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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第25弾 仙台~中尊寺を検証する【2】どちらに有利な設定だったか

今までになく、歩いてない

「バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」第25弾のルート検証、ここからは鉄道チームのルートを検証してみましょう。

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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第25弾 仙台城~中尊寺を検証する【1】

バスVS鉄道第25弾
Ⓒテレビ東京

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅25 秋のみちのく!紅葉スポット攻略SP
【出演】太川陽介、ハシヤスメ・アツコ、おばたのお兄さん、村井美樹、モモコグミカンパニー、西村和彦
【放送日】2025年10月22日(水) 19時25分~21時54分(テレビ東京系列、見逃し配信あり)

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鉄道チームの検証

最初に、鉄道チームの実際ルートの乗り継ぎを再掲しておきます。以下のようになっていました。

▽1日目(鉄道チーム)
仙台城址09:48→徒歩1.5km→10:09国際センター駅10:16→10:21仙台駅10:48→11:18愛子駅→タクシー7.3km、3,190円→11:33秋保・里センター(☆3,000円)13:47→タクシー7.3km、3,010円→14:01愛子駅14:11→15:16山形駅15:27→15:53寒河江駅→徒歩0.5km→16:07焼肉山牛(☆1,000円、-1,720円)17:20→徒歩0.5km→寒河江駅17:33→17:59山形駅18:02→19:32仙台駅

▽2日目(鉄道チーム)
仙台駅06:00→06:44小牛田駅07:03→07:58池月駅→徒歩0.2km→08:05あら伊達な道の駅(☆1,000円)10:40→徒歩0.2km→池月駅11:25→12:09小牛田駅12:52→13:38一ノ関駅(★)→徒歩2.5km→マクドナルド付近→徒歩0.9km→セブンイレブン一ノ関インター店→タクシー5.4km、2,110円→厳美渓15:10→タクシー22km、7,610円→猊鼻渓(-300円)→猊鼻渓駅17:50→18:22一ノ関駅18:27→18:35平泉駅→タクシー1.5km→18:45中尊寺

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愛子まで歩いていたら

鉄道チームは、仙台城から地下鉄で仙台駅に向かい、仙山線に乗り換えて愛子駅に達しました。そこからタクシーを拾って秋保温泉にいたり、わずかに先着。ボーナス3,000円を獲得しました。

さらに第2チェックポイントでの先着ボーナスを狙い、秋保温泉からタクシーで愛子駅に向かいました。もし、ここで歩いたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目(鉄道チーム)
秋保温泉13:47→徒歩7.3km→愛子駅16:15→17:14山形駅17:33→17:59寒河江駅→徒歩0.5km→18:10焼肉山牛(★)19:20→徒歩0.5km→寒河江駅19:39→20:06山形駅20:35→22:03仙台駅

愛子駅までのタクシー代3,000円を温存できる一方、第2チェックポイントの先着ボーナス1,000円は失います。1日目にミッションはこなせますので、仙台泊は同じです。


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愛子駅まで歩いた場合の2日目

このとき、2日目のタクシー代は、バスチームが1,000円増、鉄道チームが2,000円増で臨むことになります。その場合について、最終局面を実際ルートに基づいてシミュレーションしてみると、このようになります。

▽2日目(バスチーム)
一関駅前15:30→15:51厳美渓17:00頃→タクシー10.2km、3,610円→17:20頃中尊寺

バスチームは、タクシー代が1,000円増えますので、最終局面で厳美渓から中尊寺までタクシーで届きます。そのためゴールも20分ほど早まるでしょう。

▽2日目(鉄道チーム)
13:38一ノ関駅→タクシー8.6km、3,110円→14:10厳美渓14:50→タクシー22km、7,610円→15:25猊鼻渓16:05→タクシー11km、3,740円+徒歩5km→17:20中尊寺

一方、鉄道チームは、一ノ関駅到着時点のタクシー代が、猊鼻渓での賽銭200円を除き14,260円となります。厳美渓、猊鼻渓を鉄道を使わずにタクシーだけで回るには、概算で16,430円が必要で、約2,000円、5km相当が足りません。

逆にいえば、5kmを歩けば、鉄道を使わずに回りきれることになります。このとき「大船渡線に気づかなかった」ことはミスになりません。

その前提で計算してみると、ゴール時刻は、バスチームと同じ17時20分頃になりそうです。最後に早足で進めば、僅差で鉄道チームが勝てる可能性がありました。

要するに、秋保温泉~愛子駅間でタクシー代を節約し、一ノ関駅からタクシーで厳美渓に向かっていたら、最終局面で鉄道を利用せずとも勝てる可能性があった、ということです。

もっとも、地方でのタクシーは、呼んでもすぐに乗れない場合がありますし、シミュレーション通りにはいくとは限りません。可能性としてはあり得た、という話にとどまります。

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新庄ルート

実際ルートに戻ります。一行は、第2チェックポイントも先着し、寒河江駅17時33分発の列車で山形方面に戻りました。乗り継いで仙台に至り、一泊します。

このとき、山形から仙台ではなく、新庄方面に向かうことも検討していました。しかし、新庄~鳴子温泉間の陸羽東線が運休中なので、鉄道チームは乗れません。それを承知で、仮に新庄に向かっていたら、どうなっていたでしょうか。

▽2日目(鉄道チーム)
寒河江駅17:33→17:55北山形駅17:58→19:04新庄駅→タクシー46km、17,000円→鳴子温泉駅

山形駅ではなく、北山形駅で乗り継ぐと、新庄駅に19時すぎに到着できます。そこからタクシーに46kmを乗れば鳴子温泉に、その日のうちに到着できるでしょう。

しかし、タクシー代は17,000円程度が必要です。それだけの資金はありませんでしたし、そもそも高すぎるので、新庄ルートを選択しなかったのは正しい判断だったといえます。


