新生エアアジア・ジャパンが、スカイマークの元経営幹部らに経営参画を要請していることが明らかになりました。国内線再参入に向けた運航体制づくりなどで助言を受けるとみられます。日本経済新聞が報じました。
井出氏、有森氏に経営参画要請
新生エアアジア・ジャパンは、マレーシアの格安航空会社LCCのエアアジアが出資する日本法人です。2016年4月から中部空港を拠点に札幌、仙台、台北の3路線を就航させる計画です。
日本経済新聞2016年11月28日付によりますと、エアアジアが経営参画を要請したのは、スカイマークの井手隆司前会長と有森正和前社長。両氏ともスカイマークの民事再生計画の成立後、9月末に同社の経営から退いたばかりです。両氏がこの要請を受けるかどうかは記事中に明記されていませんでしたが、エアアジア・ジャパンの顧問や最高財務責任者などの役職に就く方向で調整中とのことです。
同紙によると、エアアジア・ジャパンは来春の就航を発表したものの、パイロット養成や整備体制の構築が難航していて、小田切義憲社長は近く退任する見込みとのこと。このため、エアアジアは当初、井手氏に後任社長を打診していたそうです。それを井出氏が固持したのかはわかりませんが、現在は内部昇格を軸に後任社長を選定中とのことです。
西久保氏の名は?
スカイマークの経営破綻が明らかになったとき、エアアジアは支援企業の候補に挙がりましたし、それ以前から、スカイマークが保有する羽田空港の国内線発着枠や低コスト経営のノウハウに関心を示していました。
最終的に、スカイマークの支援企業はANAホールディングスに決定し、エアアジアは羽田発着枠を獲得することはできませんでした。そのかわりスカイマークの元幹部を引き入れることで、日本での国内線再参入に向けた運航体制のノウハウなどを吸収したいのかもしれません。
スカイマークといえば西久保愼一氏の名前が挙がっていないのが気になりますが、打診を固持したのか、打診がなかったのかは明らかではありません。(鎌倉淳)