明知鉄道でSLが復活運転をします。2015年8月9日に復活イベントを開催。その準備として、7月24日には、C12形がコンプレッサー(空気圧縮機)での試験運行を行いました。
5億7000万円かけ復活へ
明知鉄道は岐阜県の第三セクター鉄道で、2027年のリニア中央新幹線開通に向け、観光の目玉としてSL復元を検討しています。使用する車両は機関車はC12形244号で、かつて国鉄明知線を走っていて1973年に廃車になったものです。
恵那市の研究会の調査によると、明智鉄道の本線運行に必要な初期費用は車両整備費などで約5億7000万円、維持費が車両検査費や人件費などで年間約9000万円です。SL運行日を年100日、1日の観光客を300人と仮定し、年間約5億円の経済波及効果があるとして、実現に向け準備を続けています。
写真:岐阜県
コンプレッサーによる試験運行
本格復元の前段階として、コンプレッサー(空気圧縮機)による運転を計画し、今夏からイベント時に明智駅構内の軌道約220メートルを走行することになりました。その動力系統の作動確認の一環としての試験運行が、7月24日に行われ、時速7キロで駅構内を約120メートル走行。「演出」として煙も吐き出しました。
2015年8月9日には、正式なSL復活イベント「明知鉄道C12発進!あけてつSLフェスタ開催」が行われ、2度の構内運行が予定されています。入場券を購入すれば、構内運行を見学できます。そのほか、タレントによるトークショーや、鉄道グッズの販売なども予定されています。
河村・名古屋市長も立ち会い
ところで、SLは、リニアの「岐阜県駅」に発着する構想です。「岐阜県駅」は、JR中央本線美乃坂本駅に隣接され建設される予定で、SLを美乃坂本駅から恵那駅を経て明知鉄道明智駅まで走らよう、というもの。
この日の試験走行には可知義明恵那市長のほか、名古屋市の河村たかし市長も立ち会ったそうです。河村市長があおなみ線でSL復活を目指しているのはご存じのとおり。そのため、明知鉄道の車両借り受けを狙っているのかもしれません。
この日はコンプレッサーでの運行でしたが、SLを蒸気で本格復活させるには、上述のように6億円近い予算が必要です。地方自治体には巨費なだけに、費用を名古屋市が一部負担してC12を借り受ける談判でもしていたのでしょうか?