「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第8弾 熊本城~平戸城を分析する。甘い罠に気をつけて!

ニュー太川、ゆる軍曹

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鉄道チームの検証

次に鉄道チームの検証です。最初に実際ルートを再掲しておきます。

▽1日目(実際ルート)
熊本城→徒歩1.0km→段山町11:18→11:24上熊本11:50→12:30荒尾→徒歩4.1km→14:08グリーンランド*15:20→徒歩4.1km→16:20荒尾16:38→16:46長洲→徒歩1.8km→17:12長洲港17:15→フェリー1,350円→18:00多比良港→徒歩0.6km→多比良18:35→19:25諫早19:40→20:13長崎/長崎駅前20:23→20:34思案橋→徒歩0.4km→史跡料亭花月*→徒歩0.4km→思案橋→長崎22:34→22:44道ノ尾→タクシー3.6km、1,780円→ヤスダオーシャンホテル

▽2日目(実際ルート)
ヤスダオーシャンホテル06:50→徒歩4.7km→ベイサイドハウスモア*08:55→徒歩+タクシー1,090円、計4.7km→時津港(ヤスダオーシャンホテル)09:40→高速船2,250円→10:05長崎空港→タクシー1,570円+徒歩2km、計5.1km→10:52竹松10:58→11:40早岐12:39→12:51有田→徒歩1km+タクシー3.8km、1,210円→有田ポーセリンパーク*14:37→徒歩4.6km→15:46有田15:51→16:14伊万里17:03→18:09たびら平戸口→タクシー750円+徒歩、計4.4km→平戸城

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市電を乗り逃さなかったら

鉄道チームで最初に気になったのは、熊本城でのんびりしてしまい、段山町で熊本市電を乗り逃したことでしょうか。仮に、これに乗れていたらどうだったでしょうか。

▽1日目
段山町11:03→11:09上熊本11:15→11:55荒尾

このように、実際ルートより35分早く、荒尾駅に着けます。グリーンランドにも30分ほど早く着けたでしょう。ということで、その後、実際ルートから30分繰り上げて乗り継ぎを見てみると、以下のようになります。

▽1日目
段山町11:03→11:09上熊本11:15→11:55荒尾→徒歩4.1km→グリーンランド*→徒歩4.1km→荒尾16:09→16:16長洲→徒歩1.8km→長洲港17:15→フェリー→18:00多比良港

長洲港からの有明フェリーで実際ルートに収斂します。長洲港発の一本早いフェリーは16時20分発なので、30分繰り上げても間に合いません。つまり、熊本市電の乗り逃しは、実際ルートをたどる限り、結果に影響がなかったといえます。

ただ、有明フェリーを使わないルートを採るのなら、30分の繰り上げは意味を持ちます。それについては後述します。

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有明フェリーに乗り遅れたら

実際ルートに戻りましょう。鉄道チームにとって、1日目の最大の危機は、有明フェリーの乗船時でしょう。道迷いで遅れそうになり、間一髪で間に合いました。仮に乗り遅れていたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目
長洲港18:10→フェリー→18:55多比良港→徒歩0.6km→多比良19:43→20:35諫早20:43→21:27長崎

実際ルートより、1時間あまり遅く長崎駅に到着します。料亭花月への到着は22時近くになるでしょう。前述の通り、料亭花月の到着時刻としては想定内と思われますが、長崎発22時34分の列車で道ノ尾には行けなくなります。次の23時23分発もありますが、さすがにそれは待たずに、長崎駅周辺で宿泊となった可能性が高そうです。

有明フェリーを使わなかったら

鉄道チームには、有明フェリーを使わないという選択肢もありました。鳥栖経由で、鉄道だけで長崎市へ向かうことも可能だからです。どういう乗り継ぎになるでしょうか。

▽1日目
グリーンランド*15:20→徒歩4.1km→16:20荒尾16:42→17:43鳥栖18:07→19:59早岐20:13→21:44長崎

このように、長崎着が実際ルートよりも1時間半遅くなり、料亭花月の到着時刻は22時すぎになってしまいます。ミッションの門限が問題ないとしても、やはり長崎宿泊で1日目を終了したことでしょう。

鳥栖経由の先着ルート

ここで、前述の熊本市電の乗り逃しを思い出してみましょう。もじ、段山町で一本早い市電に乗れていたら、一行の行程が30分繰り上がることは前述した通りです。その場合、鳥栖経由で以下のような乗り継ぎが可能です。

▽1日目
段山町11:03→11:09上熊本11:15→11:55荒尾→徒歩4.1km→グリーンランド*→徒歩4.1km→荒尾16:00→16:49鳥栖16:53→20:13長崎

