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国内航空運賃、30%値上げも。原油価格高騰の影響を試算してみた。

スカイマークの決算資料から

原油価格の高騰が続いています。このままの状況が続いた場合、国内線の航空運賃はどの程度値上がりするのでしょうか。スカイマークの決算資料から試算してみると、2024年度比で30%程度の値上げをしなければならなくなる、という結果になりました。

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原油価格は2倍に

アメリカ・イスラエルのイラン攻撃により、原油価格が高騰しています。アジア市場の指標となる中東産ドバイ原油のスポット価格は、3月16日午後、1バレル147.90ドル前後で推移しています。

イラン攻撃が始まる少し前まで、ドバイ原油は60ドル台前半でした。つまり、戦争の勃発により、原油市況は2倍以上になっています。このため、世界の航空会社のなかには、運賃引き上げや燃油サーチャージの増額に踏み切る会社もでてきています。

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スカイマークを例に試算

では、いまの原油価格が続いた場合、日本国内線の航空運賃はどれだけ値上がりするのでしょうか。国内線専業で、燃油費の詳細を公表しているスカイマークを例に取り、決算資料から計算してみましょう。

スカイマークの2024年度(2025年3月期)決算資料によれば、同社の燃油費・燃油税は年間約317億円です。同年度の旅客数は814万人。すなわち、1人1回あたりの燃油費は3,894円となります。

同社はこの期に、1バレル74.9ドル(ドバイ)、1ドル153.4円で、燃油をヘッジしていました。すなわち、1バレル11,489円です。

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1人3,900円値上げ

直近のドバイ原油価格は、上述のように1バレル147ドルです。直近の為替相場を1ドル159円として計算すると、1バレル23,373円となります。すなわち、直近の燃油費は、2024年度ヘッジ価格の約2倍になっていることが見て取れます。

同社の1人1回あたりの燃油費も2倍になると仮定すれば、航空券を3,894円値上げしないと、帳尻があわなくなります。すなわち、2024年度比で、航空運賃を平均3,900円程度、値上げしなければならなくなる、ということです。

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平均30%値上げ

2024年度のスカイマークの平均単価は13,028円です。したがって、3,900円値上がりすれば、約16,900円になります。

結論として、2026年度のスカイマークの国内線の平均運賃は、17,000円近くになる可能性があります。2024年度と比較して、じつに30%程度も値上がりする可能性がある、ということです。

直近の2025年度第三四半期決算では、同社の平均運賃は13,406円です。これと比較しても27%程度の値上げとなります。

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値上げせざるを得ず

念のために書きますが、これは、直近の燃油相場のみに焦点をあてた、大雑把な試算にすぎません。

燃油価格は年間を通じて変動しますし、実際の航空運賃は、燃油価格以外のさまざまな要素によって決定されますので、現実の値上げ率がどの程度になるのかはわかりません。値上げ率がもっと低くなる可能性もありますし、もっと高くなる可能性もあるでしょう。

ただ、国内航空路線は、イラン攻撃が起こる前から採算が厳しくなっていましたので、燃油費の高騰が続けば、政府から補助が出ない限り、相応の値上げで対応せざるを得なくなるのは確かでしょう。

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大手航空会社でも

ここでは、国内専業で試算がしやすいスカイマークを例に取りましたが、JALやANAといった大手航空会社でも、状況は似たようなものでしょう。

現時点の国内線航空券価格をみると、各社とも燃油価格の上昇を織り込んでいないようにみえます。しかし、いつまでも今の価格を維持できるとも思えず、新年度に入ってから、国内航空運賃の相場が高くなるのは間違いなさそうです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。