今年はいくつかの北海道のスキー場で滑りましたが、最も質が高いゲレンデと感じたのが富良野スキー場でした。今回は、富良野スキー場についてレビューして、滑ってみた感想などを書いてみましょう。
羽田から4時間で着ける
富良野スキー場で何より素晴らしいのは、首都圏からの近さです。旭川空港からバスで約1時間。旭川空港はフライトが少ないので、飛行機に接続する形でスキーバスが設定されています。そのため、空港での待ち時間も少なく、たとえば羽田を11時30分の飛行機で出ると、15時30分にはゲレンデサイドのホテルに着くことができます。羽田から所要4時間です。
これがニセコだと、同じ時間帯の羽田便に乗っても、新千歳空港でスキーバスを待たされて、2、3時間もバスに乗り、ゲレンデサイドに着くのが17時30分頃になってしまいます。羽田から所要6時間かかります。
東京からの実距離ではニセコより遠い富良野ですが、時間距離では逆に近いといえます。特に、帰宅日に夕方16時頃まで滑っても、その日のうちに東京に帰れるのは便利。都心に勤めるサラリーマンでも、金曜の午後に半休を取って羽田を出れば、土日はまるまる滑れます。
バランス良いゲレンデ構成
スキー場の質も、富良野は高いといえます。これもニセコと比較すると、雪質はあまり違いはありませんが、ゲレンデが初級から中級までバランス良く配置され、よく整備されています。筆者のような中級レベルでもほとんどのコースを滑れますし、コースの選択肢も豊富で、飽きずに滑れるバリエーションでした。ニセコは全山のバリエーションは豊富ですが、ニセコグランヒラフやビレッジなど個別で見ると、意外とコースの選択肢が少ないという難点があります。
ただし、ニセコはコース外滑走が条件付きで認められています。富良野は一切認められていません。その違いは大きいでしょう。また、富良野は二つのゲレンデを接続するコースにフラットな部分があり、スノーボーダーには滑りにくい構成になっています。パークもほとんどなく、スノーボーダーには魅力があまりありません。
ということで、富良野は「コース外滑走をしないスキーヤー」にはとても快適なゲレンデです。そのせいか、スキーヤーの比率が他のスキー場に比べて高く、外国人比率はニセコに比べるととても低くなっています。外国人はコース外を滑ることに魅力を感じる人が多いようなので、その点、富良野は外国人人気はそれほどでもなく、いてもファミリーが多かったように思えます。
ゲレンデと集落を結ぶバスを
ちょっと大げさにかけば「伝統的スキーヤーのための最高のゲレンデ」。それが富良野ではないでしょうか。富良野は伝統的なスキーの楽しさを再認識させてくれるゲレンデです。また、広くよく手入れされているので練習にも向いています。ニセコヒラフのような騒々しさもなく、静かに快適にすごせるのも魅力でしょう。
あえて提言をすれば、「ニセコユナイテッドシャトル」のような、ゲレンデサイドの集落を回るバスがあれば便利でしょう。ホテルに籠もりがちなアフタースキーを充実させることができれば、富良野のリゾート全体の魅力を高めることができるのではないでしょうか。