長崎20時13分着は、実際ルートと同じです。この乗り継ぎを実現できていれば、フェリー代の1,350円をかけず、最速で長崎に着くことができたことになります。

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長崎駅近辺に泊まっていたら

実際ルートに戻ります。1日目、鉄道チームは、長崎市内に泊まるか、時津港のヤスダオーシャンホテルに泊まるかで逡巡し、結局、道ノ尾駅からタクシーを使ってヤスダオーシャンホテルに至りました。

仮に、長崎市内に泊まって、2日目の始発列車に乗っていたら、どのようになっていたでしょうか。

▽2日目
長崎05:47→05:57道ノ尾→徒歩8.3km→ベイサイドハウスモア→タクシー8.3km、概算2,690円→道ノ尾09:23→09:57諫早10:42→11:40早岐12:39→12:51有田

一行が長崎市内に泊まった場合、ヤスダオーシャンホテルで得られる情報に接しなかったはずです。となると、時津港と長崎港を結ぶ高速船に気づかなかった可能性が高いでしょう。そのため、上記乗り継ぎでは、ベイサイドハウスモアから、道ノ尾駅にタクシーで戻り、諫早経由で早岐に至ると仮定しました。

長崎市内に泊まった場合、道ノ尾駅からベイサイドハウスモアまで歩く時間は十分ありますので、実際ルートで使った時津までのタクシー代1,780円を浮かすことができたはずです。結果論でみると、このタクシー代はもったいなかったので、これを浮かせられるなら、それだけで長崎市内に泊まる価値があったように感じられます。

2日目、ベイサイドハウスモアでのカヤックのミッションを終えて出発したのが8時55分頃。タクシーを呼んで道ノ尾駅9時23分発の列車に乗れるかは微妙ですが、乗れれば、有田に到着するのは12時51分で、実際ルートと同じです。

道ノ尾~有田の乗り継ぎ時刻表

ちなみに、道ノ尾~有田間の鉄道乗り継ぎパターンには、以下のようなバリエーションがあります。

*道ノ尾09:23→09:57諫早10:42→11:40早岐12:39→12:51有田
*道ノ尾09:36→09:44浦上10:05→11:40早岐12:39→12:51有田
*道ノ尾10:25→10:32浦上11:03→12:38早岐12:39→12:51有田
*道ノ尾11:22→11:58諫早12:42→13:42早岐14:41→14:52有田
*道ノ尾11:33→11:40浦上12:03→13:42早岐14:41→14:52有田

わかりやすいのは道ノ尾09時23分発の諫早方面行きですが、その後、09時36分発や10時25分発の長崎行きに乗っても、浦上(長崎でも可)にて切り返すことで、有田に12時51分に到着できます。道ノ尾10時25分発に乗った場合でも、早岐で1分乗り換えをこなせば12時51分に有田に到着できるというのは、大きなポイントです。

道ノ尾10時25分発なら、ベイサイドハウスモアを9時に出発してからタクシーを呼んでも、十分間に合います。この場合は、「浦上切り返し」というルートを発見できるかがカギとなったことでしょう。

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高速船を使わなかったら

ヤスダオーシャンホテルに泊まったとして、高速船を使わなかった場合も、有田着は同じ時刻になります。以下のような乗り継ぎです。

▽2日目
ヤスダオーシャンホテル06:50→徒歩4.7km→ベイサイドハウスモア*→タクシー8.3km、概算2,690円→道ノ尾10:25→10:32浦上11:03→12:38早岐12:39→12:51有田

ベイサイドハウスモアから道ノ尾駅までは8km程度で、タクシー代は概算2,690円。高くても3,000円程度で済むでしょう。

これに対し、実際ルートの一行は、時津港まで1,090円のタクシー代を使い、さらに高速船に2,250円を払い、長崎空港から1,570円のタクシー代を使っています。高速船とタクシー代の合計は4,910円にも達しました。

つまり、高速船を使わずに、道ノ尾経由で鉄道を利用していれば、有田の到着時刻は実際ルートと同じなのに、約2,000円のタクシー代を節約できたことになります。

11時発の高速船に乗っていたら

ただ、鬼軍曹は、当初から5,000円近いタクシー代と船賃を想定していたわけではありませんでした。ホテルのカウンターで聞き込んだときは、11時発の高速船利用を見込んで、ベイサイドハウスモアから時津港までと、長崎空港から竹松駅までを歩く想定で、スタッフに時刻を尋ねています。

