JR北海道が新たな観光列車として「赤い星」「青い星」を投入します。デザインは水戸岡鋭治氏。同氏が「最後の仕事」と位置づける集大成になりそうです。
開拓使のシンボル
JR北海道は、2026年春から新たな観光列車として「赤い星」「青い星」を運行すると発表しました。既存のキハ143形一般形気動車を改造し、「赤い星」「青い星」を各4両で1編成ずつ投入します。
「赤い星」のおもな走行区間は釧網線(釧路~網走)です。
北海道開拓使のシンボル「赤い五稜星」の赤星をイメージした深紅の外観。ラグジュアリークラスの設定で、定員は100名に絞ります。1車両平均25名という少なさです。
個室、セミコンパートメント、ボックス席などのほか、ラウンジや茶室、展望室などの設備を予定します。ラウンジでは飲食の提供もおこないます。
ラベンダーと青い池
「青い星」のおもな走行区間は富良野線(旭川~富良野)です。
沿線のラベンダー畑や青い池(美瑛町)をイメージした青紫色の外観が目を引きます。プレミアムクラスの設定で、定員は200名程度です。
1車両50名程度なので、グリーン車水準でしょうか。「赤い星」よりはカジュアルな列車になるようです。
テーブル付きのボックスシートが基本で、全車に展望室、荷物棚、大型荷物置場を設置します。
水戸岡氏「最後の仕事」
車両デザインは、JR九州「ななつ星」などの多数の作品で知られる水戸岡鋭治氏(77)が手がけます。
水戸岡氏は「最後の仕事としてJR北海道のローカル車両のデザインに繋がった」とコメントしており、「赤い星」「青い星」を最後の仕事と位置づけていることを明らかにしました。
水戸岡氏は、一時期、JR九州の車両デザインを一手に引き受けていた観がありますが、2024年4月26日にデビューする「かんぱち いちろく」のデザインは、鹿児島のデザイン会社IFOOに譲っています。
となると、「赤い星」「青い星」は、水戸岡デザインの集大成になりそうで、その点でも注目です。(鎌倉淳)。