JAL、ANAの2大航空会社が、無料で配布していいる紙の時刻表の刊行を取りやめます。オンライン予約の普及で利用者が少なくなっていることが理由です。
ANAは1月31日で終了
日本の航空各社は、冊子や折りたたみ式の紙の時刻表を刊行し、空港や航空機内で無料で配布してきました。JAL、ANAの大手航空会社2社は、時刻表を冊子にしており、最大で約70ページにも及ぶボリュームです。
このうち、ANAは、2020年12月1日から2021年1月31日までの国内線・国際線の運航スケジュールを掲載した時刻表が最後になり、2月運航分から刊行を取りやめます。時刻表はオンラインでの検索のみとなり、PDF版のダウンロードサービスもなくなります。
最後の冊子版には、表紙に「最終号」と記されています。「世界をつなぐ、新しい空へ。」というキャッチフレーズが、時刻表の「旅立ち」を暗喩していて、少し寂しい気分にさせられます。
JALは5月版で終了
JALは、国内線は、2021年5月までの運航スケジュールを掲載した号が最後で、6月版より廃止となります。国際線は、現行の2020年10月25日~2021年3月27日の時刻表を掲載した号が最後となり、2021年3月28日~8月31日版より廃止となります。JALはPDF用の時刻表を印刷用として存続するようです。
ANAが最初に冊子版の時刻表を刊行したのは1954年。JALは国内線が1951年、国際線が1954年です。JALの国内線刊行開始から70年で、大手航空会社の紙の時刻表が姿を消すことになります。
両社とも、廃止の理由としてコロナ禍を挙げているわけではなく、「紙消費量抑制による環境への配慮、パソコンやスマートフォン普及に伴う需要減少の観点」(JAL)などと廃止理由を説明しています。実際のところ、利用者から見てもオンライン検索で十分といえば十分です。
ただ、紙の時刻表を眺めていると、次の旅を構想するのに役立ちますし、思わぬ路線を発見して試してみたくなることもあります。そうした楽しみがなくなるのは、旅行ファンとしては寂しいところでしょう。
ANAの紙の時刻表は本日1月31日が最後です。最終号はいまならダウンロード可能なので、保存したい方はお早めに。