この場合、時津港までのタクシー代と、長崎空港からのタクシー代はかかりません。つまり、ベイサイドハウスモア~竹松間で、費やすお金は高速船代の2,250円のみと見積もっていたのです。となると、ベイサイドハウスモアから道ノ尾駅までのタクシー代よりも安いので、「安くて早い高速船」と飛びついたわけです。

その場合の乗り継ぎは、以下の通りです。

▽2日目
ヤスダオーシャンホテル06:50→徒歩4.7km→ベイサイドハウスモア*→徒歩4.7km→時津港11:00→高速船2,250円→11:25長崎空港→徒歩5.1km→竹松12:59→13:42早岐14:41→14:52有田

このように、有田到着は実際ルートより約2時間遅くなります。タクシー代は温存できますが、これでは、勝ち目はありません。つまり、11時発の高速船に乗る「当初案」で進んでいたら、その時点で負けが確定していたでしょう。

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「2時間短縮」の根拠

ところで、鬼軍曹は9時40分発の高速船を利用することで、「2時間早く着ける」と胸を張っていました。この「2時間」は何を指すのでしょうか。

上述の11時発の高速船に比べて2時間早く着ける、という意味にも受け取れますが、ナレーションでは「列車を使わず、船に乗る作戦で、チェックポイントの最寄り駅まで2時間以上の短縮」としています。

となると、11時の高速船ではなく、道ノ尾駅11時22分発の列車に乗った場合との比較のようにも思えます。道ノ尾11時22分発の列車に乗ると、有田着が14時52分で、実際ルートの12時51分より約2時間遅くなるからです。

つまり、鬼軍曹は、道ノ尾9時23分発の列車に乗れないなら11時22分発となり、有田着が14時52分になるところ、高速船利用で12時51分に到着できた、と考えていた可能性もあります。

しかし、現実には、前述の通り道ノ尾10時25分発の長崎行きに乗れば、浦上で切り返すことで有田12時51分着は可能です。となると、鬼軍曹は、浦上で切り返す乗り継ぎを発見できていなかったのかもしれません。

道ノ尾10時25分発に気付いていなかったとすれば、高速船利用を選択した後押しになったと考えられます。道ノ尾09時23分発に乗るのは難しく、11時22分発を待つくらいなら、時津港から高速船に乗った方が2時間早く着けると計算したのでは、ということです。

竹松まで先を急がなかったら

鉄道チームのルートからすると、鬼軍曹は、長崎駅で有田までの時刻表を確認する機会があったはずです。しかし、オンエアを見る限り、確認していなかったように感じられます。

このことは、実際ルートの高速船で長崎空港に10時05分に到着した後、竹松10時58分の列車に乗ることにこだわって、タクシーを使ったことからもうかがえます。この列車は早岐での乗り継ぎが悪いため、竹松を1時間後に出る列車でも有田着は同じになるので、長崎空港からタクシーを使ってまで乗る必要はなかったのです。

長崎空港~竹松を歩いた場合、以下のようになります。

▽2日目
時津港09:40→高速船2,250円→10:05長崎空港→徒歩5.1km→竹松11:57→12:38早岐12:39→12:51有田

有田までの乗り継ぎ時刻表を知っていれば、長崎空港から竹松駅まで5kmを歩き11時57分の列車に乗車して、タクシー代を節約する判断をすることでしょう。

なんであれ、この乗り継ぎなら、高速船を利用したうえで約1,500円のタクシー代を温存して、終盤に勝負を賭けられていただけに、惜しまれます。

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有田の先発に意味はあったか

実際ルートに戻ります。鉄道チームにとって、最後のポイントとなったのは、有田からたびら平戸口への列車でしょう。

第4チェックポイントの有田ポーセリンパークのスタッフに調べてもらったところ、有田発15時05分発と、16時30分発を案内されました。

ミッション終了が14時30分頃なので、15時05分発には間に合わないと鬼軍曹は判断、16時30分発を狙います。ただ、途中、早足で歩き、案内されなかった15時51分発に乗ることができました。

仮に、スタッフの案内通り、16時30分発に乗っていたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
有田16:30→16:55伊万里17:03→18:09たびら平戸口

このように、伊万里で実際ルートに追いつきます。つまり、有田で一本早い列車に乗れたことに、意味はありませんでした。

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有田~たびら平戸口の乗り継ぎ時刻表

ちなみに、有田~たびら平戸口間の乗り継ぎパターンを出発時刻順に並べてみると、以下のようになります。

*有田15:05→15:29伊万里15:33→16:41たびら平戸口
*有田15:47→16:01早岐16:05→16:18佐世保16:53→18:13たびら平戸口
*有田15:51→16:14伊万里17:03→18:09たびら平戸口
*有田16:30→16:55伊万里17:03→18:09たびら平戸口
*有田16:54→17:20伊万里17:25→18:40たびら平戸口

