「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第11弾 箱根~秩父を分析する。ハプニングに救われた?

一番大変な坂道の地獄

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」の第11弾が放送されました。太川陽介率いるバスチームと、村井美樹率いる鉄道チームが、箱根湯本~秩父で競う企画です。勝負を分析してみました。

なお、以下はネタバレ100%です。また、記事公開後に加筆・修正することがあります。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

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松嶋尚美、misonoが参加

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」は、ローカル路線バスを乗り継ぐチームと、ローカル鉄道を乗り継ぐチームが対決するテレビ番組です。

2022年4月6日に放送された第11弾では、「ルイルイ」こと太川陽介率いるバスチームと、「鬼軍曹」こと村井美樹率いる鉄道チームが、神奈川県箱根町~埼玉県秩父市で乗り継ぎ対決しました。

途中のチェックポイントは、まぁちゃん(小山町須走)、さがみ湖プレジャーフォレスト、フォーミュランド・ラ・飯能、たかはしたまご&醤遊王国(日高市)の4箇所(日高市は2か所で1つのチェックポイント)です。

バスチームのメンバーは、太川陽介、松嶋尚美、misonoの3人。鉄道チームのメンバーは村井美樹、西村瑞樹(バイきんぐ)、牧野ステテコの3人です。

バスチームが使っていいのはローカル路線バスのみ。鉄道チームが使っていいのはローカル鉄道のみです。ただし、両者とも1万円までタクシーが利用できます。

バスvs鉄道対決旅第11弾
Ⓒテレビ東京

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 バスvs鉄道 第11弾 歩いて歩いて大逆転SP
【出演】太川陽介、松嶋尚美、misono、村井美樹、西村瑞樹(バイきんぐ)、牧野ステテコ
【放送日】2022年4月6日(水) 18時25分~21時54分(テレビ東京系列)

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バスチームの実際ルート

まずは、ルイルイ率いるバスチームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻をわかる範囲で確認しました。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。☆はチェックポイントです。

▽1日目
箱根湯本駅09:53→10:17仙石/箱根仙石10:41→11:05御殿場駅箱根口/富士山口11:10→11:30須走車庫前→徒歩0.1km→まあちゃん☆→徒歩0.1km→須走車庫前13:00→13:17山中湖旭日丘→タクシー16.8km、6,390円→14:05道の駅どうし→徒歩1.7km→14:26唐沢14:30→15:05月夜野→徒歩2.2km→15:50東野16:05→16:45三ヶ木17:01→17:09プレジャーフォレスト前→徒歩0.5km→さがみ湖プレジャーフォレスト☆→徒歩0.5km→プレジャーフォレスト前18:31→18:44三ヶ木18:48→19:22橋本駅北口19:50→20:20八王子駅南口20:45→21:25秋川駅

▽2日目
秋川駅05:50→徒歩3.2km→菅生06:40→06:50小作駅西口/東口07:05→07:07霞町新町07:17→07:27東青梅駅北口07:49→08:19上成木→徒歩3.8km→フォーミュランド・ラー飯能☆→徒歩0.7km→久通谷橋10:42→11:18飯能駅11:30→12:05日高市役所入口→徒歩1.8km→12:43醤遊王国☆→徒歩1.8km→たかはしたまご☆13:20→タクシー1.2km、500円+徒歩1.4km→日高市役所入口13:45→14:29飯能駅14:45→15:43名郷→タクシー6.8km、2,420円→16:00松枝→タクシー1.2km、620円+徒歩0.9km→16:17長渕16:22→16:43秩父駅17:02→17:11展望台入口→徒歩0.3km→秩父ミューズパーク展望台

ゴール最寄りの展望台入口に17時10分過ぎに到着。そこから展望台まで約300mの上り坂ですので、ゴール時刻は17時20分頃のようです。

※Googleマップのルートは概略です。実際のルートを正確に反映していません。

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鉄道チームの実際ルート

つぎに、鬼軍曹率いる鉄道チームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻を示しています。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。

▽1日目
箱根湯本09:57→10:14小田原10:19→10:29新松田/松田11:07→11:57御殿場→徒歩9.8km→14:30まぁちゃん☆→タクシー20.1km、6,140円→16:22富士山16:28→17:15大月17:29→18:03相模湖→徒歩3.4km→18:45さがみ湖プレジャーフォレスト☆20:00→徒歩3.4km→相模湖21:17→21:50立川

