東北・上越新幹線系統に回復傾向。新幹線利用者数ランキング2021年お盆版

対前々年比では伸び悩み

JR各社が2021年お盆の列車利用状況を発表しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、各路線とも不振が続きますが、東北・上越新幹線系統では回復傾向がみられました。詳細をランキング形式で見ていきましょう。

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お盆の新幹線利用状況

JR各社は列車利用状況の統計を「年末年始」「ゴールデンウィーク」「お盆」の3期のみ発表します。当サイトでは、JR各社が発表した「お盆の利用状況」の情報をまとめて、「お盆の新幹線利用者数」をランキングにまとめてみました。

2021年8月6日~17日の12日間の統計です。

E5系

順位 路線名 計測区間 利用者数
(万人)
対前年比 対前々年比
1 東海道新幹線 新横浜~静岡 159.0 139% 33%
2 山陽新幹線 新大阪~西明石 74.8 141% 33%
3 東北新幹線 大宮~宇都宮 57.6 141% 31%
4 上越新幹線 大宮~高崎 53.6 136% 34%
5 東北新幹線 那須塩原~郡山 46.3 151% 29%
6 山陽新幹線 新山口~小倉 37.5 140% 34%
7 山陽新幹線 小倉~博多 35.9 135% 37%
8 北陸新幹線 高崎~軽井沢 28.4 138% 34%
9 東北新幹線 古川~北上 23.0 144% 29%
10 九州新幹線 博多~熊本 17.6 130% 37%
11 北陸新幹線 上越妙高~糸魚川 11.8 142% 30%
12 東北新幹線 盛岡~八戸 11.6 137% 32%
13 上越新幹線 越後湯沢~長岡 11.6 159% 28%
14 九州新幹線 熊本~鹿児島中央 7.4 110% 31%
15 山形新幹線 福島~米沢 4.0 151% 25%
16 北海道新幹線 新青森~新函館北斗 3.1 122% 29%
17 秋田新幹線 盛岡~田沢湖 3.1 171% 27%
18 山形新幹線 山形~新庄 1.0 131% 21%

 

上記のランキングは、JR各社から広報発表された内容をまとめたものです。JR各社によって、区間選定の基準などがばらばらであることをご承知おきください。

新型コロナウイルス感染症の影響をみるため、前年比と前々年比を掲載しました。

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東北・上越方面で回復

2021年のお盆は、中日の15日が日曜日になったことで、日並びとしては長い連休を取りにくい人もいたようです。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、帰省客も少なかったようで、各新幹線とも利用者数は伸び悩みました。

それでも前年よりは利用者が増え、対前年比ではおおむね130~140%と高い伸びとなりました。一方で、コロナ前の対前々年比では、30%程度の利用者数にとどまり、厳しい数字となっています。

対前年比で高い伸び率となったのは東北・上越方面です。秋田新幹線(盛岡~田沢湖)の171%を筆頭に、東北新幹線(那須塩原~郡山)と山形新幹線(福島~米沢)が前年比151%と高い数字です。上越新幹線(越後湯沢~長岡)も対前年比159%と堅調でした。

とはいえ、対前々年比では30%弱なので、前年の落ち込みが大きかっただけ、という話です。東北地方や新潟方面は、新型コロナウイルス感染症で、とくに人の動きが鈍くなっていたのですが、それが多少回復に向かっていると表現することはできるかもしれません。

その他の地方はおおむね対前年比130%~140%ですが、大雨が続いた九州南部では、九州新幹線(熊本~鹿児島中央)が、対前年比110%と伸び悩みました。九州北部の博多~熊本間は130%で、九州南部に比べると大雨の影響は小さかったようです。

「ひかり」より「こだま」

最も利用者の多い東海道新幹線の利用者数は159万人で、新型コロナウイルス感染症下でも、その輸送ボリュームは圧倒的です。

列車ごとの対前年比を見ると、「こだま」が36%、「のぞみ」33%、「ひかり」30%と差がついています。近距離利用の多い「こだま」がもっとも回復していて、次いで東名阪の需要の強い「のぞみ」が続きます。

「ひかり」が最も低いですが、中距離客の利用者回復が遅れていることを示しているのかもしれません。(鎌倉淳)

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