有田15時05分発に乗れれば、16時台にたびら平戸口に着くことができますが、それを逃すと、18時09分の到着になってしまいます。

バスチームは、定刻なら18時10分頃に平戸城に着いていますので、鉄道チームがたびら平戸口駅に18時09分に着くのであれば、駅からタクシーを使っても勝利することはできません。バスが遅れないという前提であれば、鉄道チームが勝利するには、有田15時05分発に乗るのが必須条件です。

鉄道チームが早岐から有田に着くのは12時51分が最速なので、有田15時05分発で佐世保に向かうためには、2時間14分の間に、ポーセリンパークまで往復してミッションを完遂する必要があります。

ミッションの時間を1時間と見積もったとして、有田駅~ポーセリンパーク間4.6kmの往復のうち、片道を完全にタクシー利用にすれば、間に合いそうです。すなわち、12時51分に有田に到着し、2,000円程度のタクシー代を残していれば、鉄道チームに勝機はあった、ということです。

有田での勝負手

有田に到着した時点で、鉄道チームのタクシー残金は、1,960円でした。勝つための条件を満たしています。この時点でタクシー代を全額投入すれば、以下のように乗り継げました。

▽2日目
早岐12:39→12:51有田→タクシー4.6km、概算1,610円→13:10頃有田ポーセリンパーク14:10頃→徒歩4.6km→15:00頃有田15:05→15:29伊万里15:33→16:41たびら平戸口→徒歩4.4km→17時40分頃平戸城

ミッションの所要時間を1時間として、ポーセリンパークまでの往路を全部タクシーにして、復路4.6kmを55分で歩ききれば、有田15時05分発に乗れます。たびら平戸口に16時41分着で、そこから4.4kmを1時間で歩くと仮定して、17時40分頃に平戸城に着けるでしょう。これなら鉄道チームが勝利できます。

ここまでの話になると完全な結果論・机上論ですが、有田でタクシー代を使い切る覚悟で勝負に出れば、勝利の女神は鉄道チームに輝いた可能性があった、ということです。

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半額という甘い罠

今回は、バスチームには乗り継ぎの選択肢がほとんどなく、18時10分のゴールはほぼ既定だったといっていいでしょう。有田でもたつけば19時すぎになった可能性もありますが、その確率は僅かだったと思われます。

つまり、鉄道チームが18時より早く着けば勝ち、遅ければ負けです。言葉を換えれば、勝敗の帰趨は、ほぼ、鬼軍曹が握っていたことになります。

その点で、勝敗を分けたのは、やはり時津港からの高速船でしょう。高速船を利用しても勝つ方法はありましたが、利用しなければ資金豊富な状態で有田に到着でき、迷わずタクシー代を大量投入できたので、勝利の可能性が高くなっていたはずです。

鬼軍曹がなぜ高速船を利用したかについては前述しましたが、道ノ尾10時25分発の乗り継ぎに気付いていなかった、という可能性に加えて、ヤスダオーシャンホテルに泊まったが故に提示された、「運賃半額」の魔力でしょう。

実際には、前後のタクシー代を合わせると高く付いてしまったのですが、「半額」という甘い罠に惹かれてしまい、まんまと嵌まってしまったのではないか、ということです。ひょっとすると、鬼軍曹は「おトク」に弱い人なのかもしれません。

鉄道チームの最適解

では、鉄道チームの最適解はどのような乗り継ぎになるでしょうか。一例を挙げてみます。

▽1日目
段山町11:03→11:09上熊本11:15→11:55荒尾→徒歩4.1km→グリーンランド*→徒歩4.1km→荒尾16:00→16:49鳥栖16:53→20:13長崎→思案橋→史跡料亭花月*→長崎泊

▽2日目
長崎05:47→05:57道ノ尾→徒歩8.3km→ベイサイドハウスモア→タクシー8.3km、概算2,690円→道ノ尾10:25→10:32浦上11:03→12:38早岐12:39→12:51有田→タクシー4.6km、概算1,610円→有田ポーセリンパーク*→タクシー4.6km、概算1,610円→有田15:05→15:29伊万里15:33→16:41たびら平戸口→タクシー4.4km、概算1,320円→平戸城

1日目に、熊本市電を乗り逃さずに荒尾に先着し、鳥栖経由で列車を乗り継いでタクシー代を使わないで、長崎市内に泊まります。2日目は、高速船を使わずに手堅く鉄道を乗り継いで有田に至ります。タクシー代を終盤まで温存し、有田と平戸で集中的に使うことで、平戸城に17時前に到着できたでしょう。この乗り継ぎなら、鉄道チームの完勝だったと言えます。

フェリー利用の現実解は?

