小田急電鉄、東京メトロ、JR東日本の3社が、相互直通乗り入れに向けて準備を開始することを発表しました。小田急線、メトロ千代田線、JR常磐線緩行線が、3年程度の準備期間を経て乗り入れを行うということです。
同じ仕様の車両を導入済み
現在の千代田線は、代々木上原駅で小田急線、綾瀬駅で常磐線と接続しており、それぞれ相互直通運転を行っています。しかし、小田急の車両は綾瀬駅まで、JRの車両は代々木上原駅までの運転となっていて、3社車両の相互乗り入れは行われていません。
ただ、相互直通運転を前提とした下準備はこれまでにも行われてきました。たとえば、2007年に小田急に導入された4000形車両は、JR東日本のE233系車両をベースにしており、両車両はほぼ同じ仕様です。そのE233系は2009年から常磐緩行線に投入されいて、旧型の203系、207系は姿を消しました。このことから、小田急とJRは、遅くとも2007年頃には相互直通運転の基本的合意をしていたとみられます。そして、両社が相互乗り入れできる車両が十分に整うのが3年後、ということなのかもしれません。
2017年度にダイヤ大改正か
ところで、3年後というのは、2016年です。つまり早ければ2016年3月のダイヤ改正から、我孫子~唐木田間で3社の車両がどこでも見られるようになります。さらに2017年度には、小田急の代々木上原~登戸間の複々線化が完成します。この2017年度には小田急線で抜本的なダイヤ改正が行われるはずで、その際に、本格的な3社乗り入れが開始される可能性が高いでしょう。
ダイヤに関しては発表されていませんが、日中の千代田線の運転間隔が6分から5分に、常磐緩行線が12分から10分に、それぞれ短縮されるとみられます。
千代田線は5分間隔に
現在、小田急線ダイヤは日中10分間隔がベース。一方、千代田線・常磐緩行線は日中6分間隔です。この運転間隔の違いもあってか、日中の千代田線・小田急線の直通乗り入れは6と10の最小公倍数である30分間隔になっています。小田急としては、代々木上原までの複々線完成後、千代田線に多数の列車を流し込まないと設備を活かしたダイヤを組むことができません。そのため30分間隔といわず、少なくとも10分間隔で直通を実施したいところ。となると、千代田線・常磐緩行線も5分間隔の運転にしなければ効率的なダイヤを組めません。
また、常磐緩行線も、現在の12分間隔は利用者から不評で、これを10分間隔にすることに関しては前向きです。小田急、JR両社の思惑が一致し、東京メトロも足並みを揃えて千代田線5分間隔化が実現するようです。その場合、現在の小田急線「多摩急行」が大増発されるという報道もあります。それが事実なら、唐木田発我孫子行きが毎時6本運転される日が来るかもしれません。