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スカイマークが首位守る。航空会社「定時運航率・欠航率ランキング」2019年版

全日空は日本航空を抜く

2018年3月までの航空会社別「定時運航率」「欠航率」の統計がまとまりました。定時運航率ではスカイマークがスターフライヤーをしのぎ2年連続の首位。LCCではエアアジア・ジャパンが好成績を収めています。

国土交通省の2018年度統計

航空会社の国内線の「定時運航率」と「欠航率」は、国土交通省の「特定本邦航空運送事業者に関する航空輸送サービスに係る情報」で公表されています。2019年発表の最新のデータとして、2018年度(2018年4月~2019年3月)の数字がまとまりました。

ここでは、その数字をランキングにまとめて、順にみていきます。なお、統計上の「日本航空」は、日本航空、ジェイエア、北海道エアシステムの合計、「全日空」は、全日本空輸、ANAウイングスの合計です。

この統計では、客席数が100または最大離陸重量が5万kgを超える航空機を使用する航空会社のみが対象ですので、小型機使用のフジドリームエアラインズやアイベックスなどは対象外です。これらの会社については「地域航空会社」として後述します。

スカイマーク

2018年度定時運航率ランキング

まずは、定時運航率をみてみましょう。

【定時運航率ランキング】(単位:%、カッコ内は前年)
1位 スカイマーク 93.91(93.06)
2位 スターフライヤー 93.88(89.86)
3位 エアドゥ 90.76(90.06)
4位 全日空 90.51(88.52)
5位 日本航空 89.91(90.01)
6位 エアアジア・ジャパン 88.63(90.42)
7位 ソラシドエア 87.16(87.75)
8位 春秋航空日本 85.08(83.22)
9位 ピーチ 82.61(79.17)
10位 ジェットスター・ジャパン 81.58(85.17)
11位 日本トランスオーシャン 80.39(83.90)
12位 バニラエア 79.33(80.94)

定時運航率は、出発予定時刻より15分以内に出発した便のことをいいます。「出発」とはブロックアウトした時間。つまり、機体が動き出した時間のことです。定時運航率は運航した便に対する率ですので、欠航は反映していません。

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スカイマークが首位を死守

今回の統計の注目点は、2017年度に初めて定時運航率で首位に立ったスカイマークが、2年連続でその地位を維持できるか、という点でした。結果は、スターフライヤーを0.03ポイント差でしのぎ、首位を死守しました。

スターフライヤーは前年度から4ポイントも定時率を向上させたのですが、わずかに及びませんでした。ただし、第二四半期と第三四半期では、スカイマークより高い定時運航率を達成しています。

3位には2年連続でエアドゥ。4位には前年度6位の全日空が順位を上げました。全日空は前年度88%台と、大手航空会社としては低い数字にでしたが、今年度は改善。90%台を回復し、日本航空を抜きました。一方の日本航空は89%台に沈み、5位に後退しています。

ジェットスターが数字を落とす

LCCでは、エアアジア・ジャパンの5位が最上位でした。前年度の2位からは順位を落としたものの、88%台とLCCにしては好成績を残しています。ただ、エアアジア・ジャパンは航空会社としての規模が小さいので、他社との単純比較はできません。

ピーチは前年に比べ定時運航率を3%以上改善し、ジェットスター・ジャパンと入れかわり9位浮上。逆にジェットスター・ジャパンは3%以上も落としました。最下位のバニラエアは、唯一80%台を割り込み、79%となりました。

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2018年度欠航率ランキング

次に欠航率を見てみましょう。

【欠航率ランキング】(単位:%、カッコ内は前年)
1位 ジェットスター・ジャパン 3.90(1.85)
2位 バニラエア 2.12(1.48)
3位 全日空 2.09(1.38)
4位 ピーチ 1.96(1.32)
5位 日本トランスオーシャン 1.87(0.90)
6位 エアドゥ 1.75(1.51)
7位 ソラシドエア 1.44(1.18)
8位 エアアジア・ジャパン 1.43(1.26)
9位 日本航空 1.42(1.34)
10位 スターフライヤー 1.37(0.67)
11位 春秋航空日本 1.23(3.56)
12位 スカイマーク 1.15(0.59)