ただ、バラエティ番組ですので、撮れ高を考慮して、有明フェリーと島原鉄道は、事実上、必須利用だったと考えることもできます。

新型コロナウイルス感染症の状況から、宿の手配を事前に行っていたかもしれません。ならばヤスダオーシャンホテルの部屋をスタッフが抑えていた可能性もあり、鉄道チーム一行はそれを伝えられたのかもしれません。

うがった見方をすれば、高速船も事前に撮影申請していたようであり、それを鬼軍曹が察してしまったとしても不思議はないでしょう。

そう解釈した場合の現実的な解も考えてみます。

▽1日目
段山町11:03→11:09上熊本11:15→11:55荒尾→徒歩4.1km→グリーンランド*→徒歩4.1km→荒尾16:09→16:16長洲→徒歩1.8km→長洲港17:15→フェリー1,350円→18:00多比良港→徒歩0.6km→多比良18:35→19:25諫早19:40→20:13長崎/長崎駅前20:23→20:34思案橋→徒歩0.4km→史跡料亭花月*→徒歩0.4km→思案橋→長崎22:34→22:44道ノ尾→タクシー3.6km、1,780円→ヤスダオーシャンホテル

▽2日目
ヤスダオーシャンホテル06:50→徒歩4.7km→ベイサイドハウスモア*08:55→徒歩+タクシー1,090円、計4.7km→時津港(ヤスダオーシャンホテル)09:40→高速船2,250円→10:05長崎空港→徒歩5.1km→→竹松11:57→12:38早岐12:39→12:51有田→タクシー4.6km、概算1,610円→有田ポーセリンパーク*→徒歩4.6km→有田15:05→15:29伊万里15:33→16:41たびら平戸口→タクシー4.4km、概算1,320円→平戸城

この乗り継ぎの場合、高速船を下りた後、竹松まで歩き、有田ポーセリンパークまで片道のみタクシーを使っています。有田で往復タクシーでもゴールできますが、その場合は、たびら平戸口から平戸城までは徒歩になります。

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理論と現実

今回、制作サイドが想定していたバスチームのゴール時刻は18時10分で、想定通りになったと見ていいでしょう。

これに対し、鉄道チームは、有田15時05分発に乗れれば勝ち、乗れなければ僅差で負け、という設定でした。お互いが最適解で到着した場合は鉄道チームの勝利なので、理論的には鉄道チームが有利だったといえます。

15時05分発に乗るには、有田までに十分なタクシー代を残しておくこと、最終ミッションを順調にこなすことなどが求められます。ハードルが高いとまではいえませんが、15時05分発でなければならないという情報を事前に知ることはできないので、現実的には難しかったのではないか、と思います。

つまるところ、理論的には鉄道チームが有利ですが、現実的にはバスチームが有利、というのが、今回のお題だったのではないでしょうか。そして、現実的な結果に終わった、ということです。

ニュー太川とゆる軍曹

今回の番組で特徴的だったのは、両チームのリーダーの変化でしょう。二人とも、過去の番組の自らの行状を反省し、ルイルイは「ニュー太川」、鬼軍曹は「ゆる軍曹」となり、メンバーへの接し方が柔らかくなりました。

その背景として、3月24日に放送された第6弾の振り返り企画がありそうです。その番組のなかで、両リーダーは過去のVTRを見ながら、自らの態度や言葉遣いを省みていたので、それが今回のロケに活かされたのでしょう。

ただ、両者には微妙な温度差も感じました。ルイルイはゲストへの接し方こそ変えたものの、勝負への厳しさは保っていた印象ですが、軍曹は「鬼」が「ゆる」に変わって、勝負どころで迷いが垣間見えました。とくに、タクシー代の資金管理に甘さが出て、それが、結果に表れたようにも思われます。

もう一つの注目点である乃木坂とNGTのマドンナ対決は、それぞれが持ち味を発揮しました。中井は「炎上」キャラを封印したものの存在感が光りましたし、「正統派」の高山は、アイドルらしい落ち着きを見せ、バスチームに安定感をもたらしました。両チームとも和やかな雰囲気で、安心して見ていられました。

とまれ、今回のバスチームの勝利で、両者の対決は4勝4敗の五分に戻りました。次の戦いが楽しみです。(鎌倉淳)

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