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関鉄バス、鉾田駅発着「全便廃止」の衝撃。26年春、石岡~土浦間も断絶

かしてつバスも部分廃止

関東鉄道が、茨城県石岡市、鉾田市エリアで、2026年春に路線バスの大規模な削減に踏み切ります。鉾田駅発着便を全便廃止するなど、4路線で82停留所を廃止し、路線を縮小します。

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4路線、82停留所を廃止

関東鉄道は、2026年3月末を以て、石岡・鉾田地区の4路線の一部区間を廃止すると発表しました。廃止対象は、石岡・鉾田線、石岡・土浦線、鉾田・水戸線(海老沢線)、鉾田・水戸線(大和田線)の一部区間です。

廃止区間の距離は合計47.7km、廃止停留所数は82箇所にも及びます。具体的な廃止区間は、以下の通りです。

関鉄バス

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石岡・鉾田線

石岡・鉾田線は、石岡駅から玉造駅を経て鉾田駅に至る路線です。2007年に廃止された鹿島鉄道の代替バスという位置づけで、「かしてつバス」の愛称があります。

系統距離は35.0km、平日17便、土日14便を運行しています。このうち、鉾田駅~玉造中学校前の13.5kmを廃止します。

廃止後は、茨城空港を拠点とした運行に再編し、玉造駅には一部便が残ります。

関鉄バス廃止区間
画像:関鉄バス

 

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石岡・土浦線

石岡・土浦線は、おもに石岡駅と土浦駅を結ぶ路線です。石岡駅から、ヒルズガーデン美野里にも足を伸ばしています。系統距離は21.6kmで、平日14便、土日10便を運行しています。

このうち、ヒルズガーデン美野里~行里川入口間と、国府三丁目~千代田庁舎前、西山~清水南を廃止します。廃止距離は9.6kmです。中貫~土浦駅間や、石岡、神立の通学路線は運行を継続します。

関鉄バス廃止区間
画像:関鉄バス

 
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鉾田・水戸線(海老沢線、大和田線)

鉾田・水戸線は、おもに鉾田駅~水戸駅を結ぶ路線です。海老沢を経由する系統と、大和田を経由する系統があります。系統距離は海老沢線が34.6km、大和田線が35.2kmです。運行本数は海老沢線が1日5便、大和田線は平日のみ2便です。

このうち、廃止となるのは、海老沢線の鉾田駅~城之内原間12.4kmと、大和田線の鉾田駅~西三角間の12.2kmです。いずれも、水戸駅に近い区間は存続します。

関鉄バス廃止区間
画像:関鉄バス

 
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鉄道が廃止されて…

関鉄バスの今回の路線整理は、茨城県東南部の長距離路線を廃止して、通学需要の高いターミナル駅発着に再編する形と言えます。

なかでも驚かされるのが、鹿島鉄道代替バス(かしてつバス)を含む、鉾田駅発着便の全廃でしょう。高速バスは残るようですが、それ以外の路線バスで、関鉄バスは鉾田エリアから撤退するようです。

かしてつバスの撤退は、「鉄道が廃止され、やがてバスも廃止される」という、残念なパターンになってしまいました。

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合計で108人

ただ、関鉄バスによれば、廃止区間の停留所の乗降客数は、合計で1日あたり108人です。4路線全体の乗降客数が3,395人のため、割合で言えば3.2%にすぎません。

関鉄バス廃止区間の利用者数
画像:関鉄バス

関鉄バスでは、廃止の理由として運転士不足と人口減少、燃料費の高騰などを挙げています。「安定的に輸送サービスを提供するためには、需要に応じた運行路線の最適化が急務」としたうえで、「利用状況などから、やむを得ず廃止とさせていただく」と説明しています。

廃止により、たとえば土浦駅~石岡駅や、玉造駅~鉾田駅、新鉾田駅~水戸駅といった区間で、関鉄バスが断絶します。「ローカル路線バスの旅人」には、厳しいお知らせです。(鎌倉淳)

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