ホーム 鉄道 鉄道新線

北陸新幹線延伸、湖西線活用案も。維新が8ルート提案、再検討求める

舞鶴・亀岡ルートも

北陸新幹線の新大阪延伸ルートについて、日本維新の会は8つの案を提案し、費用便益比などについて試算を求めると決めました。自民党と共同で設置する新たな与党プロジェクトチームで検討します。

広告

維新が8案

日本維新の会は、2025年12月1日に整備新幹線のプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、北陸新幹線敦賀~新大阪間の延伸ルートについて、合計8つの案を改めて提案し、再試算を求めることを決めました。

再検討を提案する8つのルートの概要は以下の通りです。

○亀岡ルート(敦賀~小浜~亀岡~新大阪)
○米原ルート乗り入れ(敦賀~米原、東海道新幹線直通)
○米原ルート乗り換え(敦賀~米原、東海道新幹線乗換)
○湖西ルート(敦賀~京都~新大阪)
○湖西ルート在来線活用(敦賀~京都~新大阪)
○舞鶴ルート京都経由(敦賀~小浜~舞鶴~京都~新大阪)
○舞鶴ルート亀岡経由(敦賀~小浜~舞鶴~亀岡~新大阪)
○小浜・京都ルート(敦賀~小浜~京都~新大阪)=既定案

北陸新幹線白山

広告

前原氏が維新側座長に

日本維新の会が与党に加わったことで、これからの与党整備新幹線プロジェクトチームは、自民党と日本維新の会が共同で設置します。維新側の座長は前原誠司元国土交通大臣が務めます。

維新は、上記の8ルートについて、改めて費用便益比などを試算したうえで、比較することを自民党に求めていきます。

広告

湖西線改軌案が注目

示されたルートの多くは、すでにある程度調査が進められてきたものです。これまでに全く調査がされていない案での注目は、湖西ルートの在来線活用案でしょうか。

詳細はわかりませんが、湖西線を改軌して新幹線車両が走れるようにする案とみられます。ただ、新快速など在来線列車の扱いや、京都以西をどうするのかが難しそうです。

米原ルートについても、東海道新幹線乗り入れと乗り換えを分けて検討することは、これまでにない視点といえます。舞鶴ルートについては、亀岡から京都市内に入らない案が、初めて検討対象に加わります。

過去の検討状況からみて、費用便益比などから有利な数字が出そうなのは米原ルート(乗換案)でしょう。また、舞鶴ルートの亀岡案は、滋賀県を通らないルートとして現実的で、費用面でも有利になりそうですが、京都市内を通らないため、便益が小さいというデメリットがありそうです。(鎌倉淳)

広告
前の記事AIRDO、ソラシド苦境続く。利益率低迷、「安売り」抜け出せず
旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。