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テレビ東京「コンテナ船に乗せてもらいました」が面白かった。一般人が乗れない乗り物ルポ

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日本からヨーロッパへ向かう大型コンテナ船に同乗するバラエティ番組が放送されました。一般人が乗りたくても乗れない、貨物船という世界の一端が垣間見られて、なかなか興味深いルポでした。

40日間密着

鉄道やバスに乗るテレビのバラエティ番組はとても多いですが、船に乗る番組は少なく、貨物船となると皆無に近いです。ましてや、日本とヨーロッパを結ぶ長距離コンテナ船のルポ番組を、見た記憶はありません。

そうした、かなりレアなコンテナ船の長期密着番組が、2018年10月7日に放映されました。テレビ東京「日曜ビッグバラエティ」枠の『日本→欧州20000km“巨大コンテナ船に乗せてもらいました!”TV初密着SP』という長いタイトルの番組です。

巨大コンテナ船に乗せてもらいました!
画像:テレビ東京

テレビ東京『日本→欧州20000km“巨大コンテナ船に乗せてもらいました!”TV初密着SP』
出演:石原良純、キャイ~ン(ウド鈴木・天野ひろゆき)、神田愛花
2018年10月7日放送

乗組員は24人

取材したのは日本郵船(NYK)の「アドニス号」。2010年建造で、全長332.1m、総トン数10万5644トンという、巨大なコンテナ船です。この日の積み荷コンテナは3,662本。東京の大井コンテナターミナルで、20時間かけて積み込んでいました。

航路は東京を出発して、シンガポール、ジェッダ(サウジアラビア)、ロッテルダム(オランダ)、サウサンプトン(イギリス)を経てル・アーブル(フランス)に至る2万km。40日間の航海です。

乗組員は日本人とフィリピン人の24人。わずか24人で、こんな巨大な船をヨーロッパまで運航していくのですから、まあすごいものです。

最近の日本の船会社の外洋船は、船長、機関長以下の数名が日本人で、他の乗組員の多くは外国人だと聞きます。この番組でも、日本人は数名のようでした。

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居住性は良さそう

番組では、コンテナ船の仕組みや、船内設備、船員の仕事や余暇などを紹介しながら、航海の様子をルポしていきます。

各船員の居住スペースは個室で、各部屋ともシャワー付き。ビジネスホテルの一室のようで、居住性は良さそうです。食事はフィリピン人コックが作り、和食や洋食も供されます。アルコールはビールやワインといった醸造酒のみ、量の制限付きで摂取可。ウィスキーなどの蒸留酒は不可とのことでした。

船内ではときおりイベントがあり、ゲーム大会があったり、南洋でプールが設置されたり、フィリピン料理の豚の丸焼きを作ったりといったシーンが紹介されていました。

ソマリア沖の緊迫

海賊が出没するソマリア沖では、万一に備え緊迫した航海の場面も映されています。自衛隊の哨戒機と連携を取りながら、ソマリアとイエメンの間のアデン湾を抜けていきます。レーダーで海賊とおぼしき小舟に気を配り、双眼鏡で見定めます。こうした緊張感は、映像による密着取材でなければ伝わらないでしょう。

サウジの法律に備えてジェッダ到着前にはポルノ(と解釈される)本などを封印。その後進んだスエズ運河の通航料は、この規模の船で4000万円もするそうです。

アドニス号は1日550万円分の燃料を消費するので、それでもスエズ運河を通ったほうが安いのでしょう。そういう計算もされた上で、高額な通航料が設定されているわけです。その後の航海は順調で、大きなハプニングもなく、無事ヨーロッパに到着しました。

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「続編に期待」はしにくいけれど

個人的なことですが、鉄道や飛行機の番組だと、見る前から知っていることが多いのですが、コンテナ船の事情は何も知らないので、新鮮さがありました。

また、鉄道やバスの情報はウェブにも溢れていますが、外洋の大型貨物船となると、調べてもわからないことが多く、航行中の様子を伝えるブログも見当たりません。とにかく知らないことだらけで、一般人が乗れない乗り物のルポは、やっぱり興味深いのです。

外洋船は、風景が変わらないことから、テレビ番組にはあまり向いていません。船内作業も、船会社や船体によって大きく変わるわけでもないでしょう。ですから、第2弾を作っても似たような番組になりそうなので、「続編を期待!」とは安易には書けません。

それでも「別の船のルポも見たい」と思わせるのに十分な内容でした。(鎌倉淳)


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