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特急「しなの」新型車両385系、グリーン車は3列に。バックシェルも採用

2029年営業投入へ

JR東海が、特急「しなの」用の385系の新デザインを発表しました。グリーン車は3列シートとし、JR東海として初めてバックシェル式を採用します。

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「アルプスを翔ける爽風」

JR東海は23日、中央線の特急「しなの」の新型車両「385系」の量産先行車の外装や内装のデザインなどを発表しました。

量産先行車は8両編成で、外観は「アルプスを翔ける爽風」がテーマ。流線形の両先頭車は大きな窓で前面展望が楽しめます。

JR東海385系デザイン
画像:JR東海

 
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グリーン車はバックシェル式

インテリアデザインは、内装材に縦のラインや木目調を多く採用し、木曽地域にゆかりのある「木曽五木」のイメージを演出しました。

グリーン車は3列シートです。これまでの「(ワイドビュー)しなの」383系のグリーン車は4列シートでしたので、1列を削減してシート幅を拡大。「優雅なプライベート感」を演出します。

グリーン車の座席はバックシェル式を採用します。バックシェル式は、リクライニングをしても後ろの座席を圧迫しないので、飛行機や高速バスの上級座席には採用されていますが、JR東海の車両としては初めての採用です。

グリーン車の3列シート化、バックシェル式採用は、385系の大きなトピックスでしょう。

座席は北アルプスの朝焼けや長野県花のリンドウをイメージした配色としました。全座席に電源コンセントと読書灯を備えます。

JR東海385系デザイン
画像:JR東海

 
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普通車にも全席コンセント

普通車は「自然の心地よさ」がテーマ。座席は木曽の森林を表現し、室内は爽やかで明るい色彩を採用しました。

全座席にコンセントを設置し、荷棚のスペースも拡大します。

JR東海385系デザイン
画像:JR東海

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川崎重工系も参画

385系は、ジャイロセンサーを導入してカーブの位置を正確に検知する「次世代振子制御技術」を採用しています。これにより、従来の振り子式車両で課題となっていた乗り心地の向上を目指しつつ、カーブの多い中央線での高速走行を実現します。

製造はJR東海子会社の日本車両製造が主に担当しますが、7、8号車の車体は川崎重工の子会社の川崎車両が製造します。

JR東海がの車両を川崎重工系が製造するのは、在来線では1996年の383系以来です。新幹線を含めても、2009年のN700系以来となります。

385系の量産先行車は、2026年の春頃に完成し、走行試験を開始する予定です。量産車による営業開始は2029年度ごろを目指します。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。