▽2日目
立川06:04→06:34青梅06:36→06:59軍畑→徒歩8.4km→フォーミュランド・ラー飯能☆10:28→徒歩3km→小沢トンネル出口→タクシー5km、2,000円→11:22軍畑11:28→11:40青梅11:41→11:57拝島12:01→12:26高麗川→徒歩2.5km→たかはしたまご☆13:20→徒歩1.8km→13:50醤遊王国→徒歩1.8km→たかはしたまご14:43→タクシー1.5km、600円+徒歩1km→14:57高麗川15:00→15:06東飯能15:15→16:10西武秩父→徒歩1.3km→近戸町付近→タクシー3.2km、1,220円→音楽寺付近→徒歩1.1km→秩父ミューズパーク展望台

村井チームのゴール時刻は太川チームの20分前で、17時00分頃のようです。

ということで、第11弾は鉄道チームの勝利で終わりました。例によって、両チームのとったルートについて検証してみましょう。

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激辛ラーメンをすぐに食べられたら

まずは太川チームです。箱根湯本駅から仙石で高速バスに乗り換え御殿場駅に至り、御殿場駅では箱根口から須走口への乗り換えを短時間で実現。第一チェックポイントのまぁちゃんに11時半ごろ到着しました。

ここで、ルイルイは当初、ラーメンミッションを20分程度で片づけ、須走車庫前を12時05分に出るバスでの出発を目論みました。しかし、激辛のハバネロラーメンにmisonoが手こずり間に合いませんでした。

仮にこのバスに乗れていたら、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
御殿場駅11:10→11:30須走車庫前→徒歩0.1km→まあちゃん☆→徒歩0.1km→須走車庫前12:05→12:22山中湖旭日丘12:50→13:39道志14:45→15:05月夜野

このように、山中湖旭日丘12時50分発の道志行きバスに間に合います。これにより、山中湖~道志間のタクシー代6,390円が不要になる計算です。道志から月夜野へのバスで実際ルートに収斂するものの、タクシー代が6,000円以上も浮いていたら、2日目の勝負どころで投入することができ、最終局面が全く違うものになったでしょう。

とはいえ、あの激辛ラーメンを20分程度で食べきるのは、よほど得意な人でなければ難しそうです。となると、須走車庫前12時05分に間に合うのは、設定として困難だったと解釈したほうがよいのでしょう。言葉を換えれば、バスチームは、山中湖~道志間で多額のタクシー代を使わざるを得ない設定になっていた、ということです。

まぁちゃんからタクシーを使ったら

ただ、山中湖旭日丘バスターミナルでの道志行きバス出発時刻は12時50分で、まあちゃんからバスターミナルまでの距離は10km足らずです。となると、12時半頃にタクシーでまあちゃんを出発できていれば、間に合う可能性がありました。

▽1日目
御殿場駅11:10→11:30須走車庫前→徒歩0.1km→まあちゃん☆12:30→タクシー9.8km、概算3,030円→山中湖旭日丘12:50→13:39道志14:45→15:05月夜野

この場合、タクシー代は概算で約3,030円です。実際ルートの山中湖→道志の約6,390円に比べて3,360円も安く済み、終盤まで軍資金を温存できたでしょう。

現実的な話をすれば、まぁちゃんで山中湖から道志までのバス時刻の情報を得て、食後すぐにタクシーを呼んで出発するのは難しかったと思います。となると、これも机上論にとどまりそうです。

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山中湖からの別ルート

実際ルートに戻ります。ルイルイは山中湖旭日丘のバスターミナルで、道志から三ヶ木方面へ抜けるルートの情報を得たものの、次のバスは18時台までないことを知らされます。一方で、都留方面からのバスを途中で捕まえられるという情報を得て、早くもタクシー利用を決断しました。

これはまことに好判断で、もしここで次のバスを待っていたりしたら、当日中にさがみ湖プレジャーフォレストに到達するのは不可能でした。つまり、1日目にしてゲームオーバーになるのを防いだファインプレーだったといえます。

ただ、ここでもタクシー代を節約する方法が、ないわけではありません。山中湖周辺には周遊バス「ふじっ湖号」が走っていて、これに乗れば湖東にある石割の湯まで行けるからです。

