エアアジアXが「関空・ハワイ線」をいよいよ開設へ。米航空局が許可。アメリカ本土就航も視野に

マレーシアの格安航空大手エアアジアは、アメリカ連邦航空局から、同国への乗り入れ許可を得たことを明らかにしました。近く、米国路線を開設する見通しで、クアラルンプールから関西経由のハワイ(ホノルル)線が有力です。

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2015年春に届け出

エアアジアは、2015年春にアメリカ路線開設の方針を示し、アメリカ合衆国当局への届け出を行いました。傘下のエアアジアXによるクアラルンプール~関西~ホノルル線の週4便運航が計画されており、当初は、2015年11月1日の就航を目指していました。

実際には手続きに時間がかかり、予定より1年以上遅れましたが、アメリカへの乗り入れ許可が下りたことで、同路線が実現する可能性が高まりました。2017年4月に就航するという報道もあり、近く航空券の発売が開始されるようです。

同路線は関西~ホノルル間のみの利用も可能です。したがって、関西エリアからハワイへLCCで旅することができるようになります。グアム以外の日米路線は、LCCとしては初めてです。

機材はA330-300型機で、プレミアムシート12席、エコノミークラス365席の計377席です。

A330-300エアアジア
写真:エアバス

カリフォルニアまで飛べない

エアアジアは、さらにアメリカ本土への就航も目指しているようです。ロイター通信によりますと、「目的地としては、ハワイを含む米国の複数の州を検討している」とのこと。マレーシアの英字紙「Rakyat Post」Web版によりますと、同社CEOは「アメリカのあらゆる都市へ就航する許可を得た」と述べています。

ただ、アメリカ本土への就航にはハードルがあります。「Rakyat Post」によりますと、「エアアジアXが展開する機材では、関西からアラスカが限度で、カリフォルニアまで飛ぶことはできない」そうです。

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ハワイで給油が必要

エアアジアが関西~ハワイ・ホノルル路線に投入するのは、上述の通りエアバスA330-300型機で、カタログ上は11,300 kmの航続距離があります。太平洋を渡りきれそうにみえますが、搭載燃料や、エアアジアの機材は定員が多いことなどから、カタログスペックより航続距離が短いのかもしれません。

エアアジアXの関西からの航続距離の限界がアラスカなら、アメリカ本土の各都市へ行くには途中ハワイで給油が必要になります。

これについては、同紙は「ホノルルからサンフランシスコのような、アメリカ国内の都市から別の都市へ運航する自由があるかは定かでない」としています。

ロンドン線の実績はあるが

ちなみに、エアアジアXは、一時期クアラルンプール・ロンドン線という長距離路線を運行していたことがあります。このときの機材はA340-300型機でしたが、その多くはすでに他社に譲渡済みです。

いずれにしろ、エアアジアXがサンフランシスコなどの米本土や、さらにニューヨークなど東海岸を目指すなら、A330-300型より長距離が飛べる機材が必要になりそうです。

とはいえ、そもそもLCCのビジネスモデルに長距離用機材は向いていない、という指摘もあります。

エアアジアが、今後もA330-300型機のみで太平洋路線を運用するのか。それとも、新機材を投入して米本土を目指すのかにも、注目したいところです。

意外とアラスカ路線を開設したりして?(鎌倉淳)

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