東海道・山陽・九州新幹線のインターネット予約サービス「EXサービス」の新サービスが発表されました。概要をみてみましょう。
新旅行商品と1年前予約
JR東海、JR西日本、JR九州の三社は、「EXサービス」の新サービスを発表しました。
「EX旅パック」「EX旅先予約」という2種類の旅行商品と、新幹線の1年前予約です。
EX旅パック
最初に、「EX旅パック」についてみてみましょう。新幹線とホテルなど宿泊施設をセットにした旅行商品です。
いわゆるダイナミックパッケージですが、既存の同種商品と異なる点として、チケットレス乗車が可能で、予約した新幹線を乗車直前まで変更できることが挙げられます。
旅行の途中でも列車変更が可能なので、旅先でのスケジュール変更を柔軟におこなえます。
商品は、「EXダイナミックパック」と「EXこだわりツアー」の2種類があります。
ダイナミックパックとこだわりツアー
「EXダイナミックパック」は、列車・宿泊施設を自由に組みあわせて予約できる旅行商品です。
「EXこだわりツアー」は、テーマ性を持った観光施設や宿泊施設などを、個別に探す手間なく、新幹線とのパッケージで予約できる旅行商品です。
「ダイナミックパック」はシンプルな「新幹線+宿」の商品、「こだわりツアー」は、観光とセットになった商品、という違いのようです。
いずれも、ジェイアール東海ツアーズと日本旅行が主催する募集型企画旅行商品という位置づけです。
EX旅先予約
EX旅先予約は、宿泊施設、観光プラン、レンタカー、観光タクシーなどについて、EXサービス会員向けのプランを用意します。
これらの施設や交通機関などを、EXサービスに登録済のクレジットカードで、EXサービスサイト内で予約・決済を完結できます。
新幹線を予約した場合は、乗車日、到着駅周辺の施設やプランをおすすめしますが、新幹線の予約がなくても購入可能です。
つまり、新幹線利用と切り離された、旅先での旅行商品レコメンド・販売システムと捉えればよさそうです。
1年前予約
「EX予約」「スマートEX」で、新幹線の指定席を1年前から購入できるようになります。
これまで、JR各線の列車予約は、一部団体旅行を除き、1ヶ月前が予約解禁日です。個人購入で1年前の予約・購入が可能になるのは初めてです。
1年前の発売では、仮の運行ダイヤから希望列車を選べます。列車番号、発着時刻、座席番号が確定するのは1ヶ月前です。また、1年前予約ができるのは、一部商品に限ります。
利用者には恩恵
いずれの新サービスも、実施は2023年秋からです。新サービス開始後の、各サービスの役割分担は下図の通りです。
詳細は未発表ですが、もっとも注目したいのは、予約変更可能なダイナミックパッケージ「EX旅パック」でしょうか。
これまでのダイナミックパッケージは、列車変更ができないというデメリットがあるもののの、そのぶん安い、というイメージでしたので、新商品は、そうした常識を打ち破る新商品といえます。
新幹線のダイナミックパッケージでは、「乗り遅れたら自由席利用可」というプランを出している旅行会社もあります。これに対して、EXでは「乗り遅れそうなら変更可」というプランを打ち出したわけで、利用者にとっては選択肢が増えてうれしいところです。(鎌倉淳)