▽1日目
須走車庫前13:00→13:24富士山山中湖13:29→13:43石割の湯→タクシー12.1km、概算4,610円→道の駅どうし→徒歩1.7km→唐沢14:30→15:05月夜野

このように、石割の湯でタクシーをすぐに捕まえることができれば、唐沢で月夜野行きのバスに乗車でき、実際ルートに収斂します。

この乗り継ぎは、須走車庫前からのバスを山中湖旭日丘で降りてしまうと成立せず、少し先の富士山山中湖バス停まで乗って、「ふじっ湖号」に乗り換えなければなりません。

したがって、実現するには運転手から的確な情報を仕入れる必要があり、難易度は非常に高かったでしょう。うまくいけばタクシー代を約1,800円節約することができますが、やはり机上論の範疇となりそうです。

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秋川駅で始発バスを待っていたら

実際ルートに戻りましょう。バスチームはプレジャーフォレストのミッション後、橋本駅から八王子駅を経て秋川駅に達しました。宿の豊富な八王子で泊まらずに、秋川駅まで足を伸ばしましたが、これには高い価値がありました。

というのも、八王子駅泊まりになっていたら、翌朝の秋川方面行きの始発バスが遅いため、第3チェックポイントのフォーミュランド・ラー飯能の9時半オープンまでに着くことが不可能だったからです。

さらに効果があったのは、2日目の早朝出立です。バスチームは秋川駅で始発バスを待たずに、午前5時50分に歩き出して、3km先の菅生を6時40分に出るバスに乗り込みました。仮に、秋川駅の始発バスを待っていたら、どうなっていたでしょうか。

▽2日目
秋川駅06:54→07:03上菅生07:31→07:44小作駅西口/小作駅東口07:47→07:49霞町新町08:02→08:12東青梅駅北口10:39→11:09上成木→徒歩3.8km→12:15頃フォーミュランド・ラー飯能☆

このように、実際ルートをたどると、東青梅駅北口で上成木方面へのバスを2時間以上待つことになり、フォーミュランド到着が約3時間も遅くなります。これでは勝負になりませんから、秋川駅から早朝に3km歩いた価値は高かったといえます。

飯能駅ルート

ただ、秋川駅を始発バス待っていても、違う方法でフォーミュランドに到達する方法が存在しました。

▽2日目
秋川駅06:54→07:00菅生07:32→07:44小作駅西口/小作駅東口→徒歩1.3km→霞町新町08:02→08:12東青梅駅北口08:27→09:01飯能駅南口/飯能駅09:04→09:37久通谷橋→徒歩0.7km→フォーミュランド・ラー飯能☆

東青梅から飯能駅を経由する乗り継ぎです。成功すれば、フォーミュランド・ラー飯能に9時45分には着けそうで、実際ルートに収斂します。

ただ、上記乗り継ぎは飯能駅での3分乗り換えが難しそうで、乗り遅れた場合、バスは41分後です。そうなるとフォーミュランドに着くのは10時30分頃になりそうで、以後の行程が1時間程度後ろ倒しになってしまいます。

そのため、秋川駅で始発バスを待たずに歩いたことが好判断であったという結論にかわりはありません。

早起き飯能駅ルート

では、実際ルートのように、秋川駅で早起きして、上成木ルートではなく飯能駅ルートを選んだら、どうなっていたでしょうか。

▽2日目
秋川駅05:50→徒歩3.2km→菅生06:40→06:50小作駅西口/東口07:05→07:07霞町新町07:17→07:27東青梅駅北口07:35→08:09飯能駅南口/飯能駅08:30→09:03久通谷橋→徒歩0.7km→フォーミュランド・ラー飯能☆

9時10分頃にはフォーミュランドに到着できそうです。バスチームの実際の到着時刻よりも早い時間です。

長々と書きましたが、端的にいえば、バスチームが早起きして3km歩いたことには意味があったものの、東青梅駅から上成木ではなく飯能駅へ向かっていれば、3.8kmの峠道を歩かずに済んだうえに、時間的にも早く着けた、ということです。

飯能駅ルートは乗り継ぎにも無理がありませんので、第3チェックポイントへは、こちらが優れていたといえます。

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フォーミュランドのミッションがすぐに終わったら

実際ルートに戻ります。第3チェックポイントのフォーミュランドでは、太川チームは当初、ミッションをすぐに片づけて、09時57分発のバスで飯能駅に向かおうと考えていました。タイミング的には、ミッションを一度でこなせたら実現可能でした。

