JR各社から2015年のゴールデンウィーク(4月24日~5月6日の13日間)の利用状況が相次いで公表されました。公表内容は各社・各支社ごとに異なりますが、その数字を集めてみると、それぞれの路線・区間のピーク時の利用者数がわかります。ランキングにすることで、各新幹線の利用者数がおおまかに見えてきます。
2015年版、利用者数ランキング新春版、まずは、新幹線からご紹介しましょう。
2015年ゴールデンウィーク新幹線利用者数ランキング
- 東海道新幹線(新横浜-静岡)403万人
- 山陽新幹線(新大阪-西明石)179.6万人
- 東北新幹線(大宮-宇都宮)159万人
- 上越新幹線(大宮-高崎)139.6万人
- 山陽新幹線(岡山-広島)134.2万人
- 東北新幹線(那須塩原-郡山)130.7万人
- 山陽新幹線(広島-新山口)92.7万人
- 山陽新幹線(新下関-小倉)83.0万人
- 山陽新幹線(小倉-博多)75.3万人
- 北陸新幹線(高崎-軽井沢)72.2万人
- 東北新幹線(古川-北上)60.4万人
- 北陸新幹線(上越妙高-糸魚川)39.1万人
- 九州新幹線(博多-熊本)38.8万人
- 東北新幹線(盛岡-八戸)25.6万人
- 九州新幹線(熊本-鹿児島中央)20.5万人
- 山形新幹線(福島-米沢)13.5万人
- 秋田新幹線(盛岡-田沢湖)9.9万人
- 山形新幹線(山形-新庄)3.7万人
上記の数字は、JRによって公表された区間旅客数のみをピックアップしてランキングしたものです。東海道新幹線の名古屋-京都間などが公表されていればもっと上位にランクされていたでしょうが、公表されていません。ということで、上記のランキングが公平・万能でないことを、まずはご理解ください。
北陸新幹線は「九州以上、山陽以下」
今年の注目はなんといっても北陸新幹線。どれだけの利用者を集めるのか気になるところでしたが、高崎-軽井沢間が10位。東北新幹線の古川-北上間を上回りましたが、山陽新幹線の小倉-博多には及びませんでした。
新規開業区間である上越妙高-糸魚川間は初登場12位。九州新幹線の博多-熊本間を僅差で上回りましたが、東北新幹線の古川-北上間には水をあけられています。
おおざっぱにいうと、北陸新幹線の利用者数は山陽新幹線より少なく、九州新幹線より多い、という位置づけになります。
上越新幹線との比率は6対4程度?
上越新幹線との比較が気になりますが、高崎以北の上越新幹線の利用者数は毎年公表されていません。
ただ、大宮-高崎が139.6万人で、高崎-軽井沢が72.2万人という数字が出ていますので、その差は67.4万人。高崎駅の新幹線1日平均乗車人員は1万3000人程度ですから、高崎駅の利用者は13日間で約17万人。多客期なので平均値よりは多いでしょうから、20万~25万人程度と考えられます。これから推定すると、高崎-越後湯沢間のゴールデンウィークの利用者数は45万人程度とみられます。
新潟の地元紙では、越後湯沢-長岡の利用者数が34万2000人だったと報じています。上毛高原駅と越後湯沢駅の平均乗車人員の合計は高崎駅の6割程度ですから、ゴールデンウィーク中はだいたい10万人程度。これから試算しても、やはり高崎-越後湯沢間のゴールンデンウィーク利用者数は45万人程度とみるのが妥当です。
つまり、高崎以北で比較すると、北陸新幹線は上越新幹線の1.6倍程度の利用者数ではないか、ということです。
北陸新幹線開業後は、上越新幹線が支線化してしまうのではないか、という危惧もありました。上記の推測から、実際のところ高崎以北の現時点での比率は6対4くらいで長野・金沢方面が新潟方面を上回っているようです。越後湯沢発の旧「はくたか」の昨年の利用者数は11万人。それを失ってこの数字だとすれば、上越新幹線は善戦しているといえるのではないでしょうか。
ただ、北陸新幹線の実力が分かるのは、開業ブームが落ち着いてからでしょう。来年の数字がどの程度になるのか注目したいところです。
明日は、在来線版を公開します。