東海道新幹線で京都始発の「のぞみ」や、岐阜羽島始発の「こだま」が登場します。「のぞみ」は毎時最大13本の運行体制となり、早朝・深夜時間帯も強化します。詳細な時刻表も交えてご紹介しましょう。
東京着11分早く
JR東海が2026年3月14日のダイヤ改正の概要を発表しました。東海道新幹線では、京都駅06時03分始発の臨時「のぞみ548号」を新設。東京着は08時12分で、現行の始発「のぞみ」より11分早くなります。
運転するのは月曜日と土曜日が中心で、休日の翌日や連休初日にも設定します。
【のぞみ548号時刻表】
京都06:03→名古屋06:37→新横浜07:54→品川08:05→東京08:12

名古屋始発も繰り下げ
名古屋からの上り「のぞみ」の始発時刻も繰り上げます。
これまで臨時列車として運転していた名古屋06時28分発の「のぞみ」を定期化し、「のぞみ288号」として毎日運転します。品川到着は07時56分で、東京都内に7時台の到着が可能です。
「のぞみ288号」を名古屋地区の多くの駅から利用できるように、在来線の時刻調整も実施します。
【のぞみ288号時刻表】
名古屋06:28→新横浜07:45→品川07:56→東京08:03
一方、名古屋06時37分発の「のぞみ」は臨時化します。臨時列車「のぞみ546号」または「のぞみ548号」として、利用の多い日に運転します。「548号」の場合は京都始発です。
岐阜羽島始発の「こだま」
中京圏からは、岐阜羽島始発の上り「こだま」も新設します。
名古屋06時45分発の始発「こだま700号」を、利用の多い日に、岐阜羽島始発の臨時列車「こだま800号」として延長運転します。
「こだま800号」は、名古屋で「のぞみ230号」(新大阪発)に接続します。これにより、岐阜羽島から東京へ始発で向かう場合、東京着が34分も早くなります。
【こだま800号→のぞみ230号接続時刻表】
岐阜羽島06:30→06:40(名古屋乗換)06:49→新横浜08:05→品川08:16→東京08:23
「のぞみ」毎時最大13本に
東海道新幹線の「のぞみ」については、利用の多い時間帯(下り東京駅07~10時台発、上り新大阪駅14~17時台発)に、臨時「のぞみ」を設定し、毎時最大13本の運転本数とします。これまでは毎時最大12本だったので、1本の増発です。
さらに、東京~新大阪間2時間30分運転の「のぞみ」の一部列車で所要時分を短縮し、2時間27分運転の「のぞみ」を増やします。
なお、新大阪駅17時台発の一部「のぞみ」は、品川行きとなり、東京駅には乗り入れません。東京駅のホーム容量が足りないことが理由とみられます。
最終「のぞみ」は品川着に
品川駅が終着の「のぞみ」は、深夜にも設定されます。
博多19時18分発の臨時「のぞみ206号」で、品川到着が23時59分の最終列車です。新幹線は深夜0時までの運行となっているため、ぎりぎりの時刻に品川駅に滑り込む形です。
「のぞみ206号」は利用者の多い日に運転される臨時列車です。定期列車の最終「のぞみ」より、博多で18分、新大阪で21分、名古屋で21分、それぞれ最終時刻が繰り下がります。
【のぞみ206号】
博多19:18→広島20:21→岡山20:57→21:43新大阪21:45→22:32名古屋22:33→23:59品川
輸送力が逼迫
今回の東海道新幹線のダイヤ改正は、日中ピーク時間帯の「のぞみ」増発と、始発・最終列車の繰り上げ・繰り下げが主なポイントです。
いずれも利用者増への対応ですが、特徴的なのは早朝・深夜時間帯の臨時列車設定でしょう。始発や最終の「ぎりぎりの時間帯」に利用する人が増えていることを示しています。
背景として、ホテル代高騰による日帰り出張の増加や、リモートワークの普及による、週明け・週末利用の増加などがあるのかもしれません。
分散の取り組み
京都始発の「のぞみ」設定には喫驚しますが、現状の新大阪始発の「のぞみ」の混雑緩和が目的とみられます。
その新大阪からの始発列車は、新ダイヤでは、名古屋で岐阜羽島始発の「こだま」からの接続を受けます。つまり、京都からの旅客を減らし、岐阜羽島からの旅客を受け入れる座席を空ける取り組みになっています。
名古屋からの「のぞみ」始発列車を繰り上げて、在来線からの接続まで改良するのは、より早い時間帯に東京に着きたいという需要が多いからでしょうが、なるべく早い時間帯に利用者を運び、早朝ピークの混雑を分散する目的もありそうです。
品川到着の最終「のぞみ」設定も、東京着最終「のぞみ」との分散を企図しているのでしょう。
いずれにしろ、今回のダイヤ改正で、東海道新幹線については増発の方向性が明確になりました。前向きなダイヤ改正ともいえますが、輸送力逼迫を示しているともいえそうです。(鎌倉淳)





