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厳美渓、猊鼻渓のまわり方

実際ルートに戻ります。鉄道チームは13時38分に一ノ関駅に到着しました。そこから厳美渓、猊鼻渓のミッションに挑むわけですが、このまわり方が、今回の最大のポイントであったことは、バスチームと同じです。

こちらもパターンがいくつかあって複雑ですが、ひとつずつ見ていきましょう。前述した通り、一ノ関駅以降で使えるタクシー代は、猊鼻渓での賽銭200円を差し引いて、12,260円でした。

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一ノ関から大船渡線に乗っていたら

実際ルートでは、一行は一関駅から歩いて厳美渓に向かいました。しかし、歩いている途中で、JR大船渡線を使えば猊鼻渓まで鉄道アクセスが可能なことに気付きました。

仮に、最初から、大船渡線の存在を認識していたら、第4チェックポイントはどのようなまわり方が可能だったでしょうか。

まず、一ノ関駅~猊鼻渓間の列車は、以下の通りです。

一ノ関駅12:46→13:16猊鼻渓駅
一ノ関駅14:40→15:14猊鼻渓駅
一ノ関駅16:34→17:04猊鼻渓駅
猊鼻渓駅15:08→15:38一ノ関駅
猊鼻渓駅17:47→18:18一ノ関駅
猊鼻渓駅19:56→20:26一ノ関駅

鉄道チームが一ノ関駅に到着したのは13時38分で、次発の猊鼻渓方面は14時40分発まで待たなければなりません。待って乗車した場合、以下のようになります。

▽鉄道チーム(2日目)
一ノ関駅14:40→15:14猊鼻渓駅→15:20猊鼻渓16:00→タクシー22km、7,610円→16:35厳美渓17:15→タクシー10.2km、3,610円→17:30中尊寺

このように、厳美渓からタクシーを使えば、中尊寺に17時30分ごろにゴールできます。バスチームのゴールが17時45分ですので、こちらも勝てた可能性がありました。

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一ノ関からタクシーで猊鼻渓に向かったら

一ノ関駅で、列車を1時間も待たずに先を急ぐという判断もあり得たでしょう。タクシーで猊鼻渓に向かった場合は、このようになります。

▽鉄道チーム(2日目)
13:38一ノ関駅13:50→タクシー14.2km、5,110円→14:15猊鼻渓→猊鼻渓駅15:08→15:38一ノ関駅→タクシー8.6km、3,110円→16:00厳美渓16:40→タクシー10km、3,610円→16:55中尊寺

猊鼻渓でのミッションが滞らずに終わり、猊鼻渓駅15時08分発の列車に乗れれば、中尊寺に17時頃にゴールできていました。バスチームに1時間近い差を付けて勝利できていたことになります。


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気づいてすぐに一ノ関駅に戻ったら

現実に鉄道チームが大船渡線に気づいたのは、厳美渓に行く途中でした。この時点で呼んだタクシーで、厳美渓に向かわずに、一ノ関駅に戻った場合は、どうなるでしょうか。

▽鉄道チーム(2日目)
13:38一ノ関駅→徒歩2.5km→マクドナルド付近14:20→タクシー700円+徒歩、計2.5km→14:35一ノ関駅14:40→15:14猊鼻渓駅→15:20猊鼻渓16:00→タクシー22km、7,610円→16:35厳美渓17:15→タクシー10.2km、3,610円→17:30中尊寺

このように、気づいたときに呼んだタクシーで一ノ関駅に向かい、14時40分発の列車に乗れれば、勝利できる可能性がありました。大船渡線に気づいた段階で、すぐに切り替えていれば、勝利の可能性は残されていた、ということです。


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先に猊鼻渓に向かっていたら

ここまで見てきてわかるように、先に猊鼻渓に向かい、一ノ関駅14時40分発か、猊鼻渓駅15時08分発のどちらかの列車に乗車できれば、残りの区間はタクシーと徒歩で勝利できていた可能性がありました。

したがって、鉄道チームは、一ノ関到着後、片道鉄道利用で猊鼻渓を先に回っていれば勝てていた可能性が高かったことになります。逆に、先に厳美渓に向かってしまうと、猊鼻渓方面での列車の待ち時間が長くなり、勝利は難しくなります。

有り体にいえば、一ノ関駅14時40分発か、猊鼻渓駅15時08分発の列車に乗ることが、鉄道チームの勝利条件でした。しかし、鉄道チームはその条件を満たせなかったわけです。

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ルート選択の余地に乏しく

まとめてみると、今回、バスチームも鉄道チームも、ほとんどルート選択の余地はありませんでした。きちんと情報収集をしつつ乗り継いでいけば、どちらのチームも、おおむね実際ルートをたどることになっていたでしょう。

ポイントとなっていたのは、どれだけの資金を残して最終局面に臨めたか、ということです。というのも、今回は、途中で金額が不確定な増減設定があり、その多寡が勝敗に影響を及ぼす形になっていたからです。ただ、現実には、鉄道チームがミスをしたことにより、十分な資金があったにもかかわらず、敗退してしまいました。

途中で獲得できる金額が不確定なので、どちらのチームが有利だったかは断言できません。現実に獲得した金額を基にすれば、鉄道チームが最終局面で最善を尽くした場合、バスチームが逆転することは不可能でしたので、鉄道チームが有利な展開で最終局面を迎えていたのは確かでしょう。その点で、敗れた鬼軍曹の鉄道路線見落としが悔やまれます。

これで、バスチームの5連勝となりました。鉄道チームの次回の雪辱を期待したいところです。(鎌倉淳)

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