では、このバスに乗れていたらどうなっていたでしょうか。フォーミュランドにより近い久通谷橋バス停09時58分発として検証すると、以下のようになります。

▽2日目
フォーミュランド・ラー飯能☆→徒歩0.7km→久通谷橋09:58→10:36飯能駅/飯能駅北口10:56→11:29下鹿山→徒歩2km→たかはしたまご☆→徒歩1.4km→醤遊王国→徒歩2.4km→日高市役所入口13:45→14:29飯能駅

久通谷橋09時58分発は、飯能駅に到着後、日高市役所方面に向かうバスとの接続が悪く、待てば実際ルートに収斂します。

上記したのは別ルートで、武蔵高萩駅行きのバスで下鹿山まで行って、たかはしたまごから歩きます。こうすれば、実際ルートより30分ほど前倒しできそうですが、飯能駅に戻るところで実際ルートに収斂します。

ということで、フォーミュランドのミッションで時間がかかったことに関しては、その後の乗り継ぎにほとんど影響はなかったといえます。

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山伏峠越え

実際ルートに戻ります。一行は飯能駅に到着後、第4チェックポイントの醤遊王国とたかはしたまごを巡るルートに進みます。飯能駅から接続良く日高市役所入口までバスで進み、歩いて醤遊王国、さらにたかはしたまごに到達し、たまごかけご飯を食べ終えて出発したのが13時20分ごろでした。

日高市役所入口から飯能に戻るバスの出発時刻は13時45分。たかはしたまごから日高市役所入口までの距離は約2.4kmです。急ぎ足で歩けば間に合うタイミングでしたが、松島の足の具合を勘案したのか、タクシーを1メーター分だけ利用して先を急ぎました。

飯能駅で名郷方面行きのバスに乗り継ぎますが、名郷から先、山伏峠を越える路線バスはありません。一行は呼んでおいたタクシーで峠を越え、松枝のバス停に至るも最終バスは終わっていました。さらにタクシーに乗りなおし、資金が尽きると徒歩で進み、長渕のバス停で秩父行きを発車5分前に捕まえて、なんとか秩父駅に到達します。

バスが途切れた名郷~長渕間は8.9km。時刻表上の名郷到着が15時43分で、長渕出発は16時22分です。つまり約9kmを約40分で乗り継ぐという命題になっていたところ、ルイルイは最後のタクシー代を使い果たし何とか実現しました。長渕発は最終バスでしたので、乗り遅れたら、その時点で事実上ゲームオーバー。薄氷を踏む思いでしたでしょう。

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秩父への他ルートは?

では、飯能市内から秩父市内へ、他のアプローチはなかったのでしょうか。調べたところ、実際ルート以外に有効なバス路線はありません。長渕→秩父駅は、実際に乗車した16時22分発以外に使えそうな便もないため、バスに乗るなら他に選択肢はなさそうです。

タクシー代が豊富にあれば、名郷から秩父駅まで一気に進みたいところです。以下のようになります。

▽2日目
飯能駅14:45→15:43名郷→タクシー7,500円、19.5km→秩父駅16:21→16:45展望台入口→徒歩0.3km→秩父ミューズパーク展望台

この場合のゴール時刻は16時55分頃ですので、僅差でバスチームをかわして勝利していたでしょう。

ただ、この乗り継ぎで必要なタクシー代は7,500円。現実に、名郷到着時点で残っていたタクシー代は3,110円でしたので、4,390円足りません。

1日目にまぁちゃんでのミッションを短時間で済ませられれば、山中湖→道志間6,390円のタクシー代が浮きますが、その実現が困難だったことは、前述した通りです。

まあちゃんから山中湖旭日丘までタクシーを使って、道志行きのバスに間に合えば、概算で3,380円が節約できます。しかし、それでも名郷→秩父をタクシーで乗り通すには足りません。

そう考えると、飯能市内から秩父市内へ入る現実的なアプローチは、実際ルートの他になさそうです。

太川チームのルート取りを振り返ってみると、第3チェックポイントへ向かう際に、上成木を経由して余計な徒歩を増やしたものの、それ以外で大きなミスはありませんでした。ミッションの所要時間を短縮できないという前提に立てば、ほぼベストを尽くしており、おおむね最適解をたどったと表現できそうです。

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