぷ」の廃止も、その流れの中にあるのかもしれません。「GALA日帰りきっぷ」は優れたきっぷですが、リフト券付きなのに越後湯沢を往復する運賃・料金より安い、という問題点がありました。つまり、GALAでスキーをしない客までがGALA日帰りきっぷを購入して越後湯沢を往復するケースがあったのです。そういう場合でもJRは売上の何割かはスキー場に支払わなければならないので、JRにとっては割に合わないきっぷだったのは確かです。
ただし、GALA湯沢はJR東日本のスキー場です。そのため、売上の一部を払うくらいはかまわないはず、という考えも当然成り立ちます。そもそもこのきっぷ、GALAの経営支援的な意味で始まったという経緯もあったようです。にも関わらず廃止されたのは、GALAの経営が順調になったからかもしれません。
また、「GALA日帰りきっぷ」と似た商品としてJR東日本の旅行会社「びゅうプラザ」が「ワンデーGALA」という旅行商品を出しています。「GALA日帰りきっぷ」より制約が多く、みどりの窓口で購入できず、「とき」にも乗車ができないなど使い勝手は悪いですが、週末でも12500円払えば、「GALA日帰りきっぷ」とほぼ同内容の特典を受けられます。「GALA日帰りきっぷ」が廃止されても「ワンデーGALA」は存続しているので、今後は「ワンデーGALA」に一本化する、という経営判断ともいえます。「びゅうプラザ」の旅行商品の販売額や送客人員は2007年~2008年をピークに減少に転じており、そのテコ入れの意味もあるのかもしれません。
いずれにしろ、列車変更可能、「とき」にも乗車可能で利便性の高い「GALA日帰りきっぷ」の廃止は、利用者にとっては痛手でしょう。このきっぷの廃止で、今シーズンのGALAがどう変わるのか。あるいは、「たにがわ」の自由席の混雑がどう変わるのか、注目せざるをえません。