中部国際空港セントレアのLCCターミナルが、2019年9月20日開業と決まりました。機能的な新ターミナルの詳細をご紹介しましょう。
空港駅から徒歩7分
中部空港のLCCターミナルの名称は「第2ターミナル(T2)」。現在のターミナルビルは「第1ターミナル(T1)」に変更します。
第2ターミナルの建設場所は空港島南側。名鉄中部国際空港駅のある「アクセスプラザ」からは550m離れていて、動く歩道を利用して徒歩7分ほどです。バス・タクシーはターミナル前面に設けられる乗降場から徒歩1分。マイカーを置ける立体駐車場からは徒歩2分です。
ターミナルは2階建てで、本館とサテライトの2棟構成です。延床面積は約45,000平方メートル。成田空港のLCCターミナル(第3旅客ターミナル)の 67,000平方メートルに比べ、約3分の2の規模です。
自動手荷物預入機も
中部空港の第2ターミナルは、1階が到着、2階が出発と分けられています。1階にあるチェックインロビーは、滑走路をイメージした広い通路を設け、視覚的にわかりやすい導線とします。
チェックイン施設には、自動チェックイン機にくわえ、自動手荷物預入機を導入。日本のLCC向けターミナルとしては初めてです。搭乗までの手続き時間を短縮します。
第2ターミナルの保安検査場では、スマートレーンを導入。同時に複数人が同時に検査設備を利用することができ、準備に手間取っている旅客の追い越しが可能です。高性能X線機器など、最新の保安検査設備も導入します。
制限区域には大規模な免税店エリアを設置します。LCCでは機内食が有料なので、出発前の飲食エリアも充実させています。
国際線、国内線で変更可能
サテライトには10スポット、14ゲートを設けています。
飛行機の搭乗には、ボーディングブリッジではなく、ボーディングルーフを使います。ゲートから駐機場をつなぐ、風雨よけの伸縮通路です。搭乗客は、ゲートから少し離れた場所に駐機中の飛行機に、徒歩で搭乗します。
国際線の乗継検査場も設けられました。1階に到着した国際線旅客は、乗継検査場を経て2階の国際線出発ロビーに直接出られる構造になっています。
ユニークな点として、第2ターミナルは空港施設が国際線・国内線で変更可能な構造になっています。チェックインカウンターや保安検査場、搭乗ゲートは、国際線・国内線のどちらにも使えることができ、ピークに合わせ変更できます。限られた施設を最大限に利用する工夫といえます。
国際線使用料は1,280円
旅客施設使用料は、出発時に国際線で1,280円、小児は640円の予定です。最近の大空港の施設利用料は高騰していて、2,500円以上が相場になっていますので、それに比べれば抑えめな価格といえます。国内線の施設利用料は未定です。
キャパシティは、国際線300万人、国内線150万人で、年間450万人の旅客が利用できます。将来は800万人規模まで受け入れ体制を拡大する構想もあります。
すでにエアアジア・ジャパンやチェジュ航空などが、第2ターミナルの利用を決めています。LCC向けにコンパクトながら使いやすいターミナルとなっていますし、9月の供用開始までに、利用を表明する航空会社は増えそうです。