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ANA系エアージャパン、26年3月で運航休止。「ハイブリッドエアライン」わずか2年で姿消す

ANAブランドに集約

ANAが、2024年2月に運航を開始したばかりの新ブランド「Air Japan(エアージャパン)」を、2026年3月下旬で休止すると発表しました。フルサービスと格安航空会社の中間的なブランドという位置づけでしたが、機材と人材をANAブランドの運航に集約します。

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ハイブリッドエアライン

エアージャパンは2024年2月に成田~バンコク線で初就航しました。格安航空会社LCCと、フルサービスキャリアFSCの双方の利点を融合した「ハイブリッドエアライン」を標榜し、中距離国際線を低価格で運航するブランドという位置づけでした。

実質的には、JAL系のZIPAIRと競合する、中距離LCCの立ち位置となっていました。機材もZIPAIRと同じ、ボーイング787型機です。

ただ、ZIPAIRに比べると路線の展開は遅れていて、成田空港を拠点に、ソウル、バンコク、シンガポールの3都市に就航するのみ。

2025年3月期の旅客数は42万8000人で、ANA国際線(807万2000人)やピーチ(910万人)に比べると小規模です。

エアージャパン
画像:AirJapan

 
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3月下旬で終了

ANAは、10月30日の発表で、「ANA グループマルチブランド戦略の再構築」として、「AirJapan」ブランドを休止し、ANAブランドに集約することを明らかにしました。

エアージャパンの機材と人員をANAブランドの運航に集約し、国際線事業規模を拡大していく方針としています。

エアージャパンブランドとしての3路線の運航は、2026年3月下旬の冬ダイヤ終了を以て終了します。

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777Xの納入遅れで

ANAは、今後の主力機として、ボーイング社が開発中の新型大型機「777X」を導入する予定です。ただ、777Xの開発は遅れていて、納入は2027年になる予定です。

そのため、エアージャパンの持つ787型機をANAブランドで運航して、機材不足をしのぐということでしょう。

さらにいえば、エアージャパンのブランドがあまり浸透しておらず、ZIPAIRに比べて劣勢にあることが背景にあるのかもしれません。

エアージャパンの会社自体は存続し、ANAブランドでフルサービスキャリアの運航をします。「ハイブリッドエアライン」としてのエアージャパンは、わずか2年余で姿を消すということです。(鎌倉淳)

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