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東海道・山陽新幹線「EX-ICカード」「EXご利用票」を廃止。EX予約に一つの転機?

改札システムの更新視野か?

東海道・山陽・九州新幹線の有料予約サービス「エクスプレス予約」で、「EX-ICカード」での乗車サービスを終了します。また、改札通過時に発行される「EXご利用票」の発行も終了します。EX予約サービスに、一つの転機が訪れているのかも知れません。

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エクスプレス予約専用のICカード

エクスプレス予約は、東海道・山陽・九州新幹線の有料会員制のインターネット列車予約サービスです。EX-ICカードは、入会時に配布されるエクスプレス予約専用の乗車用カードで、他の交通系ICカードと同様、乗車時に自動改札機にかざすことで利用できます。

EX-ICカードが導入されたのは、2008年3月に導入です。新幹線のチケットレス乗車の先駆けで、エクスプレス予約の特権ともいえる乗車方法として人気を博しました。

しかし、2017年に交通系ICカードで東海道・山陽新幹線に乗車できる無料会員制の「スマートEX」サービスを開始。2021年3月には、エクスプレス予約でも交通系ICカードによる乗車サービスを開始しました。

この時点で、EX-ICカードの存在価値は低下。ここ数年は、EX-ICカードと交通系ICカードの使用が併存されてきましたが、最終的に、EX-ICカードによる乗車サービスを終了することになったわけです。これにより、エクスプレス予約、スマートEXともに、交通系ICカードによる乗車サービスに統一されます。

EX-ICカードによる乗車サービスの終了は、2027年夏ごろです。これに先立ち、2026年夏ごろをめどに、EX-ICカードの新規発行と、再発行の受付も終了します。

EX-ICカード
画像:エクスプレス予約ウェブサイトより
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「EXご利用票」も廃止へ

東海道・山陽・九州新幹線では、「EXご利用票(座席のご案内)」の発行も終了します。

「EXご利用票」は、チケットレス利用の際、自動改札機通過時に発券される券片で、乗車列車の予約情報や座席位置などが記載されています。エクスプレス予約のほか、スマートEX利用者にも発行されています。

「EXご利用票」の発行終了は、2026年夏ごろということで、おおむねあと1年後です。「EXご利用票」の代替としては、「EXアプリ」で予約座席を簡単に確認できるサービスの提供を予定しています。詳細は決まり次第発表されます。

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乗車システムの更新視野か

交通系ICカードによるチケットレス乗車が、新幹線でも普及してきた状況をみれば、EX-ICカードを残しておく必要性は小さく、廃止は時間の問題とみられていました。

また、「EXご利用票」は、乗車列車の時刻や座席が示されていて、あれば便利なのは確かです。しかし、チケットレス乗車を導入しているJR東日本系統の新幹線では発行されておらず、なくても事足りることは確かでした。デジタル時代のチケットレス乗車に取り残されたアナログ券片ともいえます。

こうしたことから、今回、それぞれの廃止発表に、それほど大きな驚きはありません。

ただ、なぜこの時期か、いう点に関しては、理由がありそうです。おそらく、東海道新幹線の改札システムの更新が予定されていて、ICカードやチケットレス乗車の仕組みに何らかの変更が加わるのでしょう。そのタイミングにあわせて、役割を終えた古い仕組みを終了する、と考えられます。

おりしも、JR東日本では、Suica改札システムについて、センターサーバー方式を採用した新しい方式に更新中です。JR東海でも、今後、改札システムや乗車システムについて、新たな動きが発表される可能性があります。今回の発表は、EXサービスが一つの転機を迎えたことを示唆しているのかもしれません。(鎌倉淳)

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