11位 特急「ひだ」がHC85系に統一
JR東海は、2022年7月以降、高山線特急「ひだ」に新型車両HC85系を順次投入してきました。2023年3月改正以降は、全定期列車がHC85系での運転となります。
大阪発着の「ひだ」も存続しますので、大阪駅にHC85系がお目見えすることになります。
一方、「ワイドビュー」で知られた現行のキハ85系は、高山線の定期運用からは引退します。「南紀」での運用は続きますので、しばらくは姿を見ることができるでしょう。
12位 富良野線が全列車H100形に
道内のローカル区間に着々と投入されているH100形電気式気動車が、2023年3月ダイヤ改正を機に富良野線で運行を開始します。
富良野線の38本すべてをH100形に置き換えるという大がかりな更新です。現在運用されているキハ54形やキハ150形が、富良野線から姿を消します。
JR北海道のローカル線の車両は老朽化が問題になってきましたが、H100形の大量投入で一段落を迎えつつあります。もちろん、利用者としては喜ばしいことでしょう。
ただ、古い気動車が道内各地から姿を消しつつあることについては、昔ながらの旅行者には寂しい気がします。
13位 「のぞみ」速達化
東海道新幹線「のぞみ」は、現在、東京~新大阪間を2時間22分~2時間30分で結んでいます。
2023年3月ダイヤ改正で、2時間30分で運行している定期「のぞみ」17本を2時間27分で運行します。また、2時間27分で運行している早朝・夜間時間帯の上り定期「のぞみ」2本を2時間24分とします。合計で19本の定期「のぞみ」を速達化します。
東京~新大阪間の「のぞみ」は、全列車で停車駅が同じですし、所要時間の数分の相違を気にする人はあまりいないとは思います。それでも、こうした積み重ねで、所要時間が短くなっているというわけです。
なお、東京~広島間では、臨時も含め、全ての「のぞみ」が4時間以内の運転となります。
14位 新横浜始発の「のぞみ」が登場
相鉄・東急新横浜線の開業にあわせて、JR東海が新横浜始発の臨時「のぞみ」を設定します。新横浜発06時03分発の「のぞみ491号」です。06時00分発の「ひかり533号」に続行して出発します。
新横浜始発の新幹線の強化は、相鉄・東急新横浜線開業と連携したもので、渋谷、目黒、海老名、湘南台の各駅から始発に乗れば、新横浜始発の「のぞみ」に間に合うダイヤが組まれました。
JR東海が、新線開業にあわせて臨時「のぞみ」を設定したことは、この新線の存在を重視していることの表れともいえます。相鉄・東急とJR東海のこうした形での連携には小さな驚きもあって、ランクインとなりました。
15位 山陽・九州新幹線でダイヤ均等化
山陽新幹線や九州新幹線では、昼間時間帯でパターンダイヤを導入し、各駅での停車列車と発車時刻を統一します。
山陽新幹線では、新山口駅に「のぞみ」が、徳山駅に「さくら」が、それぞれ毎時1本停車する形になります。また、「こだま」も含め各駅での発車時刻を統一します。
博多~小倉間では、発車間隔を均等化します。日中時間帯の最大発車間隔はおおむね20分になります。
博多駅からの九州新幹線は、01分発が「さくら」、36分発が「つばめ」と均等化します。
パターンダイヤは、利用者にわかりやすくするために、近年、とくに地方都市の近郊路線で導入が進んできました。新幹線においても、ある程度はパターン化していましたが、それを「均等化」と称してはっきり打ち出してきたことには斬新さを覚えます。
16位 「ひかりレールスター」が絶滅寸前
「ひかりレールスター」は、現ダイヤで、小倉06時07分発岡山行き「ひかり590号」と、博多06時16分発新大阪行き「ひかり592号」の2本だけです。
このうち、「ひかり590号」は、新ダイヤで新下関始発に変更されます。「ひかり592号」は「こだま」に格下げとなり、「こだま840号」になります。