欠航率は、順位が高いほど欠航の確率が高いことを示します。欠航率ワーストがジェットスター・ジャパン。前年度に比べて大きく数字を悪化させ、航空各社唯一の3%台となりました。第二四半期に7.90%という高い欠航率を記録したのが、通年成績に響きました。

ジェットスターは、2018年夏にパイロット不足で大量の欠航や運休を発生させています。その影響が、統計数値にも表れているようです。

欠航率もスカイマークが最高成績

2位がバニラエア、4位にピーチと、LCCの欠航率が高くなっています。一方、前年度ワーストだった春秋航空日本は大きく改善しました。大手航空会社では、全日空の数字が悪く、バニラ、ピーチと並んで2~4位をANA系が占めました。

最も欠航率が低かったのはスカイマーク。こちらは3年連続です。欠航率1.15は、前年度に比べて数字を落としたものの、好成績です。

スカイマークは「定時運航率が高く、欠航率が低い航空会社」ということで、現経営陣になってから、運航に関して信頼できる航空会社に姿を替えました。

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地域航空会社は?

国土交通省では、小型機使用の地域航空会社の定時運航率、欠航率も公表しています。

「特定本邦航空運送事業者以外の事業者に係る情報」で、客席数が100または最大離陸重量が5万kgを超えない航空機を使用する航空会社のみが対象です。結果は、以下の通りです。

【地域航空会社・定時運航率ランキング】
1位 東邦航空 99.13(99.22)
2位 フジドリームエアラインズ 94.27(94.13)
3位 新中央航空 92.85(90.92)
4位 アイベックスエアラインズ 91.95(89.18)
5位 オリエンタルエアブリッジ 91.88(89.88)
6位 琉球エアコミューター 86.78(87.78)
7位 日本エアコミューター 84.05(89.08)
8位 天草エアライン 70.91(85.75)

【地域運航会社・欠航率ランキング】
1位 東邦航空 10.09(10.88)
2位 天草エアライン 9.81(4.99)
3位 新中央航空 6.09(8.01)
4位 日本エアコミューター 5.02(4.08)
5位 琉球エアコミューター 3.94(2.13)
6位 オリエンタルエアブリッジ 3.67(7.63)
7位 アイベックスエアラインズ 2.37(2.97)
8位 フジドリームエアラインズ 1.78(1.69)

定時運航率、欠航率とも首位になったのは東邦航空。伊豆諸島6島間を結ぶヘリコミューター事業を行っている会社です。

運航規模が小さく、ヘリコミューターという特性上、欠航率がきわめて高いものの、運航するときは定時で飛ぶ、ということのようです。

フジドリームズが安定

ある程度の運航規模を持つ航空会社では、フジドリームズエアラインズが定時運航率でトップといえるでしょう。同社は2019年3月末現在で、13機の小型ジェット機を所有しています。

94.27%という定時運航率はスカイマークより高く、欠航率も大手航空会社と遜色ない1.78%で、抜群の安定感を誇っています。

ただ、同社は大きな空港にはあまり就航していないので、空港混雑による遅延の要素が少ないという好条件に助けられている側面はありそうです。2019年度は神戸空港に進出しますが、それでどう変わるかは注目でしょう。

天草エアラインは復活できるか

一方、数字が悪かったのが天草エアライン。定時運航率は70%程度、欠航率は9%台で、この数字では安心して利用できません。同社もパイロット不足に悩まされています。

対策として、天草エアラインは、2019年8月より一部路線でJALとコードシェアを開始。JALグループの日本エアコミューターと連携し、パイロット確保に向けた施策も開始します。これにより、2019年12月頃にはパイロット不足が解消する見通しで、いまよりは運航が安定しそうです。(鎌倉淳)