新たな設定がなければ、新ダイヤで「ひかりレールスター」は、新下関06時11分発岡山行き「ひかり590号」が残るだけとなります。
詳細がアナウンスされたわけではないので不確定ですが、新ダイヤで「ひかりレールスター」が九州から姿を消すことになりそうで、いよいよ絶滅寸前となります。
17位 山陽新幹線と四国方面の接続改善
JR四国は、今回のダイヤ改正で大きなトピックスはありません。最大のニュースとなっているのが、岡山駅での瀬戸大橋線と山陽新幹線の接続改善です。
この程度のトピックスは、ランキングに入れるほどではないような気もしますが、JR四国ではほかに取り上げるネタがないので入れておきます。
接続改善により、東京~高松は平均6分短縮し4時間24分に。新大阪~高松は平均4分短縮し1時間55分に。新大阪~松山は3分短縮し3時間43分になります。
18位 「イオンモール新駅」が2駅開業
2023年3月ダイヤ改正による既存路線の新駅開業は、京葉線幕張豊砂駅、田沢湖線前潟駅の2駅です。
幕張豊砂駅は、京葉線の新習志野~海浜幕張間に開業します。イオンモール幕張新都心に隣接し、幕張エリアの新たな玄関口となります。京葉線の各駅停車(武蔵野線直通列車を含む)が停車します。快速は通過するようです。
前潟駅は、田沢湖線の盛岡~大釜間に開業します。こちらはイオンモール盛岡に隣接します。
幕張豊砂、前潟の両駅ともイオンモールに隣接し、イオンが整備費の一部を負担しているという点で共通しています。
鉄道沿線に商業施設を建設し、施設の事業者が費用の一部を負担する形で請願駅を設置するというのは、鉄道利用促進という側面でみれば、ひとつのモデルケースといえるかもしれません。
新駅としては、このほか、大阪駅うめきたホームも挙げられそうですが、大阪駅の一部に組み込まれたので、扱いとしてはホーム増設といえそうです。また、新線開業にともなう新駅開業としては、東急新横浜線の新綱島駅も該当します。
19位 北海道ボールパーク輸送開始
2023年3月に北広島市に新球場「エスコンフィールド HOKKAIDO」がオープンし、日本ハムファイターズが本拠地を構えます。これにあわせて、JR北海道は最寄り駅となる北広島駅を改修し、野球の試合の観客輸送を開始します。
新ダイヤでは、ナイター開催時の終了時間帯に、北広島駅始発の札幌行き臨時快速列車を6本運転します。うち1本は、試合終了時刻にあわせた臨時快速列車です。また、「特別快速エアポート」も、ナイトゲーム開催日には札幌行きの2本が北広島駅に臨時停車し、観客輸送を支えます。
北広島駅を 20時以降に発車する札幌方面行き列車については、すべて6両編成となります。
ダイヤ全体への影響は小さいですが、利用者が増えるという点で、JR北海道には明るい話題です。ただ、線路容量の厳しい千歳線としては、やりくりも大変そうですが。
20位 「JR・東武直通特急」が減便
新宿~日光・鬼怒川温泉間で運転されている「JR・東武直通特急」の定期列車が減便となります。これまでの1日4往復から2往復と半減です。一方で、不定期列車が3往復設定され、利用変動に対応するダイヤとなりました。
週末には混雑している観のある「JR・東武直通特急」ですが、平日の利用が振るわない様子です。他の都市近郊特急が、通勤時の着席サービスにも力点を置きつつあるなかで、「JR・東武直通特急」が観光利用をメインターゲットに据えつづけるのであれば、平日減便は仕方ないのかもしれません。
不定期列車も含めて「スペーシア」は1往復だけで、日光発着となりました。新宿~鬼怒川間の「スペーシアきぬがわ」は運転がなくなります。
疑問点として、不定期列車を含めれば1日最大5往復の運転となるので、東武車両による運転があと1往復はありそうですが、その車両が明らかではありません。リバティを充当するのでしょうか?